MHD的天体物理ワークショプ 2008.9.1 三鷹 有限振幅拡散擾乱より発展する 磁気リコネクションの 3次元シミュレーション 横山 央明 (東京大学地球惑星) 磯部 洋明 (京都大学宇宙ユニット) 1 太陽コロナ 温度 2MK プラズマβ 0.01-0.1 密度 109cm-3 Alfven時間 1-100 sec 磁場 数-100G 拡散時間 ループ長 104-105 km 1 Myr 磁気Reynolds数 1013 2 太陽フレア Tflare=10 - 100 MK (1 - 10) x 1010 cm-3 電波 時間スケール 60-105 sec エネルギー 1029 - 1032 erg 紫外線 Ha 軟X線 硬X線 g線 Kane (1974) 3 Tsuneta et al. (1992) 4 Joule散逸からリコネクションへ • 「太陽大気中に蓄えられた磁気エネルギーを、観 測された時間スケール(数分から数時間)で解放 される物理機構はなにか?」 L 2 6 L / 3 10 yr 4 4 2 10 km 10 cm / s 2 diff 1 5 定常リコネクション理論モデル Sweet-Parkerモデル SP A diff Rm1/ 2 A 100 day M A Rm 1/ 2 Petschekモデル Pet ln Rm A 20s M A 1 / ln Rm 6 磁気リコネクションモデルの観測的証拠 • • Carmichael (1964); Sturrock (1966); Hirayama (1974); Kopp & Pneuman (1976) (Ohyama&Shibata 1996) (Tsuneta et al. 1992) (Masuda et al. 1994) (Yokoyama et al. 2000) 7 定常リコネクション理論モデル Sweet-Parkerモデル SP A diff Rm1/ 2 A 100 day M A Rm 1/ 2 Petschekモデル Pet ln Rm A 20s M A 1 / ln Rm 8 空間スケールのギャップ (c.f. Tajima Shibata 1997) プラズマミクロ過程による抵抗が 効く空間スケール d = ri ~ 1 m d; 電流シートの厚み ri ; イオンLarmor半径 フレアの空間スケール – 104 –105 km 107から108 ものギャップ! – 安定に(層流で)つながっている とは考えがたい 9 フラクタル電流シート Tajima & Shibata (1997) 「大域的電流シート」 >1 km ~104 km 実現可能性? ~1-10 m 10 太陽フレアのリコネクションは、Petschekか?Sweet-Parkerか? (Nagashima & Yokoyama 2006, ApJ) upper limit of Petschek model S-P type dependence Rm VA L M A Rm 0.5 M A Rm 0.8 leastsquares fitting 11 Tanuma et al. (2001) •2Dシミュレーションで、磁気アイランドの段 階的発生と、その放出にともなうインパルシ ブなリコネクションを実現 •抵抗は、Rm=150 + (電流/密度)依存 12 降着円盤内の乱流リコネクション? Kudoh & Kaburaki (1996)の 相対論抵抗有MHDモデル 磁気回転不安定による乱流の発展(Sano & Inutsuka 2001) 13 研究の究極目標 3次元磁気乱流リコネクションの物理を調べる。 この研究の目的 MHDシミュレーションで抵抗に擾乱を加えた後の電流シートの 時間発展をしらべる。着目点は • エネルギー転換効率の単純構造の(層流的な)リコネクション と比較。 • 3次元構造の時間発展 14 計算モデル 16d すべて周期境界 3次元抵抗ありMHD プラズマ 0.1 d CA / CS 3.4 128d 磁気Reynolds数 (一様抵抗) Rm CAd / 340 グリッド数 200x256x256 x方向非一様(最小0.02) y t/(d/Cs)<4において、空間ランダム、 時間固定な抵抗を50%追加 z x 10d 15 r Vx Vy x Jz Bx By xy平面 (z=0) Vz y Bz 16 zy平面、 x=0 r Vx Vy Jz Bx By Vz y z Bz • 電流密度が高いパッチ構造が多数できる。これらはみなリコネクション磁気中性点。 • 磁気中性点にむかう、z方向(電流方向)の流れが誘起され、3次元構造の発展に寄与する。 • 電流パッチは互いに合体し、最終的には1個または数個の大きな構造まで発展する。 . 17 電流シート内の構造 (zy平面, x=0) r Vx Vy Vz Jz Bx By Bz y z • 電流密度が高いパッチ構造が多数できる。これらはみなリコネクション磁気中性点。 • 磁気中性点にむかう、z方向(電流方向)の流れが誘起され、3次元構造の発展に寄与する。 • 電流パッチは互いに合体し、最終的には1個または数個の大きな構造まで発展する。 . 18 エネルギースペクトル Bx(x=0) t/s=1, 10, 50, 100, 200 IK K time time kyLy • 逆カスケード • べき乗的スペクトルへの発展 kzLz 19 エネルギー変化について註(いいわけ) 典型例 初期擾乱なし(単純拡散) DEth, |DEmg| DEth, |DEmg| Eki Eki (700tA) t / (d/Cs) t / (d/Cs) 一様抵抗がかかっているので、初期条件は磁気拡散に対し て平衡でない。つまり初期擾乱をかけなくても拡散加熱 する。 しかし、初期擾乱ありの場合では、運動エネルギーに増分 が見られる。以後、これを議論する。 20 1波長擾乱(Sweet-Parkerリコネクション)との比較 典型例 1波長擾乱 DEth, |DEmg| DEth, |DEmg| Eki Eki t / (d/Cs) t / (d/Cs) Vx Vy Vx Vy 21 考察 • Sweet Parker電流シート L M A Rm 1 / 2 1/ 2 LC A • 「ばらばら」電流シート N分割 L L / N M A Rm スローショック 1/ 2 1 / 2 LC A N 1/ 2 Rm 1 / 2 (e.g. Lazarian & Vishniac 1999) 22 2次元との比較 2次元のほうが運動エネルギーへの転換能率がよい。 2次元 3次元 DEth, |DEmg| DEth, |DEmg| Eki Eki t / (d/Cs) t / (d/Cs) Vx Vy Jz Vx Vy 23 考察 3次元になると電流シートの分布が奥行きにも切れ切れになる (直感的には奥行き方向が揃うべき理由はない、、、と思う。 ただしガイド磁場がないとき。) ○エネルギー転換効率を下げる効果→流入領域が狭くなる ×上げる効果→カスケードを維持するシア流(渦)の発生源 電流シート 24 磁気拡散に対する依存性(preliminary) 1.d-2 1.d-1 Eki 1.d-3 time g g 0.12 成長率gg g g A 0.01Rm 0.12 たとえば太陽 (Rm=1.e10)では g g A 310-4 25 まとめ 3次元MHDシミュレーションで、初期ランダム擾乱を与えた 電流シートの時間発展を調べた。 • 初期には電流平行方向(z方向)には、高波数のモードが 初期擾乱を種として成長する。やがてxy面内に流れの構 造が誘起され、3次元構造が成長する。 • 運動エネルギーへの転換の成長率は、単純な構造(1波 長)のリコネクションよりよい。 • 運動エネルギーへの転換の成長率は、2次元のほうがよ い。電流シートの(3次元方向での)離散的構造が起因。 • (予備段階結果)成長率のRm依存性は弱い(0.1乗程度) 26 縦磁場ありのケース Bperp=0.1B0 27 縦磁場ありのケース Bperp=0.1B0 28 X線放射と彩層蒸発 29 ムービー1 ムービー2 30 ムービー 31
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