財務分析とは テキスト外 田宮治雄 財務分析の概要 経営分析とほぼ同じ 経営分析:会計学サイドからのよび方 比較的古くからの呼称 財務分析:ファイナンス・サイドからのよび方 株価など、会計処理の結果生成されたデータ以外 のデータも利用する傾向 財務分析の対象 財務諸表をいかに読むかが中心 連結財務諸表と個別財務諸表どちらも対象 貸借対照表 損益計算書 キャッシュ・フロー計算書 製造原価明細書 株主資本等変動計算書 注記 連結財務諸表が中心 株価などの情報と組み合わせた分析も 財務分析の性格 共通のメニューによる一般的な情報分析 人間 - 健康診断 企業 - 財務分析 問題点が明らかになれば、さらに詳細な調 査を行う 財務情報の利用者 第一の利用者は投資家 実際には、素人の投資家というより、機関投 資家などプロの投資家と、証券アナリストなど が利用者と想定される 経営者などの情報ニーズとも合致する 分析結果は、地域住民など財務情報の他の 利用者にもある程度有益である 分析の視点 リスクとリターンの質の見極め リターン 収益性 リスク 安全性 生産性 デフォルトリスクの回避 価格変動リスクの把握 リスクとリターン 成長性 分類と主な指標(1) 収益性の分析 利益を生み出す体質を判断する 比率の分析 ROA Return On Assets ROE Return On Equity 売上高利益率 回転率/回転期間 生産性の分析 新たな価値を生み出す力を判断する 付加価値の計算・分析 付加価値率 労働生産性/設備投資効率 分類と主な指標(2) 安全性の分析 支払不能に陥るリスク(デフォルトリスク)を判断する 比率の分析 価格変動の程度を把握する 流動比率/負債比率/固定比率/インタレスト・カバレッジ・レシオ 流動比率はテキストp.86 営業レバレッジの分析 - 損益分岐点分析 財務レバレッジの分析 成長性の分析 事業拡大の可能性を判断する 比率の分析 趨勢分析/研究開発費負担率 株価収益率(PER)/株価純資産倍率(PBR) 分析の方法 時系列分析 同じ企業の期間比較 クロスセクション分析 5期くらいを比較することが望ましい 同業他社との比較 業界平均との比較 両者の併用が望ましい クロスセクション分析で使用するデータベース 有償のデータベースの利用 日経225など 定期刊行物の利用 日経経営指標(2010年3月期まで) 企業経営の分析(三菱総合研究所) 中小企業の経営指標(中小企業庁) など 考慮しなければならない事項 会計処理方法の違い、もしくは変更 できる限り同じ基準に修正して分析する 財務諸表に対する注記の活用 定性的な情報(数値で示すことができない情報)の考慮 有価証券報告書の会計情報以外の情報 経営方針 マネジメント・ディスカッション・アナリシス(MD&A)の 活用 研究開発活動 事業等のリスク 有価証券報告書以外の情報源の活用
© Copyright 2024 ExpyDoc