テクスト意味空間分析法最終プレゼン

テクスト意味空間分析法最終プレゼン
【情報のスクリプト分析】
環境情報学部 4年
79860154
山澤美由起
環境情報学部 1年
70149609
矢島祐樹
1、「情報」についての先行研究
扱おうとする者の意思とは
関係なく、「溢れ」たり、「流
れ」たり、「漏れ」たりしてし
まう。
扱おうとする者の意思通り
に、「提供でき」たり、「集
め」たり、「交換し」たりす
ることができる。
2、分析の視点
今回改めて「情報」について分析するに当たって
私達は次の二つの視点が考えられるのではないか
と思った。
2、分析の視点
1、情報」というコトバとその類義語で比較すると分析しやす
いのではないだろうか。
類義語のひとつとして、「知識」が考えられる。「情報」と
「知識」というコトバを比較して分析してみてはどうだろう
か。
その違いを何となく理解している/使い分けている人が多
いと考えられるが、一般的な人々が「情報」と「知識」をど
う使い分けているかという視点を持つと、おもしろい分析
結果がえられる可能性があるのではないだろうか。
2、分析の視点
2、実は「情報」の指すものは、「情報」というコトバ
が一般的に浸透する以前からあったのではない
だろうか、とも考えられる。それが「情報」というコ
トバが普及した事によって、人々の中でどう意味
づけが変化したのかを焦点として分析に取り組
んでも面白いのではないだろうか。
2、分析の視点
そして、私達は、スクリプト分析を行った際、
より特徴のとらえやすい1の視点で研究を行うことにした。
3、分析の素材(データの説明)
私達が今回analyze100プログラムで抽出した素材は下記の
通りである。
採取した投書の年代:1993年4月1日から2001年11月29日
なんらかの形(複合語を含む)で「情報」を含む投書:1667件
なんらかの形(複合語を含む)で「情報」を含む文章:2539件
「情報」の意味図式:947件
3、分析の素材(データの説明)
素材からエクセルを使い、加工、計算した結果、スクリ
プトの数は下記の通りである。
は・が・を・に・で 別 スクリプト数はそれぞれ、
は:10件 が:30件 を:52件 に:10件 で:0件
合計:102件
その他のスクリプト数は12件
4、分析の対象の絞込み
•
さて、私達は「知識」との比較の中で、「情報」の意味について分析
を加えようとしているが、時間的制約も考慮し、「は・が・を・に・で」全
てについて比較・分析を加えるのは見送り、最も特徴の見えそうな助
詞について詳しく比較・分析を加えることにした。
– 「情報」「知識」共にスクリプト数が最も多かった「を」に
ついて比較・分析することにした。
(「は・が・を・に・で」別スクリプト数の合計数における「情報を」「知識を」の
パーセンテージはそれぞれ、51.0%、76.4%であった。但し、比較するに
あたり「情報を」のスクリプトについては上位24件(4回以上繰り返されて
いた意味図式)までを採用することとした。これは抽出されたスクリプト
数が「情報を」「知識を」それぞれ52件、26件と比較・分析結果に影響す
ると判断するに充分なほどバランスが取れていなかったためである。)
5、「情報」スクリプト抽出結果
動詞
情報
助詞「を」 得る
提供する
伝える
公開する
流す
集める
できる
する
交換する
個数
37
25
22
18
14
12
11
10
9
動詞
与える
発信する
選択する
知る
開示する
見る
握る
得られる
求める
個数
7
7
7
7
6
6
5
5
5
6、「知識」スクリプト抽出結果
動詞
知識
助詞「を」 持つ
得る
つける
詰め込む
生かす
着ける
持たない
個数
27
17
10
9
6
5
5
動詞
する
学ぶ
できる
教える
深める
増やす
与える
個数
5
5
4
4
3
3
3
7、「情報」「知識」共通のスクリプト
動詞
情報を 得る
提供する
集める
与える
教える
個数
37
25
12
7
4
動詞
知識を
得る
提供する
集める
与える
教える
個数
17
2
2
3
4
8、「情報」「知識」共通しないスクリプト
動詞
情報を 伝える
公開する
流す
交換する
発信する
選択する
知る
開示する
見る
握る
得られる
求める
個数
22
18
14
9
7
7
7
6
6
5
5
5
動詞
知識を
持つ
つける
詰め込む
生かす
着ける
持たない
学ぶ
深める
増やす
個数
27
10
9
6
5
5
5
3
3
7、 私たちの導き出したイメージ①
無機的
有機的
かたい
1+1=2
やわらかい
1+1=
8、 私たちの導き出したイメージ②
8、 私たちの導き出したイメージ②
8、 私たちの導き出したイメージ②
9、総 括
この結果より私達は次のような結論が導き出せ
るのではないかと考えた。まず、先行研究におい
て「情報」の二つ目の性質として浮かびあがった
“安定した、モノ的イメージを持っている”という性
質が「知識」とほぼ共通していることがわかる。し
かし、同じ“モノ的”であっても“モノ”としての性質
は異なっているようである。
9、総 括
「情報」は「伝える(22)」「公開する(18)」「流す(14)」からも分かるよう
にあくまで、無機的で、脳に外在する“モノ”としての性質が強く感じら
れる。「情報」は外在するが故に“どうぞ”と渡されてしまったら、受け
取ってそれ自身を変化させることはできないイメージの“モノ”である。
「情報」は常に1+1=2となるような“モノ”であると考えられる。
それに対し、「知識」は「生かす(6)」「学ぶ(5)」「深める(3)」「増やす
(3)」に特に現れているように、有機的で、脳に内在する“モノ”として
の性質が強く感じられる。「知識」は“どうぞ”と渡されたらそれを内な
るものとして取り込み、「深める(3)」ことや「増やす(3)」ことや「高め
る(2)」ことのできる“モノ”である。「知識」は1+1=∞となり得るよう
な“モノ”であると考えられるのである。
9、総 括
私達は「情報」が内在する形を取ったときそれは
「知識」と認識され、「知識」が外在する形を取っ
たとき(例えば“どうぞ”と人に「教える」とき)それ
は「情報」と認識されているととらえることができ
るのではないかと考えた。この場合、「情報」と
「知識」はニワトリとタマゴの関係であると考えら
れる。但し、これはあくまで「知識」と対比したとき
の「情報」の姿であり「情報」と対比したときの「知
識」の姿である。
おしまい。