日本政府への米国政府の「規制改革要望書」 平成20年度岡山大学公開講座 2008年6月14日(土) 岡山大学経済学部:太田仁樹 1 1.歴史的経緯 1970年 日米繊維交渉開始 1972年 日米繊維協定調印、日本、第二次鉄鋼自主輸出規 制(72.1〜74.12) 1973年 GATT、東京ラウンド交渉開始 1977年 日米カラーテレビOMA(市場秩序維持)協定締結 1978年 牛肉・オレンジ交渉決着(輸入枠拡大へ) 1979年 GATT、東京ラウンド交渉終結 1980年 NTT調達取決め策定(99年に失効) 1981年 日本、対米自動車自主輸出規制実施(81.4〜 84.3) 1985年 中曽根・レーガン合意、MOSS協議(市場志向 型 分野別協議)開始 2 歴史的経緯1−2 9月 プラザ合意 1986年 MOSS協議(エレクトロニクス、電気通信 、医薬品・医療機器、林産物の分野) 決着GATT、ウルグアイ・ラウンド交渉開 始 9月 日米半導体取極締結 1987年 日本、工作機械の対米輸出自主規制実施( 87〜93.10) 1988年 牛肉・オレンジ交渉最終決着(輸入割当撤 廃へ) 1989年 6月 移動電話交渉決着 3 歴史的経緯1−3 日米構造協議(SII)開始 日本側:貯蓄投資パターン、土地利用、流通機構、価格メカニズム、 系列、排他的引慣行 米 側:貯蓄投資パターン、企業の投資活動と生産力、政府規制、 輸出振興、USTR、日本の建設市場(301条)、電気通信 (88年包括通商法1371〜1382条)、工衛星政府調達(スーパー 301条)、スパコン政府調達(スーパー301条)、 木材の輸入に関する技術障壁(スーパー301条)を標的に (建設、電気通信は最終的に94年、その他は89〜90年にかけて 合意決着) 1990年 SII最終報告 1991年 6月 新たな日米半導体取極締結(期限96年7月末) 1992年 日米工作機械交渉最終決着 4 歴史的経緯1−4 1993年 クリントン・宮沢総理間で日米包括経済協議 開始につき合意 →94年 8月 知的所有権分野決着 10月 政府調達、保険分野決着、 12月 ガラス分野決着(99年末で措置終了) 95年 1月 金融サービス分野決着 6月 投資・企業間関係分野及び自動車・同部 品協議決着(2000年6月で措置終了) 96年 12月 保険問題最終決着 1994年 3月 移動電話(89年合意違反)決着 4月 GATT、ウルグアイ・ラウンド妥結 5 歴史的経緯1−5 1995年 1月 WTO設立 1996年 8月 半導体問題決着 1997年 6月 橋本・クリントン間で、日米規制緩和対話につき 合意(「規制緩和及び競争政策に関する日米間の強化された イニシアチブ」) 1998年 9月 NTT調達取決めの改善、延長 1999年 5月 橋本・クリントン会談で日米規制緩和対話に関す る共同現状報告発表 5月 小渕・クリントン会談で規制緩和対話に関する第 2回共同現状報告発 7月 NTT再編に伴い、NTT調達取決めが失効、簡素化 さ れた措置の2年実施で決着 2000年 7月 森・クリントン会談で規制緩和対話に関する第3 回共同現状報告発表 6 歴史的経緯1−6 2001年 6月 小泉・ブッシュ会談で規制緩和対話 に関する第4回共同現状報告発表同時に、「成長のた めの日米経済パートナーシップ」立ち上げに合意 (この下で、日米規制緩和対話を発展改組した「日米規 制改革及び競争策イニシアティブ」のプロセス開始) 「成長のための日米経済パートナーシップ」 次官級経済対話、官民会議、規制改革及び競争政策イニ シアティブ、財務 金融対話、投資イニシアティブ、貿易フォーラムの6つ の枠組みで構成。 7 2.「成長のための日米経済パートナー シップ」の現状(外務省ホームページ) http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/keizai/pship_g.html ——————————————————————————— 日米次官級経済対話(Subcabinet Economic Dialogue) 2001年10月7日:ワシントン 【議題】 (1)日米両国経済及び世界経済の動向と今後の見通し (2)WTO新ラウンド (3)アジア・太平洋等の地域経済及び地域協力の現状と見通 し 8 日米次官級経済対話2−2 2002年5月9日:千葉 【議題】 (1)日米両国経済の動向と今後の見通し (2)日米両国のそれぞれの二国間又は地域的な経済 的取組 (3)WTO新ラウンド (4)開発援助政策 (5)テロ対策措置 (6)「成長のための日米経済パートナーシップの各 フォーラムの現状」 9 日米次官級経済対話2−3 2003年4月15日:ワシントン 【議題】 (1)日米両国経済の動向と今後の見通し (2)地域的及びグローバルな課題 (イ)アジア経済 (ロ)交通保安と物流の効率化 (ハ)WTO (3)イラク 10 日米次官級経済対話2−4 2004年7月16日:ワシントン 【議題】 1.日米経済関係 (1)日米両国のマクロ経済状況 (2)個別問題(米国の入国管理政策、郵政公社の 民営化、BSE、WTO勧告の実施) 2.国際経済関係 (1)WTOドーハ・ラウンド (2)アジア経済 (3)日米のFTAに係る現状 3.イラク問題(ワーキング・ランチ) 11 日米次官級経済対話2−5 2006年12月6、7日:東京 【議題】 (1)法の支配の強化、ビジネス環境の改善に向けた日 米間の協力の強化 (2)地域の問題 (3)グローバルな課題 2007年4月6日:ワシントン 【議題】 (1)経済分野における日米間の協力 (2)諸課題への対応 12 日米次官級経済対話2−6 2007年12月6,7日:東京 【議題】 (1)次官級経済対話の下での活動 (2)地域の問題 (3)グローバルな課題 (4)二国間の案件 13 官民会議2−7 官民会議(Private Sector/Government Commission) 第1回会議(2002年5月10日:千葉県木更津市・かずさアカ デミアパーク) ・日・米官民会議民間側参加者による日本・米国両政府に対す るレポート ・【議題】 「持続可能な成長のための環境整備:生産性の向上と企業 再生」 (1)生産性の改善、(2)企業再建と不良債権問題、(3 )法規制、(4)コーポレイト・ガバナンス、(5)起業家 育成の環境整備 14 官民会議2−8 第1回会議フォローアップ会合(2002年11月14日:ワ シントン) ・日米・官民会議民間側参加者による共同ステートメ ント ・【議題】 「持続可能な成長のための環境整備:生産性の向上と 企業再生」 (1) 生産性の向上、(2)企業再建と不良債権問題、 (3)企業活動の法的側面・規制改革、(4)コーポ レイト・ガバナンス、(5)起業環境 15 官民会議2−9 第2回会議 (2003年4月14日:ワシントン) ・【議題】「21世紀の経済的な課題への取組に成功する」 (1)企業再生及び人的、資本その他の最適な資源配分の促 進を通じた生産性の向上 (2)両国経済の競争力の強化 (3)人口動態が変化している国々における、成長の促進及 び生活水準の向上 (4)両国における実践的な経験に基づく、企業統治の最良 の慣行と原則の特定及びその実施 (5)グローバル化時代における貿易・投資環境の変化への 対処 16 官民会議2−10 第2回会議フォローアップ会合 (2003年10月23日 :東京) 【議題】 「21世紀の経済的な課題への取組に成功する(1) 企業再生と金融、(2)高齢化・医療、(3)企業 統治、(4)貿易・投資 17 年次改革要望書2−11 規制改革及び競争政策イニシアティブ(Regulatory Reform and Competition Policy Initiative) (1)1年目(2001年〜2002年)の対話 2001年10月14日に日米間で双方の要望書を交換。 各作業部会(課長級)について、第一回会合を開催。 (1)2001年11月5〜7日 分野横断的問題に関する作業部会( 東京) (2)2001年11月12・13日 エネルギー作業部会(東京) (3)2001年11月28日 医療機器・医薬品作業部会(東京 ) (4)2001年11月29・30日 情報技術作業部会(東京) (5)2001年12月19・20日 電気通信作業部会(東京) 18
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