平成 25年度関税改正について

資料3
平成 25年度関税改正について
平成24年10月3日
関税・外国為替等審議会
関
税
分
科
会
財 務 省 関 税 局
1.関税分科会の今後の開催日程(予定)
日 程
議
題
第2回
11月上旬
○ 平成25年度関税改正検討項目について
第3回
11月中旬~下旬
○ 平成25年度関税改正に関する論点整理案について
2.主な関税改正検討項目
(1) 暫定税率等の適用期限の到来
(2) 関税評価に係る規定の整備
(参考)
暫定税率等の適用期限(1年)の到来
(1)暫定税率
① 輸入自由化等内外の情勢の変化に対応して、国際的に約束した市場アクセス機会(輸入数量)の提供や需要者・消費者への安価な輸入品の供給の確保と、国内産業保
護の調整を図るために特別な制度が設けられている品目
ウルグアイ・ラウンド合意以前に、関税割当制度を導入した品目
ナチュラルチーズ(プロセスチーズ原料用)、とうもろこし(コーンスターチ製造用、単体飼料用、特定物品製造用(コーンフレーク、蒸
留酒等)、その他)、麦芽、糖みつ(アルコール製造用)、無糖ココア調製品(チョコレート製造用)、トマトピューレー・トマトペース
ト(トマトケチャップ・トマトソース製造用)、パイナップル缶詰、革(牛馬革(染着色等したもの)、牛馬革(染着色等してないもの)、
羊革・やぎ革)、革靴
66品目
ウルグアイ・ラウンド合意に基づき、従来、輸入割当制度等の下で提供されていた無税又は低税率の市場アクセス機会(輸入数量)を提供するとともに、それを超
える輸入に対して内外価格差に相当する高関税を設定した品目
関税割当品目
(割当を受けて輸入されるもの)
脱脂粉乳(学校等給食用、学校等給食用以外)、無糖れん乳、ホエイ等(無機質濃縮、配合飼料用、
乳幼児用調製粉乳製造用)、バター、調製食用脂、その他の乳製品、雑豆、でん粉、落花生、こん
にゃく芋、繭・生糸
国家貿易品目
(政府又はその代行機関により輸
入されるもの)
指定乳製品等、小麦、大麦、米
93品目
86品目
② 国際的に約束した上限の範囲内となるように関税と調整金の水準を設定する必要がある品目
砂糖類(角砂糖、砂糖水等)、国家貿易品目(枠外輸入)
80品目
③ 関係国との協議結果等に基づき、多国間で認められた水準よりも税率を引き下げる必要がある品目
冷凍さば等水産物、牛肉、豚肉、発泡酒、蒸留酒(ウイスキー、ブランデー等)、紙巻たばこ
66品目
④ 内外価格の状況等を踏まえて、課税される価格帯を見直す可能性がある品目
たまねぎ、銅・鉛・亜鉛の地金
28品目
⑤ 政策上の必要性を常に見直した上で適用を判断する必要がある品目
揮発油(石油化学製品製造用)、灯油(ノルマルパラフィン)、灯油(石油化学製品製造用)、軽油(石油化学製品製造用)、A重油(農林漁業
用)、バイオETBE
品目数の合計:433品目(平成25年3月31日に期限が到来)
14品目
(2)特別緊急関税制度等
輸入急増時の特別緊急関税制度の仕組み
○ 特別緊急関税制度
(
● ウルグアイ・ラウンド合意に基づく関税化品目(米、乳製品
枠外税率
発
動
前
枠内税率
)
等の国家貿易品目及び関税割当品目など)についての安全
関税率
弁(輸入急増時や低価格品の輸入時に割増関税を賦課)と
関税割当又 は 国家貿易
して、関税化措置と一体として設けられた制度
(
● 平成25年3月31日に適用期限が到来
輸入基準数量を超過
)
発
動
後
○ 牛肉・豚肉に係る関税の緊急措置
枠外税率
関税率
3分の1
上乗せ
枠内税率
※発動後も同じ
関税割当又 は 国家貿易
● ウルグアイ・ラウンド合意の際の関係国との協議の結果に基づき、牛肉等の実行税率を自主的に引き下げる
こととした際、これと一体として、牛肉等の輸入急増時の安全弁として設けられた措置
例:牛肉の場合
当該年度において、各月末までの累計輸入数量が、四半期毎の発動基準数量を超えた場合、
関税率を38.5%から50%に戻す措置
● 平成25年3月31日に適用期限が到来
関税評価に係る状況
(参考)
1.関税評価に係る現状
関税評価に関する法令の規定は、1980年(昭和55年)に整備されてから約32年間改正がされていない。この間、
輸入貨物に係る取引形態は複雑化し、貨物の輸入をめぐる事情が多様化してきており、適正な関税評価が難し
くなってきている。
関税評価のために必要な資料が輸入者から十分に提供されない場合や真実性や正確性に疑義のある資料が提
供される場合があり、税関長が適正かつ公平に関税評価を行うことが困難な事案が出てきている。
2.現状を踏まえた関税評価の課題
上記1の現状を踏まえ、次の観点から法令改正について検討する必要がある。
(1) 取引形態の複雑化を踏まえた関税定率法上の課税要件の明確化
関税定率法第4条(課税価格の決定の原則)の規定の明確化
(例)「輸入取引」、「買手」、「売手」の意義の明確化
関税定率法第4条の3第2項(製造原価に基づく課税価格の決定)の規定の明確化
(例) 適用可能な輸入貨物(取引)の明確化
(2) 十分な資料が提供されない場合等における関税評価方法として次の事項の明確化
特定の規定に掲げる費用等に係る資料が税関に対し提供されない場合又は当該資料の真実性・正確性
について合理的な疑義が解明されない場合には、当該特定の規定を適用できず次の規定が適用されること
輸入者から関税評価に必要な資料が提供されない場合に、税関長が輸入者以外の者から入手した資料に
基づき関税評価を行うこと
3.課題への取組状況
関税評価に係る法令の規定等のあり方について、学識者や通関実務者から意見を聴取し、今後の関税評価に係る
政策及び行政の企画・立案に反映させるため、本年6月に関税・外国為替等審議会 関税分科会 企画部会の下に
「関税評価のあり方に関するワーキンググループ(WG)」を設置し、同WGを3回開催。