これからの公共のあり方~アメリカのNPOに学ぶ~ 事前アンケート ●現在までに担当した業務の中で、NPOとの協働などNPOと関 わりのあった業務の内容 ●自治体の状況 ・NPO条例の有無 ・NPOとの協働指針等の有無 ・NPOと協働して事業を実施している内容及び課題 ・NPOに対する支援制度の内容 ・NPOの活動を支援する中間支援組織の活動内容 ・市民が参加する機関の有無 と内容 ・自治会の状況(自治会数、加入率など) ・企業や商店街などの状況(事業所数、特に多い業種など) ・大学などの教育機関の状況(数、学生数、教育機関との協働事業 有無及び内容など) の ・総人口、世帯数の状況(人口、世帯数、傾向など) ・高齢者の状況(65歳以上の高齢者数、高齢化率など) ・在住外国人の状況(人数など) ・NPOの状況(認証法人数など) ・国際交流の状況(姉妹都市、経済交流など) ・その他(例えば、歴史的な町並みなどを具体的に記入してくださ い。) ・あなたが描くまちの将来(10年先、20年先、30年先)の姿を自由 記載してください。 ・NPOについて知りたいこと に NPOについて知りたいこと(アンケート回答) ・NPOの定義 ・NPOのマネジメント(ファンドレイジング、組織運営、人材管 理など) ・NPOの社会的責任 ・組織形態(NPO法人・LLC/LLP) ・NPO支援施策 ・NPOと行政の関係づくり ・地方分権が進む中での、地域経営について ・協働の仕組みと施策 ・協働コーディネーターの心得 ・協働事業の事例 ・指定管理の評価 1.アメリカの自治制度 アメリカのガバメント(主なものは、教育、警察、土地利用、消防) Fed G State G(50州) Local G(city,town,district) ○法律は、基本的に州ごと 多様、自由 ○アメリカは、計画が圧倒的に少ない ⇔日本では、基本構想・総合計画・都市マスタープラン(アメリカでは全 体でひとつ) ○直接民主主義 自分たちで課税したものは、自分たちで自由に使う 住民参加の結果をダイレクトに反映(住民協働の先進地) →参加するしないで税額が大きく違ってくる・・・放っておけない、日 本の方がラク! 相違点、共通点 相違点:Stateの役割が大きい。自治体間格差が大きい。 ○地方交付税制度・・・アメリカにはない。 貧しい自治体では、一般財政規模が小さい・・・人口1000人で職員1人とか 共通点:Localは、都市・農村ともに財政的に厳しい。 ○都市の郊外化、画一化が絶望的なくらい広がっている お金がない中で工夫して出てきているのがNPO アメリカのまちづくり 【課題】郊外への都市拡大 アメリカでは、公共交通は貧しい人の乗り物 都市の中での貧困(お金のない人、車のもてない人) →お金のある人は、郊外へ出て行く 都市拡大の抑制・中心市街地活性化 フィラデルフィア× デンバー△ ポートランド○→周辺の優良農業地帯を守る! ポートランドのまちづくり ○人口60万人 ○インテル、ナイキなど、国際企業の本社が立地している ○都心から車で20分くらいで、高密度の住宅地 ○保守的で、農林業を守る意識が高い ○高速道路が充実 ○家族がいて、家でのんびりする、暮らしやすいまちづくり ○現場の都市再開発事業の中で、NPOが活動している →都市計画のプロの職員が、NPO代表になって来たりする。 行政のまちづくりの役割は、リーダーからコーディネーターへ。 地域経営のしくみ 意思決定のしくみも住民投票で、どんどん変わる ○議員(7人/人口140万人) ○議会・・・年中休みなしで毎週開催 ○自治体の最高執行責任者・・・実績が上がらないとどんどん 変えられる ○選挙・・・あまり政治に関心がない(選挙に行くのは30万人 ちょっと) ○委員会・・・山のようにある(プロジェクト、事業ごと) 毎週・隔週・毎月の定期開催 市民が誰でも入ってくる議会 ○市民参画委員会・・・普通の市民に分かる話をしているか監視 市民参加 オレゴン州土地利用法 第1条 市民参加 都市計画をつくるとき、まず市民の声を聞く ⇒市民の声を吸い上げて、まとめるのが行政の仕事 ↑これを武器に市民と話す(計画の判断基準に使う) 市民・NPO・大学・議員などのワークショップを開催 すべての選択肢の資料提供・・・専門のNPOは、ココに入っ てくる アウトリサーチ×メディアミックス 民間のマーケティング担当 ネット、たより、レンタルビデオなど、いろんなメディアで 「市民に選択をしてもらうため」(×理解ではない) コミュニケーション・ピラミッド 聖歌隊 1% 5% 30% 60% ●まちづくり提唱者 ●ワークショップ参加者 聴衆 ●シンポジウム参加者 ●インターネット購読者(メルマガなど) 眠れる巨人 ●新聞読者 ●インターネット閲覧者 ??? アウトリサーチ アンケート・・・かなり難しいことを聞く 「交通インフラの整備・管理のてまに資金を調達せねばならな いとして望ましいと思う手法を2つ選んでください」 ⇒市民の声=世論 ⇒うるさいNPOと話す 計画・実行・評価 地域の魅力 ⇒目標 ⇒ビジョン・・・40年構想(市長が変わっても見直さない) ⇒実現方策・・・日々見直している ⇒実行・成果 サンフランシスコのNPO、自治体 アメリカの自治体・・・市町村合併はない、自治体数は増えている <サンフランシスコ> ベンチャービジネスと企業化精神に富んだ地域 「NPOのメッカ」市民活動が盛んな街 大学が市民に開かれている・・・図書館、書庫、ネット端末も 使える 3万人、4万人のデモはしょっちゅう フリーメディカル・・・無料の診療所、全米で50 医療制度の貧弱さをNPOがカバー 市議会11人(うち、2、3人が同性愛者) アメリカのNPO 全米でNPO数:約144万団体 予算総額:約1兆4000億ドル(160兆円) 有給スタッフ:12,922,000人(推計)・・・全雇用者の9.7% NPOは、国予算の40%の規模で、別回路から公共サービス を提供 ・不法滞在外国人の支援(日雇い労働の提供)NPO 外国人に滞在理由を聞いてはいけない・・・住民投票 ・住宅開発NPO・・・開発に反対だけでなく、プロを雇って計画 を提案 ・街路樹を植えるNPO・・・行政にやらせたら税金がかかって いる=納税者意識が高い 議会への市民参加 市議会毎週1回、月1回は、地域で夜開く ●必ず1議題に市民ひとりの発言を求めなければいけない 市民が並んで発言を待っている 議会の時間の半分は、市民の発言 議員は、裁判官的 サンフランシスコ・・・市長は無報酬(市議5人が持ちまわり制) 新しい公共空間の形成 ○協働をうまくすすめるには・・・ 企業的・趣味的の2つのNPOがある←見極める! ○これからのNPOで重要なのは・・・ 高齢化問題、貧困問題 農村部は自給率が高い⇔街中の孤独死(行政サービスに 頼っている) <アメリカ>貧困→宗教→NPO <日本>宗教ない、お金のないNPOが多い中で高齢化社会に 入っていく NPOの自立 自立したNPO <日本>・介護事業かリサイクル事業など自主事業 ・行政事業受託 <アメリカ>民間助成金=寄附・・・大卒エリートが入ってくる (年収1000万円とか) →日本のNPO・・・設立後2~3年で財政規模200~500万で 一人常勤 雇えるかどうかで成長できるかどうかが違う! NPOの概念整理 NPOの経済理論 政府の失敗、市場の失敗 NPOの政治理論 社会的資本、ガバナンス、福祉ミックス NPOと政府の3つのモデル ○補完的モデル ○相補的モデル ○対抗的モデル NPOのサービスとアドボカシー ①行政が取り組んでいない社会的課題 ↓ ②NPOが自主的に取り組み開始(サービス提供) ↓ ③課題への社会的認知の拡大 ↓ ④行政がNPOの事業を財政面などで支援(協働) ↓ ⑤NPOの独自の取組みが社会的な制度に移行 NPOマネジメント 日本のNPOの事業規模 資金調達において 「借入」のある団体 0~100万 24% 約25% 100~500万 27% ここ10年で大きく変化 500~600万 13% 1000~3000万 21% 3000~5000万 6% 5000~ 1億 5% 1億~ 4% ここ5年で 急速に増加 社会的企業育成法 <韓国> 2000年NPO法成立 2007年社会的企業育成法施行 認定されると、 ・法人税半額 ・障害者雇用の費用を政府が負担 ・公共施設を安く利用できる <EU> 「チャリティー」→「社会的企業」重視・・・法整備 “草の根NPO”のための マネジメント論の不在 <アメリカ>大学院講座 MBA・・・ビジネス MPA・・・パブリック→就職は、行政よりもNPO ※病院、美術館、私立学校など大規模組織を前提 <日本のNPO職員の年収> 0~50万 22% 50~100万 13% 300~500万 13% 500万~ 2% 100~150万 14% 150~200万 14% 200~300万 22%←公設民営センタースタッフ ☆優秀なリーダーのいるNPOが協働のカギ NPOにおける経営資源-資 金ー <収入> 事業収入 57%・・・受託事業収入の急増 補助金・助成金 18%・・・助成金貧乏 会費 6% 寄付金 6%・・・集まりやすい①国際協力の子ども支援 集まりにくい-中間支援、アドボカシー その他 13% ☆NPO収入の理想は、ベンツのマークとよく言われる 指定管理者制度 指定管理者制度のうち、約2%がNPO法人(40%は外郭団体) NPO法人の指定管理者施設 福祉施設 25% スポーツ関連 12% 会館・公会堂 5% 公園 3% →公共サービスの質の向上 受託貧乏・・・官製ワーキングプア 行政職員さんに向けて ○NPOが自立していることは重要であり、パートナーシップのあり 方については海外のケースなどを検証してほしい。 イギリスのフルコストリカバリーの議論を アメリカはダメ!制度が全然違う。 ○業務委託(とりわけ指定管理者制度)の選定、評価の検証 きちんとわかっている人を選定委員に!! 恣意的、無知な選定が目立つ →周囲の自治体で、指定管理を受けてうまくいっている団体に 委員に入ってもらう。 NPOとの協働を 全職員の仕事とするために ■アメリカのパートナーシップとは、官民共同(デベロッパー型) ⇒そこにいる人を無視してまちづくりはできない ■日本のパートナーシップは、非営利団体との協働 協働の本質=これからの社会のしくみの基本 協働はしんどい・・・協働しかない、やるんだという思いがないと 進まない(しくみをすくってもうまくいかない) ・他に方法がない、と思えるかどうか ・何もしないと悪くなる ・ + 大胆な妥協 地方分権(=第3の改革) このままでは、国はめんどうをみてくれない 地域のことを県や国に相談できなくなった ⇒自分たちで考える=相談する相手は、住民 選択 ・行政だけで考える=増税 ・協働 あと50年で人口が2/3になる! ⇒税収減は、2/3どころではない・・・それぞれの自治体で試算を しないといけない! どう地域経営するかを、自治体 に問われている 信託論では、協働は説明できない 新しい公共論・・・担い手と公的利益を分けて考えるとわかり やすい 一緒にやらない公共・・・膨大な領域 ⇒公共的なものとして、どういう自治を形成するかについて、 市民的議論をする→新たな公共領域をバックアップしていく ●市役所・議会が、市民のためという理念のもとに動いてい るかを再確認 ●NPOは、説明責任・情報開示を。 協働をどうつくっていくか? ☆NPOが自立することが大事!! →NPO自身が自らを知る。 ①仮託型NPO ②先駆型NPO ③問題提起型NPO ④全体意向型NPO ⑤個人趣味性NPO ⑥ボランティア型NPO ■行政・NPO、行動原理が違う。両方があることに価値がある! 協働の前に行政を知ろう 出前講座ではなく、NPOともっとシビアな議論を。 ⇒市民の勉強になる、役所も勉強になる。 「協働の前に行政を知ろう」セミナー・・・地域の大学と連携して やったらいい ・財政のしくみ ・協働推進課と財政課のチカラ関係 協働では、一緒に盛り上がってくれる人がいい人 ☆市長は育つ 中央から来て、最初はタテのチカラ関係しか見ていないが、 市民がまちづくりに取り組んでいると気付く ⇒本当の協働の意味がわかると、すぐに変わる! どうやってNPOが自立するしく みをつくるか? ①行政が市民(NPO)を支えるしくみ ・委託、補助、税の減免 下請けにならないように、アウトソーシング型・協働型を分ける ②①のNPOのイニシアティブを重視する ・協働事業提案制度(相模原) ・協働型配分予算制度(大田市) ③市民が市民を支える制度 ・寄付 ・パーセント制度(市川市)・・・理念はすばらしいが、制度設計が難 しい 一宮市・・・18歳以上、500円 恵庭市・・・中学から←まち(地域)に関心をもってもらえるよう 奥州市・・・世帯 大分市・・・市川のよう、2008年4月につくった ☆自立をすすめるしくみを考えていく ⇒10年、20年、30年先のまちを維持するために必要!! どういう自治を形成するかにつ いて議論しよう ①課題 ②解決するためにできること・・・主体になるQ
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