1.大企業から見た強い中小企業の利点

ICT利活用による地域活性化
「ユビキタスエコノミー&ソサイエティー」
-観光の視点から開催にあたり
2007年6月22日(金)13:30~17:00
CIAJ会議室@浜松町
中原 新太郎
1
1.産業集積とイノベーション
• 伝統産業を中核としたイノベーションに注目
燕三条の金属加工→iPod
京都発ベンチャー
富山県総合デザインセンター
• コーディネーター/プロデューサー/悉皆
• 産業集積の中核としての大学の役割
• 文化資産を活用した京都・奈良のチャレンジ
↓
観光に着目
2
2.観光について(2004年須田 寛氏講演@京都の内容に追記)
①観光は情報と表裏一体の関係にある。
②観光資源は情報があってこそ生きてくる。
存在や意義が知られることにより、
資源としての価値を発揮できる。
③語源は中国の「観国の光」
国の光を観る。
心を込めて観るので単なる「見る」ではない。
「地域の優れたものを見たり見せたりする」のが
元来の意味であり、 極めて重要なこととされた。
3
観光には「単なる物見遊山」「非生産的」
「遊びに過ぎない」という誤解もあるが、
それは間違いである。
④ブランドの大事さ
・認知度:いかに多くの人が知っているか
・浸透度:何がイメージできるか
・人気度:他と差別できるものがあるか
⑤大事なのは「悉皆(しっかい)」
・コーディネーター、プロデューサー
+最近は「コネクター」
・目利き、人脈、センス ・こだわり、えこひいき
4
3.地域活性化のツールとしての観光
①改めて地元の人に地元の価値を認識してもらうのが重要。
・普段近くにあるものは、あるのが当たり前であり、
その価値を見過ごしがち。
・価値認識を通じてアイデンティティーの再確立を。
②地域振興は「よそ者」「若者」「ばか者」に。
・地元の人間はしがらみが多く、動けない。
・有力者は現在の枠組みの方が居心地が良いため、
率先して変化を起こすのが難しい。
・ 「よそ者/若者/ばか者」を引き付ける道具としての観光。
・ 「よそ者/若者/ばか者」を邪魔せず見守る旦那文化を。
5
4. 地域活性化へのMOTの適用(1)
• 単なる事例導入では駄目
同業他社の成功例を、そのまま使用しても成功しない。
企業文化により、導入方法を変える必要。
ましてや地域は文化と資源に応じた方法が必要。
• 複数の手法の組み合わせが肝要
大学誘致、TLO設立、インキュベーション施設、
観光資源の再活性化、女性の活用、公衆無線LAN、
地域SNS、ユビキタス端末
どれか一つだけで成功する程、甘くはない。
一つのツールだけで通用するのは世界一、日本一のみ
イノベーション:新発明<既存知識体系の新結合
例:京都:観光+デジタルアーカイブ、無線LAN
三鷹:ITインフラの上にSOHO、NPO
6
5. 地域活性化へのMOTの適用(2)
• 「何をするか」よりも「何をしないか」が重要
新規事業成否の50%はテーマの選定による。
新商品・サービス+新規市のパラシュートは低確率。
• 絶え間ない革新、新規性の創出が肝要
仕組み・組織を作れば済むものではない。
常に意識付けすることが必要。
例:京都:夜間拝観→宿泊客の拡大
閑散期の集客
京都検定→集客の分散
テーマパーク:イベントの入れ替え
7
6.地域活性化とSOHO/NPO+ITの協働
• コミュニティーの中核としてのSOHO/NPO+IT
はりまスマートスクールプロジェクト(ネットディ)
• 地域を豊かにするNPO+IT
日本サスティナブル・コミュニティ・センター (無線LAN)
南房総IT推進協議会(地域イーサネット網・SNS運営)
• ITにより起業・情報発信が容易に
ユビキタス村・TV、佐渡お笑い島計画
• ITによるSOHO/NPO/コミュニティ支援
地域NPO法人活動へのアーカイブ提供とネットワーク化
(ベイ・コミュニケーションズ 、みあこネット )
• 女性が主役、今後はシニア層も流入
みたかシニアSOHO:地域ビジネスと協働
• 地域SNSの活況
兵庫県:ひょこむ、熊本県 八代市:ごろっとやっちろ
※NPO=安価な労働力と見なすのは間違い。
8
7.今後の課題
(1) 地域の特色を生かした観光を
(2) 過去から現在、未来まで見通した観光。
(3) 産業という観点からの見直し。
(4) 広域展開←現在は市町村単位。
観光客の行動範囲に合わせて横のつながり
(5) 国際展開: 外国人客の観光対象を発掘。
(6) 運営体制の整備。
・ 地域+団体間連携(産・官・学・NPO)→ハブ機能の設置
・ 人材育成:コーディネーター/ディレクター+コネクター
・ 産業活性化との連携(政府/自治体は部局が異なる)
・ 女性/シニア層の活用(他地域と比較すれば上?)
・ 強い中小企業の利点・経営スタイルの導入(大企業から見た)
①スピード感
③異質な組み合わせの活用
②現場・市場との密着度 ④志をベースとした水平ネットワーク
ITを活用した④の例:鹿児島建築市場
9
鹿児島建築市場紹介資料
出展:KANSAI@CANフォーラム05.06.16日経メディアラボ坪田知己所長講演資料より
10
8.本日の式次第
13:30-13:40御 挨 拶:総務省 政策統括官(情報通信担当)寺崎 明 氏
13:40-15:00 パネルディスカッション1
「ホスピタリティ・もてなしの現場から」澤の屋旅館主人/観光カリスマ 澤 功 氏
「ICTと観光による地域活性化」内閣府 地方分権改革推進委員会
委員長代理/ 岩手県 前知事 増田 寛也 氏
「こども向け参加型創造活動を通じた地域情報発信」
NPO法人CANVAS副理事長 石戸 奈々子 氏
「BLOGによる地域おこし」「ブログ道」著者/久米繊維工業社長 久米 信行 氏
15:00-15:15 休憩
15:15-17:00 パネルディスカッション2
「地場のベンチャーが地域活性化に果たす役割」
日本ベンチャー学会事務局長 田村 真理子 氏
「地域イベントとICT」 maab取締役/(長野五輪調整役として) IOC出向
(直派若柳流理事/師範名取 若柳 梅京) 麻生 菜穂美氏
「市町村の観光行政」平安女学院大学 国際観光学部 教授
/前 京都市理事 観光政策監 清水 宏一 氏
「ぐるなび事業の構想、構築、具現化を通じて感じる地域活性化の本質論」
ぐるなび取締役会長 滝 久雄 氏
ゲストコメンテーター:東海旅客鉄道(JR東海)相談役(前会長) 須田 寛 氏11
サブモデレーター:常陽地域研究センター研究参与/埼玉大学客員教授
/元 関東経済産業局 産業部次長 久野 美和子 氏
モデレーター/司会:中原 新太郎
(情報通信ネットワーク産業協会 技術政策部長、
日本ベンチャー学会イノベーション研究部会 代表世話人 兼 幹事、
研究・技術計画学会 評議員、KANSAI@CANフォーラム 運営委員、
映像情報メディア学会アントレプレナー・エンジニアリング研究委員会 運営委員 )
主催:日本ベンチャー学会イノベーション研究部会、日本女性技術者フォーラム、
映像情報メディア学会アントレプレナー・エンジニアリング研究委員会、
KANSAI@CANフォーラム、情報通信ネットワーク産業協会 技術企画部会、
同協会 フォーラムワーキング「地域社会とコミュニティの発展」ワーキンググループ
協賛: (社)電子情報通信学会、研究・技術計画学会、 IEEE EMS Japan Chapter、
IEEE Japan Council Women in Engineering Affinity Group、
映像情報メディア学会、日本ベンチャー学会、文理シナジー学会、
関西ベンチャー学会、 日本産業人材育成学会、日本開発工学会、
(財)日本産業技術振興協会(JITA)、 NPO法人 IAIジャパン、
NPO法人CANVAS
後援: (社)企業研究会、 関東ニュービジネス協議会、(財)常陽地域研究センター
12