財務サイクルと情報フロー

財務サイクルと情報フロー
田宮治雄
財務サイクルと情報フロー
• 業務サイクル
– 販売サイクル
– 購買サイクル
– 製造サイクル
–財務サイクル
– 会計サイクル
財務サイクル
資
金
計
画
資
金
調
達
資
金
繰
り
資
金
運
用
財務活動
• 「お金」の流れをスムーズにする
– 必要な資金を必要なタイミングで調達する
– 支払にあてる資金が不足しないように銀行口
座の残高を管理する
– 一時的な資金余剰を有利に運用する
企業経営は資金の支出が先行する
販売サイクル
請
求
出
荷
手
形
回
収
製造サイクル
製
出 造
庫 着
手
購買サイクル
入
荷
支
払
準
備
完
成
手
形
支
払
資金調達が
必要な期間
満
期
決
済
満
期
決
済
先行資金が必要なその他の理由
• 設備資金
• 創業時の運営資金
• 研究開発資金
資金計画
資
金
計
画
資
金
調
達
資
金
繰
り
資
金
運
用
資金計画
• 事業計画を収入計画と支出計画に置き直す
• 資金不足に陥る時期、金額、理由を明確にする
• 調達する資金の質(運転資金・設備資金など)を
把握し、適切な手段で資金調達を計画する
• 予算に資金的な裏付けを与える
資金計画に対応する情報システム
• 資金計画担当者が自分で使用しやすいよ
うに開発・運用する
– エンドユーザー・コンピューティングの典型
– 表計算ソフトウェアなどが有効
• 短期的な資金計画はキャッシュマネジメン
トシステムに組み込まれる
資金調達
資
金
計
画
資
金
調
達
資
金
繰
り
資
金
運
用
資金調達
• 調達する資金の額と期間から最適な調達
手段を選択する
– 銀行借入
– 社債発行
– 増資
etc.
• 資本市場で評価が高い企業は有利な条
件で(低い金利で)調達できる
資金調達に対応する情報システム
• エンドユーザー・コンピューティングの要素
が大きなシステム
–
–
–
–
–
返済・利払い期限管理
借入枠(手形割引枠)管理
実質金利の計算
平均残高の計算
担保資産の管理
資金繰り
資
金
計
画
資
金
調
達
資
金
繰
り
資
金
運
用
資金繰り
• 預金残高をマイナスにしないための管理
– 資金予算から乖離しそうな場合の迅速な対応
• 預金解約や有価証券の売却
• 経費などの支出減少
– 預金口座ごとの残高管理
• 預金の付け替え
– 当座借越限度額の管理
キャッシュ・マネジメント・システムの目的
• キャッシュ・イン・フローとキャッシュ・アウト・
フローとを管理し、最適な残高を追求する
処理コスト・
管理コスト
の最少化
キャッシュ・イン・フロー
可能な限り早く
処理コスト・
管理コスト
の最少化
流動性
現金、要求払預金
短期保有の有価証券
キャッシュ・
マネジメント
流動性のバックアップ
短期借入金
コマーシャルペーパー
アイドル状態にある
キャッシュの除去
キャッシュ・アウト・フロー
可能な限り遅く
キャッシュ・マネジメント・システム
対象となる口座
企 業 内 部
集金用
預金口座
支払用
預金口座
得
意
先
集金用
預金口座
集金用
預金口座
集金用
預金口座
支
払
キャッシュ集中
銀行口座
支払用
預金口座
先
キャッシュ・マネジメント・システム
グローバルCMS
運転資金の貸付
子会社間の債権債務の相殺
ドル口座
子
会
社
ユーロ口座
ドル
統括口座
円口座
ドル口座
子
会
社
ユーロ
統括口座
ユーロ口座
円口座
円
統括口座
ドル口座
子
会
社
ユーロ口座
円口座
余資の預入
財
務
統
括
組
織
有利な調達
リスクの分散
金
融
機
関
な
ど
資金繰りに対応する情報システム
• 販売サイクル、購買サイクルのシステムと
連動し、最新の情報を提供する
– 資金繰り予定(例)
• 先1ヶ月(日ごと、収入、支出1件毎)
• 先3ヶ月(1週間ごと)
• 先12ヶ月(月ごと)
– 部門別資金予算実績対比(例外報告)
– 預金口座別残高予定
資金運用
資
金
計
画
資
金
調
達
資
金
繰
り
資
金
運
用
資金運用
• 一時的な余剰資金の有利な運用
– 恒常的な余剰資金は、配当などを通じて本
来は株主に返還すべき
– 運用期間にマッチし、利回りとリスクを考慮し
た手段を選択する
• ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターン
– 運用資金全体が企業の運用方針に従うよう
にいくつかの運用手段を組み合わせる(ポー
トフォリオを組む)
資金運用に対応した情報システム
• 資金運用に関する予測モデルのシステム化
– 外部からソフトウェアを購入
– 表計算ソフトなどで運用担当者が開発
• 予測に必要なデータの購入
– 経営環境にかかるマクロデータ
– 対象企業にかかるミクロデータ
• 過去の運用実績の評価
– 利回り実績評価