実験リサーチ! Linuxなし Cortex

Cortex-A
ダウンロード・データあります
なんて
男らし
い!
キャッシュON ! リアルタイム高性能の世界をのぞく
実験リサーチ! Linux なし
Cortex-A9プロセッサの実力
第 6 回 性能なんと20 倍! キャッシュの威力を体感する
CEV-RZ/A1L
(コンピューテックス)
OSレスで
Lチカ
Cortex-A9プロセッサRZ/A1L(ルネサス)
MMU
今回すること:
キャッシュの威力を
測定する
SRAM
SDRAM
GCC開発環境
GPIO
LED
L2キャッシュ
メモリ・コントローラ
Cygwin
タイマ
プログラム
L1データ・
キャッシュ
プログラムの作成
パソコン
RZ/A1Lボード用のU-Bootでメモリ空間とキャッシュ
制御レジスタがどうなっているかを調べる
CPU
L1命令
キャッシュ
中森 章
シリアル・コミュニケーション・
インターフェース(SCIF)
USBUART
変換IC
SPIコントローラ
シリアル・フラッシュ
(U-Bootを格納)
UARTとして使う
L2キャッシュを使ってSDRAMのアクセス速度に変化があるかを実験する
TeraTerm
USB
ケーブル
プログラムの
ダウンロード
・ダウンロード
・結果を表示
(U-Bootの機能)
RZ/A1Lのタイマを使用して
プログラム実行時間を計測
図 1 今回やること…いよいよキャッシュの効果を測定する
前 回(2015 年 5 月 号 )ま で の 本 連 載 で,MMU や
キャッシュ,タイマ機能の操作が C 言語のプログラ
ムで可能になりました.必要な準備はすべて整いま
し た. 今 回 は い よ い よ,RZ/A1L ボ ー ド で キ ャ ッ
シュの威力を測定します(図 1).
(編集部)
L1 命令キャッシュ&
データ・キャッシュの威力
● 効果測定 1…ベンチマーク・プログラムを走ら
せてみる
まずはじめに,ベンチマーク・プログラムを実行し
て,命令キャッシュとデータ・キャッシュの効果を測
定してみます.
今回は,汎用プロセッサの性能評価によく使われ
る,整数演算性能を評価する合成ベンチマーク・プロ
グラム Dhrystone2.1 を使用しました.実際に使用し
たプログラムは,元の Dhrystone2.1 のソースコード
を少々改造しています.次に示す本誌のダウンロード
2015 年 6 月号
のページより入手できます.
http://www.cqpub.co.jp/interface/
download/contents.htm
Makefile をリスト 1 に示します.Dhrystone2.1 では,
第 4 回(2015 年 4 月号)で作成した MMU/ キャッシュ
の操作関数の一つ,cache_config 関数を使って,
キャッシュの設定を行いました.表 1 に示す 4 種類の
設定で 10,000,000 ループの経過時間を OS タイマで計
測します.
キャッシュ属性はライトバックに設定してありま
す.このときの実行結果を図 2 に示します.また,グ
ラフ化したものを図 3 に示します.
図 3 によると,命令キャッシュとデータ・キャッ
シュの両方を ON にすると,両方が OFF の場合と比
べて約 15 倍性能が向上しています.命令キャッシュ
のみ ON だと約 1.06 倍,データ・キャッシュのみ ON
だと 3.12 倍性能が向上しているので,データ・キャッ
シュの効果が大きいと思われます.
第 1 回 ウォーミングアップ…RZ でためす! 生 Cortex-A9 で L チカ(2014 年 12 月号)
第 2 回 動作確認に欠かせない入出力プログラムを用意しておく(2015 年 1 月号)
第 3 回 キャッシュを動かすためにU-Bootのメモリ空間と制御レジスタを調べる(2015年3月号)
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