試作の繰り返しは、設計の効率低下

シリーズ:著者の回答
030901
質問-013 (Sf社、システム開発、K.H氏)
設計方法について、当社では「そうなっていない事」が多いように思った。この講習会を通し
て改善されればもっと良い製品作りができると思う。
回答―013
英会話でも、料理でも、その専門学校が存在します。ところが、設計法となると、「設計技法」
だけの学校や書籍や講座や専門家達が多く存在します。
「設計技法」とは、機械系ならば「信頼性」や「材料選択法」や、最近はやりの「3D-CAD操作
法」や「CAE操作法」などです。電気系でもほぼ同様です。
「設計技法」のみの修得ですと、、、
テキスト第1部p9の「設計ルーチン」で示すところの「
使用目的の明確化」、「設計思想とその優先順位」か
ら始まる設計プロセスで、この最も重要な箇所を飛ば
して、いきなり「細部設計書」のところから入ってしまう
のです。
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シリーズ:著者の回答
030901
ですから、頭の中で設計するタイプの設計者が出現したり、いきなりレイアウト設計(=構
想設計)に入ってしまうのです。
その結果、設計→試作→評価、再設計→試作→評価、再々設計→・・・・という具合に何度
も何度も、設計変更を繰り返す訳です。
残念ながら、この努力と苦労は企業ノウハウとして蓄
積できません。
ですから、世代が代わると再び大きな設計ミスを犯す
のです。ミスを犯した企業は、「低コスト!、低コスト!」
のスローガンから、「品質第一!、品質第一!」と代わる
のが定説となっています。
全ては、我々設計者の責任であると、強く認識しなけ
ればなりません。
我流の設計法で自慢できるような時代は、もう終わり
ました。
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設計
評価
試作
中学生(講師の息子)
でもできる
設計ルーチン
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シリーズ:著者の回答
品質第一!
品質第一!
低コスト!
抵コスト!
皆様が設計・開発担当される商品は、10の2乗から3乗へ、10の3乗から4乗へと、どんどん
高次元化しているのです。それに対応して、設計法も高次元化しなくてはならないのです。
CAEなどのシミュレーションを実施することは、、、、
・ 設計者なら当たり前!
・ チームデザインに参画している設計者なら当たり前!
そうでない設計者は迷惑です。チームの「和」と「リズム」を乱すからです。
そんな時代になっていることに、早く、気が付いてください。
少なくとも、我流は止め、少しはアカデミックな 設計学 も取り入れてみてください。
以上
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