「アンパンマンしょうぎ」の完全解析 近畿大学 理工学部 情報学科 情報論理工学部研究室 09-1-037-0225 潘小月 目次 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 研究背景 二人零和有限確定完全情報ゲーム 本研究の目的 「アンパンマンしょうぎ」とは ボード、駒、進行、ルール 総局面の見積もり 局面の評価値 千日手の判定 アンパンマン将棋AIによる計算機実験と結果 結論 参考文献 研究背景 【二人零和有限確定完全情報ゲーム】 零和:ゲーム終了時プレイヤーの点数の合計 は0である ● 有限:双方のプレイヤーが可能な手の組み合 わせが有限である ● 確定:プレーヤーの着手以外にゲームに影響 を与える偶然の要素がない ● 完全情報:開始時から現在局面まですべての 情報を各プレイヤーが得られる ● 研究背景 二人零和有限完全情報ゲームの性質上解析を行 い易いため、ゲーム理論において様々な研究が なされてきた。 ● また、人工知能の分野においても広く研究がな されている。 ● 本研究の目的 ● ● ● アンパンマン将棋の完全解析を目指す 完全解析を行うための前準備として、アンパンマ ン将棋プログラムの作成 アンパンマン将棋が先手有利/後手有利のどちらに なるか予測する。 「アンパンマンしょうぎ」とは ボード ● 3×5のボード 五、一行目は先手、後 手の陣地 ● 先手は五の側に、後手 は一の側に座る ● 駒 進行 先手から交互に1手ずつ駒を 動かす。 ● ● パスは許されない。 アンパンマンとバイキンマン は将棋の玉将に相当する駒、 将棋と同様に自分の駒が移動 する先に相手の駒があった場 合、取ることができる ● ルール ● ゲームの目標 自分のリーダーがゴール する ● 相手のリーダーを詰みに する ● 同じ局面に3回目に到達 すると引き分け ● 総局面の見積もり アンパンマン:15通り ● バイキンマン:11通り ● 食パンマンとホラーマン:14通り ● カレーパンマンとドキンちゃん:13通り ● 合計: 15*11*14*14*13*13=5,465,460 通りである。 ● 「動物将棋の総局面1,567,925,964通りと比べても充分に小 さい」 ● 局面の評価値 ● 盤上にある駒の種類と位置から計算 ● 自分の駒の価値の合計値/相手の駒の価値の合計値 「結果」は大きいほど有利 ● 強い駒ほど大きな値とする ● 千日手の判定 ● ● 同一の局面が3回出てくると引き分け 先読みを行う際、先読みで得られる局面が、以前に 表れた局面と同じであるか検査し、同じであれば千 日手と見做し、先読みは行わずに評価値0とする アンパンマン将棋AIによる 計算機実験と結果 ● ● ● アンパンマン将棋AI--ASAI ランダムAI--RAI ASAI対RAI、RAI対ASAI、ASAI対ASAIでそれぞれ 1000回行った。(ASAIの先読み値は3とする) 結論 ● ● アンパンマン将棋のAIの作成を完成 ASAIは、局面を先読みで得られた評価値に基 づいて指す手を決定 ● ASAIの対戦結果から、先手有利と推測 ● 完全解析まで完成できてなかった 参考文献 ● ● ● ● ● ● ● ● ● アンパンマンはじめて将棋, セガトイズ (2012)http://www.segatoys.co.jp/anpan/product/popup/_legacy/learn/06.htm 池 泰弘 :コンピュータ将棋のアルゴリズム―最強アルゴリズムの探求とプログ ラミング,工学社(2005) 池 泰弘 :Java将棋のアルゴリズム, 工学社 (2007) 田中哲郎:「どうぶつしょうぎ」の完全解析, 情報処理学会研究報告, Vol.2009GI-22 No.3, pp.1—8 (2009), http://id.nii.ac.jp/1001/00062415/ Janos Wagner and Istvan Virag, Solving renju, ICGA Journal, Vol.24, No.1, pp.3035 (2001), http://www.sze.hu/~gtakacs/download/wagnervirag_2001.pdf 日本5五将棋連盟, http://www.geocities.co.jp/Playtown-Spade/8662/ 北尾まどか, 藤田麻衣子, どうぶつしょうぎねっと, (2010), http://dobutsushogi.net/ 伊藤英紀, A級リーグ差し手1号, (2013), http://aleag.cocolog-nifty.com/ 米長邦雄, われ敗れたり コンピュータ棋戦のすべてを語る, 中央公論社, (2012). ご清聴ありがとうございました
© Copyright 2025 ExpyDoc