拡張どうぶつしょうぎの解析 近畿大学理工学部情報学科 情報論理工学研究室 10-1-037-0021 赤井 隆純 目次 ● ごろごろどうぶつしょうぎとは ● 二人零和有限確定完全情報ゲーム ● 簡易版ごろごろどうぶつしょうぎ ● ごろごろどうぶつしょうぎAI ● 実験結果 ● 考察 ● 結論・今後の課題 ● 参考文献 ごろごろどうぶつしょうぎとは ● ● 二人零和有限確定情報 ゲーム 駒は4種類 ● ● ● ● ● ライオン(玉将) 犬(金将) 猫(銀将) ひよこ(歩兵) ルールは本将棋と同様 二人零和有限確定完全情報ゲーム ● 零和・・・勝敗の合計が常に0 ● 有限・・・指し手の組み合わせ数が有限 ● 確定・・・偶然の要素が入らない ● 完全情報ゲーム・・・各プレイヤーが自分の手 番に相手の手や、過去、現在の情報を全て知る ことができる 将棋の解析に関する既知の結果 既知の結果 本将棋 動物将棋 サイズ 駒 局面数 解析結果 9×9 8種類40枚 1069 未解析 108 3×4 4種類8枚 78手で後手勝ち[1] あんぱんまん将棋 3×5 3種類6枚 107 引き分け[2] ごろごろ動物将棋 5×6 4種類16枚 1022 未解析 動物将棋 あんぱんまん将棋 [1] 田中哲郎, 2009 [2] 塩田好ら, 2013 二人零和有限確定完全情報ゲームに 対する手法 ● 先読みと局面の評価値 ● 数手先の局面を先読み 先読み手数に比例して処理時間が長くなる ● 定跡・対戦データベース ● 定跡に従って指す ● 過去の対戦結果から勝率の高い手を指す データベースに存在しない手には適用できない 簡易版ごろごろどうぶつしょうぎ ● 簡易版ごろごろ動物将棋のAIを作成 ● 先読みにより着手決定 ● ● 有効手のうち最も評価値の高い手を指す 自殺手は無効 有効手が無ければ負け ● 同一局面3回で千日手 ● 未実装のルール ● 成り駒・持ち駒 ● 二歩・打ち歩詰め ● 双方入玉時の処理 実行画面の図 ごろごろどうぶつしょうぎAI ● 局面の評価値の計算基準 ● 盤上の駒の種類とその位置 ● 着手可能な手数 ● 終局の場合 ● 勝利局面:無限大、 ● 負け局面:無限小、 ● 引き分け局面:評価値を0 ごろごろどうぶつしょうぎAI ● 王手の判定 ● ● 勝敗の判定 ● ● 移動した駒の効きマスに相手の玉将が存在 王手時、有効手が存在しない場合は負け 千日手の判定 ● ● 同一局面が3回あった場合は千日手 先読み時は千日手と判断された局面の以降の先読み を中止し、評価値を0に 実験結果 ● 先読み手数4手でAI同士で対戦 ● 結果:先手43勝~ 考察 ● 先読み手数4手で先手43勝36敗21引き分け ● ● 持ち駒、成り駒なしなので千日手が多数発生 現状況においては、先手が有利ではないかと推測さ れる 結論・今後の課題 ● 対人戦が可能な簡易版ごろごろ動物将棋を作成 成り駒なし、持ち駒なし 現状況では先手有利と判明したが、先手必勝である かという根拠は得られなかった ● ● ● ごろごろ動物将棋の総局数は1.0x10 ● 22通り 動物将棋は1.0x108通りなので、ごろごろ動物将棋 の完全解析は困難である 結論・今後の課題 ● 実装されていない持ち駒と成り駒の追加 ● アプリケーションの高速化 ● 適切な評価値の探索 ● ● 自玉の周りの駒によって、攻め手と守り手を使い分 ける 攻め駒の銀将、守り駒の金将にそれぞれの駒の位置 により評価値を設定する ● 詰み局面の列挙 ● 定跡・対戦データベースの追加 ● 評価値の高い駒を優先的に取るようにする 参考文献 ● ごろごろどうぶつしょうぎ、幻冬舎エデュケーション (2012) http://www.gentosha-edu.co.jp/products/post-132.html ● 田中哲郎:「どうぶつしょうぎ」の完全解析、情報処理学会研究報 告Vol.2009-GI-22、No.3,pp.1-8(2009)、 http://id.nii.ac.jp/1001/00062415 ● 北尾まどか、藤田麻衣子、どうぶつしょうぎねっと、2010、 http://doubutushogi.net/ ● 「アンパンマンはじめてしょうぎ」の完全解析、塩田好、石水隆、 山本博史、情報処理学会 関西支部 支部大会 (号数, ページ数) 2013、 http://id.nii.ac.jp/1001/00096792/
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