ICT技術人材育成の現状と課題

続ICT技術人材育成の現状と課題
2008年6月20日(金)13:00~17:20
CIAJ会議室@浜松町
中原 新太郎
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1.変わらぬ課題 vs変わる環境 (議論の前提)
• 変わらぬ課題:理科離れ、少子化
• 変わる環境:国際競争力、イノベーションの形、CSR
• 現状の議論:大学等の教育機関の在り方、
高度人材の育成に集中?
• 実際に働いている人に対しては?
• 現場の人間が幸せでは無い限り、人材は減少続く?
• イノベーションの主体:大企業→ベンチャー
→個人の繋がり
育成組織論から、今一度、個人へと目を向けてみる必要性があるのではないか?
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2.ICT業界の現状
ネットワーク分野での我が国の競争力に関するアンケート結果
「低下している」とした場合の理由
国際競争力のレベル
その他
10%
著しく低下している
17%
グローバルな競争
力を堅持
0%
グローバルスタンダードを獲得し
ていない
国内市場中心で、中国等の大規
模市場の獲得ができていない
31%
0%
競争力があまりないという意見が90%
競争力を堅持しているという意見は0%!
•
40%
研究開発費、研究人員の削減
競争力を堅持して 中国、韓国など東アジア諸国の研
いる面もあるが低 究開発力強化
下している面もある
その他
73%
•
71%
10%
19%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
出典:情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)
2011年度予測: 4兆0,484億円、 平均変化率(05年~11年度0.8%減)
IP化、NGN(次世代ネットワーク)の進展と、それに伴う機器低価格化
携帯電話端末機の輸入分の増加による、国内出荷額の減少
レガシー分野機器の逓減
国内:3兆5,064億円(同1.2%減)、輸出:5,420億円(同1.5%増)
(2006年度「通信機器中期需要予測」 CIAJ発行より)
3
80%
3.ICT業界の市場環境
①これからの20年
 日本の人口減少・高齢化の急速な進展
 知識社会・ネットワーク社会及び
グローバル化の爆発的進展
 地球の持続可能性を脅かす課題の増大
(2007年2月26日内閣府イノベーション25中間取りまとめから抜粋)
② 米国の産業競争力回復や東アジア諸国の台頭
→相対的に日本の国際的な地位が低下
③ 社会インフラとしてのICT
情報通信産業のみならず、製造業全般、
流通・金融を始めとする全産業のインフラ。
安全・安心な社会生活の確保にも不可欠。
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4.ICT国際競争力強化への動き
①全産業
・イノベーション25
・第三期科学技術基本計画
・イノベーション創出総合戦略
② ICT
・IT新改革戦略
・総務大臣懇談会
③ MOT
④ ベンチャー育成
⑤ ICT人材育成
・総務省 ICT分野の研究開発人材育成に関する研究会
・総務省 ICTベンチャーの人材確保の在り方に関する研究会
5
5. 21世紀のイノベーションとは
あくまで中原の主観として
20C(1955~
20/21C(1985~2005) 21C(2005~2015)
1985)
主体
中央研究所 シリコンバレー
ネット上
主体
国・大企業
ベンチャー
個人
使用
物理法則
情報理論
集合知
インフラ
大規模施設 コンピューター
ネットワーク
ビジネス
モデル
収益集中
収益分配
最大受益者≠
発明者
例
半導体
パソコン/OS
Linux/Ruby
インキュベート
システム例
Spring8
/ATR
KSP/KRP
SOHO三鷹/
SOHO静岡6
•
•
•
•
•
•
ボランタリー経済の到来※
Linux/Rubyはイノベーションかデベロップか?
ボランタリー経済を前提としたイノベーションモデル
その前提としてのCSRの役割※
コア部分は集積、全体では世界中に分散(クラウド)
小粒なものばかり?
ネット接続のPCを活用した分散コンピューティング
シミュレーション技術の発達で創薬や材料も視野に
• 行き過ぎたオープン化は反動を招く?
悪意の改ざん、テロリスト等による悪用
• 科学技術従事者の倫理に再び脚光?←CSR
※日経CSRシンポジウムの田坂広志氏の講演より(2007.11.13)
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6. 日本型新現場主義の構築による国際競争力回復と産業/地域再生
開発
公的研究機関
利活用の結果を
素早く研究開発の
現場にフィードバック
するサイクルを構築。
事
業
化
推
進
室
デスバレー
研究
事業化
産業化
実現
利活用
テーマ
(官公/民)公的事業主体
■公的PF
成果
実現
■電子政府・自治体
■ITSインフラ
フィードバック ■ 4Gモバイル
委
託
等
民間企業
○技術力養成
○知財蓄積
○競争力強化
ここ(地域)での人材育成も急務
調
達
市場展開
国内市場
海外市場
出典 「ユビキタスネット社会に向けた>研究開発の在り方について」情報通信ネットワーク産業協会に一部修正
安
全
安
心
・
快
適
な
社
会
実現
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7.ICT人材を巡る状況
(1) 技術者の減少
① 少子高齢化と人口減少
② 団塊世代の大量退職
③ 理科離れ
(2) 技術者需要の拡大
④ 国際標準、知的財産の重要性拡大
⑤ 機器のソフト化、セキュリティ
⑥ 安全、安心、持続可能な社会の希求の増大
(3) 環境の変化→求められる資質の変化
⑦ オープン化、グローバル競争の進展
⑧ 製品のモジュール化、アウトソーシング、分社化の拡大
→製品の差別化、単独企業での対応困難
⑨ 商品ライフサイクル短命化
⑩ 非正規雇用の増大
⑪ 周辺分野の需要の拡大と多様化
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今後の技術人材の推移(参考)
人口減少のペースを超えて研究者急減
→量と質の確保
2007年から日本の人口は急減
2.6
3200
2050年
0.9~1億人
270万人
2.4
150,000
老年人口(65歳以上)
総人口にしめる研究者・技術者の比率
研究者・技術者数
3000
2800
2802600
生産年齢人口(15-64歳)
年少人口(0-14歳)
2.2
百
万
人
人口(千人)
%
2.2
2.0
2402200
2000
2001800
2.0
50,000
160万人
1.8
%
1600
1601400
1.8
注) 1990年までは、国勢調査による実績値で、年齢不詳者の数は含まない。2000年以降は、国立社会保障・人口問題研究所「日本の
将来推計人口(平成14年1月)」中位推計値。
1.6
1200
2044
2046
年
2040
2042
2050
2034
2036
2038
2040
2030
2032
2030
2026
2028
2020
2022
2024
2010
2018
2020
2000
2014
2016
1990
2010
2012
1980
2006
2008
1970
2002
2004
1960
2000
0
2048
100,000
2400
年
資料:厚生労働省「厚生統計要覧(平成13年度版)」
[出典]文部科学省 有本局長講演資料(2005.7.8)
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千人
2006年
127百万人
研究開発人材育成における課題(参考)
総務省 ICT分野の研究開発人材育成に関する研究会WG配布資料より
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求められる研究開発人材 (参考)
総務省 ICT分野の研究開発人材育成に関する研究会WG配布資料より
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8.ICT人材育成への動き
① 内閣府:イノベーション25
・多様性を受け入れ、出る杭となる「人」づくり
・幅広い知識と深い専門性を有する「人」づくり
・海外から優秀な人材を受け入れる環境の整備
・早期のインターンシップ等の職業教育による
自立心育成、起業家精神の涵養
・地域の大学を活用した生涯教育システムの構築
②総務省:UNS戦略プログラム、高度情報通信人材育成プログラム
③文部科学省:先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム
科学技術関係人材総合プラン2007
科学技術関係人材のキャリアパス多様化促進事業
人材戦略:第3期科学技術基本計画に向けた5つの戦略
過去にはポスドク1万人計画
④経済産業省:技術経営研究事業、ルネッサンスプロジェクト
産総研、NEDOも活用
⑤経団連、地域でも独自に対応
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求められる研究開発人材 (参考)
総務省 ICT分野の研究開発人材育成に関する研究会WG配布資料より
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