放火はなぜ増えたのか? -失業が放火に与える影響 富山大学 経済学部 経済学科 澤井 拓矢 2015/9/30 1 放火 図1 近年、放火件数は連続で出火原因の1位となった。 8500 8000 7500 7000 6500 平成10年 平成11年 平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 ※消防白書に記載されたデータより作成 2015/9/30 2 放火の原因 心理的要因・・・他人への恨み、妬み、嫉み 精神的ストレス 経済的要因・・・景気の変動 火災保険のような保険市場で 観察されるモラルハザード 2015/9/30 3 放火と景気の関係 正の相関 経済的損失や社会的パニッシュメント 失業者<一般労働者 不景気=放火しやすい状況 負の相関 失業→自宅滞在時間増→放火しにくい状況 2015/9/30 4 大竹・岡村(2000) 失業率と少年犯罪の発生率の関係 本研究 失業率と放火の発生率の関係 2015/9/30 5 データ 失業率・・・総務省『国勢調査報告』によって 算出される完全失業率 放火件数・・・消防庁『平成13年における火 災の概要(概数)』が報告している、火災原 因別放火件数のうちの「放火」 人口・・・総務省『国勢調査報告』の都道府 県別の人口データ 2015/9/30 6 都道府県別に見た、完全失業率と 人口一人あたり放火件数 2001年人口一人あたり放火件数 0.00010000 0.00009000 0.00008000 0.00007000 0.00006000 0.00005000 系列1 0.00004000 0.00003000 0.00002000 0.00001000 0.00000000 0 2015/9/30 2 4 6 2000年完全失業率 8 7 回帰分析の結果 回帰分析による推定式 6 6 Y 5.07 10 7.6910 X (0.32) 標本数44 2015/9/30 (2.21) t値 修正済R 0.08 2 8 結論と今後の動向 失業率が上昇=放火件数も上昇 となることがわかった。 景気が上向き、失業率が低下 ↓↓ 放火件数も減少する と考えられる。 2015/9/30 9
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