スライド 1

Blenderを用いたモデリングと解析
首 都 大 学 東 京
システムデザイン学 部
航空宇宙システム工学 コース
大 塩
慧
太 朗
指導教員
金崎
雅博
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インデックス
1. Blenderによるモデリング
2. DEXCS-OpenFOAMによる簡単な物体周りの
流れ解析
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1. Blenderによるモデリング
DEXCSのサイトを見ている時、次のような意見がアップされていた。
■ご意見:Blenderの敷居が高いので、モデル作成まで至っていません。任意形状の断面を持つ柱
(できれば少し湾曲したもの)を定義しようとしているのですが、Blenderに最初からある直方体を起点
にしたのでは所望する形状が作り辛く、そこから再定義するにはどうすればよいか、マニュアル等調
査しているところです。因みに、CalculiXやgCADなどではプリがシンプルな分、習得し易いです。
⇒ご回答:ご指摘は色々な方からも伺っており、Blenderの操作性とモデリング機能については、我々
も何らかの対応を考えたいと思っております。ご助言のCalculiXについては、骨組解析や動的解析
を目指して検証を進めており、いずれDEXCSに導入したいと思っています。gCADについては知りま
せんでした。情報を提供いただければ調査したいと思います。さらにモデリングの手軽さを狙って
Google Sketchupの利用を検討しています。完全ではありませんが、DEXCS上でも動作させることは
出来そうなので、情報公開を計画したいと思います。
■ご意見:VMwareで使用しているので、使い慣れないBlenderではなくWindows上のフリーの3D
CADでモデリングしています。Adventure自体は複数物性の解析もできるようですが、境界面のメッ
シュやブロック指定を最悪手作業で行なわないといけないのか?というところがネックになりそうです。
⇒ご回答:皆さんBlenderで苦心されているようです。こちらではGoogl Sketchupの活用も検討してい
ます。モデラーは馴染んだものでないと難しいのですね。また、Adventureの解析機能は非常に高度
で、複数物性や弾塑性解析・座屈解析などが可能です。ただ、DEXCSのプリポストの対応が出来て
いません。是非、ご協力ご支援をお願いします。
(アンケートより一部抜粋)
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アンケートを見て自分と同様に、こう感じている方が多いのではないか?
Blenderは扱いにくい!
なぜBlenderは取っ付きにくいのか?
① 非常に癖のあるインターフェイス。
② 独特なアイコンやファイル・システム。
③ 独自の操作性と機能性。
今回の発表では、DEXCSユーザーやCG初心者が
Blenderに取り組みやすくなるように、主要な機能を紹介しながら
航空機の翼を例にモデリングの流れを説明する。
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Blenderのインターフェイス
下記のサイトでBlenderをダウンロードしインストールします。
http://www.blender.org/index.php
Blenderを起動するとコンソールウィンドウとメインウィンドウが出ます。
コンソールウィンドウは無視していて良いです。
資料提供:市川朋典氏
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よく使うショートカット・キー
3Dウィンドウの操作
平行移動
ズーム
回転
拡大・縮小
[Shift]キー+中マウスボタン・ドラッグ
[Ctrl]キー+中マウスボタン・ドラッグ
中マウスボタン・ドラッグ
・マウスホイール回転。
・テン・キーの[Enter]でリセット
視点変更
トップビュー(XY平面)
テン・キー[7]
フロントビュー(XZ平面)
テン・キー[1]
サイドビュー(YZ平面)
テン・キー[3]
カメラビュー
テン・キー[0]
※「テン・キー[1]が前」と覚えれば、テン・キー[7]とテン・キー[3]のそれぞれ
のテン・キー上の位置が、そのままのビューの位置になる。
選択
一番近いものを選択
複数選択
全選択/全ての選択解除
一部だけ選択解除
右クリック
・[Shift]を押しながら右クリック。
・ [B] キ ー を 1 回 ま た は 2 回 押 し た 後 、
左クリックで囲む。(2回押して円で選
択する方が使いやすい)
[A]キー
・ [Shift]キーを押しながら右クリック
・ [B]キーを1回または2回押した後、
[Alt]キー+左クリックで囲む。
マニピュレータ
その軸のみを操作
画面と平行移動
各軸を左ドラッグ
白い円を左ドラッグ
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よく使うショートカット・キー
編集
削除
[Ctrl]+[Z]
[Alt]+[Ctrl]+[Z]
または[Shift]+[Ctrl]+[Z]
[X]または[Delete]
移動(Grab)
[G]
回転(Rotate)
[R]
サイズ変更(Scale)
[S]
押し出し(Extrude)
[E]
ステップ移動
[Ctrl]キーを押しながらマウス移動
精密移動
[Shift]キーを押しながらマウス移動
ミラー反転
[Ctrl]+[M]
プロパティ・パネル表示
[N]
Specialsメニュー
[W]
Edge Specialsメニュー
[Ctrl]+[E]
元に戻す(Undo)
やり直す(Redo)
押し出し
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新しいオブジェクトを作るには、[space]キー→「Add」→「Mesh」で作れます。
オブジェクトは3Dカーソルがある所に作られます。
また、オブジェクトを作る際は「オブジェクトモード」で作るようにします。
「エディットモード」で作ると、以前に作ってあったオブジェクトと新しく作った
オブジェクトが1つのオブジェクトとして認識されてしまい、「オブジェクトモー
ド」で配置を変える時に一緒に動いてしまいます。
Plane:平面。生成時の設定項目はない。
Cube:立方体。同じく生成時の設定項目はない。
Circle:円。頂点数(Vertices)、半径(Radius)、面を貼るか(Fill)
Uvsphere:球。縦分割数(Segments)、横分割数(Rings)、半径(Radius)
icoSphere:三角形で構成された球。再帰数(Subdivision)、半径(Radius)
Subdivisionを高くすると(6以上)、非常に重くなるので注意。
Cylinder:円柱。円の頂点数(Vertices)、半径(Radius)、柱の長さ(Depth)、
両端を閉じるか(Cap Ends)
Cone:円錐。円の頂点数(Vertices)、半径(Radius)、円錐の長さ(Depth)、
両端を閉じるか(Cap Ends)
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メインウィンドウで[Tab]キーを押すと、「オブジェクトモード」
と「エディットモードの」の切り替えができます。
オブジェクトモード: オブジェクトの配置を決める
エディットモード : オブジェクトの形状を編集する
初期設定でBlenderを起動するとcubeが1つある状態から
始まり、毎回消すのが面倒なので設定を少し変更します。
[Delete]キーを押すと[Erase selected Object(s)]と出るので
クリックするとcubeが消えます。
次に、[File]タブの[Save Default Settings]を選びます。
次回から起動時の画面が保存された状態になります。
(今回はcubeがない状態。)
自分の好みの設定にしましょう。
オブジェクトモード
エディットモード
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航空機の翼のモデリング
実際に航空機の翼をモデリングしながら説明していきます。
今回は下絵を使用したモデリングを行います。
まず、作成したいモデルの画像を保存します。
次に、「View」 → 「Background Image」
→ 「Use Background Image 」を選びます。
保存した画像をロードすると背景に表示されます。
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[space]キー → [Add] → [Surface] → [NURBS Circle]で円を作成します。
「エディットモード」にすると、黄色くハイライトされます。
モデルの移動は[G]キーで行います。
次に右クリックしてドラッグすると一番近くにあるコントロールポイントが選択され、
位置を変えられます。コントロールポイントを増やして下絵の形に沿って円の形を
変えてください。コントロールポイントの増やし方は、
[Shift]+右クリック → [W]キー → [Subdivide] : 辺(Edge)の細分化
[A]キー → [W]キー → [Subdivide] : モデル全体の細分化
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[Tab]キーを押して[オブジェクトモード]に戻します。
次に[Shift]+[D]キーでオブジェクトのコピー、このとき[Shift]や[Ctrl]キーを押すと
精密配置、ステップ配置ができます。
[N]キーを押すとオブジェクトの座標が表示され、[Shift]+左クリックで座標の入力
ができ、オブジェクトの配置を制御できます。
[E]キーまたは下のウィンドウの[Extrude]でオブジェクトの押し出しができます。両
端の形状が同じ物体をモデリングする時に便利です。
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これでモデリングの流れは終わりです。Blenderにはまだまだ豊富な機能が組
み込まれていて、本日示したのはほんの一部だけです。
自分もまだまだ勉強中で下のようなモデリングができるようになるのを目標とし
ています。
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2. DEXCS-OpenFOAMを用いた流れ解析
DEXCS-OpenFOAMを動かして、簡単な物体周りの流れ場を解きました。
解析対象は球と円柱の2種類で、カルマン渦をとらえて可視化できているか
調べてみました。
使用ソルバー:SimpleFOAM
RASモデル:k-εモデル
解析条件
円柱:半径=0.1,高さ=1.0
流速:10[m/s]の一様流
レイノルズ数:1.3*10^5
球:直径=1.0
流速:1[m/s]の一様流
レイノルズ数:1.0*10^4
乱流エネルギーk:0.375[m^2/s^2]
乱流消散速度ε:14.855[m^2/s^3]
ω:167 [1/s] ?
上3つのパラメータについて説明がないので、どのように値を設定するかが不明。
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解析物体の配置図
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blockMeshとcreatePatch
円柱の場合、ブロックの分割指定を(40 20 20)に、球では(20 10 10)に設定。
simpleGrading(1 1 1)は何を意味するのか、よく分からなかった。
下のedgesとpatches、mergePatchPairsは操作する必要がないのか疑問。
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snappyHexMeshDict
解析モデルの細分化レベルは、Sminに2、Smaxに4を指定した。
メッシュ細分化範囲の細分化レベルはRegionに1を指定した。
Regionを大きくすると、メッシュが細かく作成されるらしいがどれくらい
解析結果に差が出るのか?
次のLayersが何を意味するのか、よく分からなかった。
snappyHexMeshDictのコードの意味が良く理解できなかった。
解析時、どこに一番注意する必要があるのか、分からなかった。
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transportProperties
下2つのパラメータが何を意味するのか、よく分からなかった。
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ParaFOAMによる円柱の可視化
TIME:0
TIME:1000
TIME:0
TIME:1000
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ParaFOAMによる球の可視化
TIME:0
TIME:0
TIME:1000
TIME:1000
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結言
カルマン渦を可視化することを目的として、円柱と球周りの流れ場を解析した。
今回の解析で物体後流の境界条件の与え方に問題があることが分かった。
渦の可視化が上手くできていないので、ControlDictを確認して再度解析
する必要がある。
※解析後、Ubuntu 10.04 LTSにアップグレードしてDEXCSを動作させようと
したところ、snappyHexMeshでエラーが発生。 解決策を探索中。
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