意思決定会計論B 第12回 ABC/ABM 2 ABC(活動基準原価計算)とは Activity-based Costing 戦略的なプロダクト・ミックスを決定するために、 アメリカで工夫された原価計算 活動別に原価を集計し、因果関係に基づいて 原価を製品別に集計する点に計算上の特徴 1980年代後半にアメリカの実務に普及 意思決定会計論B 3 伝統的な原価計算 原価計算の3つの段階 費目別計算 材料費、労務費、経費 直接費、間接費 部門別計算 部門個別費、部門共通費 製造部門費、補助部門費 製品別計算 総合原価計算、個別原価計算 意思決定会計論B 4 図表10.1 伝統的な原価計算による製造間接費の配賦+α 製造直接費 経 済 資 源 の 消 費 直課 材料費 労務費 経費 部門個別費直課 配賦③ 製造部門 製造間接費 材料費 労務費 経費 配賦② 部門共通費配賦① 費目別計算 製品A 製品B 補助部門 部門別計算 製品別計算 意思決定会計論B 5 伝統的な原価計算の問題点 支援コストの増加 段取活動、保守活動などの原価 多品種少量生産 内部相互補助が起こる 意思決定会計論B 6 図表10.3 〔 第 1 段 階 〕 ABCによる製造間接費集計の方法 製造間接費X 製造間接費Y 製造間接費Z (資源) 資源作用因 (活動センター) (活動) 〔 第 2 段 階 〕 コスト・プール 設 計 回 数 段 取 回 数 コスト・プール 運 搬 回 数 製 検 査 回 数 品 機 械 時 間 直 接 作 業 時 間 活動作用因 (原価計算対象) 意思決定会計論B 7 図表10.4 活動レベルの分類 活動のレベル 活動の種類 原価作用因 工場長の仕事 → 製品支援レベルの活動 工場の安全対策 → 工場の保守 → 付加価値・工数・売上高 付加価値・工数・売上高 付加価値・工数・売上高 製品の仕様書作成 → 工程管理 → 工場支援レベルの活動 製品の設計変更 → 製品機能の強化 → 品質検査 → 仕様書枚数 工程数・工数の投入量 変更回数・時間 製品の数量・強化のレベル 検査回数・時間 バッチレベルの活動 単位レベルの活動 材料の運搬 → 発注 → 段取 → エネルギーの消費 → 機械の運転 → 材料費の消費 → 直接工の作業 → 運搬回数・重量 発注回数・数量 段取回数・時間 消費量 機械運転時間 材料消費量 直接作業時間 意思決定会計論B 8 ABM Activity-based Management 活動基準管理 顧客によって受け取られる価値およびこの価値 を提供することによって達成される企業の利益 を改善するための方法として、活動の管理に焦 点を置く技法 ABC ⇒ 正確な原価の算定を通じて商品戦 略に役立つ情報の提供 ABM ⇒ 原価低減活動の実施 意思決定会計論B 9 ABMの基本的な仕組み プロセスに注目 プロセス:顧客に製品を提供することを目的で 行われる一連の活動の集合体 非付加価値活動に注目 プロセスに注目して非付加価値活動を明らか にし、これを排除することを狙いとする 意思決定会計論B 10 活動分析 不必要な活動の識別 重要な活動の分析 最善の実務との比較 活動間の結びつきの検討 意思決定会計論B 11 原価作用因分析 活動分析によって明らかにされた不必要な活動 および業界の水準以下の活動を観察し、無駄 な要因を識別すること 意思決定会計論B 12 業績分析 企業が重視すべき問題点を確定するとともに、 その重視すべき問題に関連する活動の尺度を 決定し、継続的に業績を測定・管理する 意思決定会計論B 13 ABCとABMの関係 継続的な改善 のプロセス コスト割当て視点 資源 活動分析 プロセス視点 原 価 作用因 活動 原価計算 対象 ABC 業績測定 尺度 原価作用因 分析 業績分析 ABM 意思決定会計論B
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