管理会計の生成と発展

意思決定会計論B
第2回
CVP分析
意思決定会計論B
2
CVP
 C:
cost 原価
 V:
volume 営業量
(販売量、生産量、売上高など)
 P:
profit 利益
意思決定会計論B
3
CVPの関係
売 上 高
-変 動 費
貢献利益
-固 定 費
営業利益
100万円
- 40万円
60万円
- 50万円
10万円
売上高 2倍
200万円 2倍
- 80万円 2倍
120万円 2倍
- 50万円 一定
70万円 7倍
意思決定会計論B
4
損益分岐点分析
 CVP分析の中心的手法
 損失と利益が分岐する(利益も損失も0となる)
売上高 あるいは 販売量を算定する手法
 損益分岐点
⇒ 目標売上高
意思決定会計論B
5
図表2-1
損益分岐図表
金額
売上高線
利益
総原価線
変動費
損失
固定費
45°
損益分岐点
売上高
意思決定会計論B
6
損益分岐点分析の前提条件
① 企業の総原価は、変動費と固定費よりなる
② 収益および原価は直線的に推移する
③ 生産量=販売量である
図表2-2 正常操業圏
原価
正常操業圏
会計学の原価線
原価
経済学の費用曲線
生産量
生産量
意思決定会計論B
7
損益分岐点販売量
損益分岐点販売量 =
固定費
単価-単位当り変動費
固定費
=
単位当たり貢献利益
意思決定会計論B
8
損益分岐点売上高
損益分岐点売上高 =
固定費
変動費
1-
売上高
=
固定費
貢献利益
売上高
意思決定会計論B
9
設例2-1
 単価100円、単位当たり変動費60円、固定費
400万円とすると、損益分岐点の販売量、およ
び売上高はいくらか。
400万円
販売量=
=10万個
100円-60円
売上高=
400万円
=1,000万円
60円
1-
100円
意思決定会計論B
10
利益達成点販売量
固定費+利益
利益達成点販売量 =
単価-単位当たり変動費
意思決定会計論B
11
利益達成点売上高
固定費+利益
利益達成点売上高 =
変動費
1-
売上高
意思決定会計論B
12
設例2-2
 設例2-1の企業で800万円の利益を達成する
には、どれだけの販売量、あるいは売上高を必
要とするか。
400万円+800万円
販売量=
=30万個
100円-60円
400万円+800万円
売上高=
=3,000万円
60円
1-
100円
意思決定会計論B
13
利益率達成点売上高(売上高利益率)
固定費
利益率達成点 =
売上高
変動費
1-
利益
-
売上高
売上高
意思決定会計論B
14
設例2-3
 設例2-1の企業で売上高利益率20%を達成す
る売上高、および販売量はいくらか。
売上高=
400万円
=2,000万円
60円
1-
-0.2
100円
販売量=2,000万円÷100円=20万個
意思決定会計論B
15
総資本利益率達成点の算出
 総資本利益率を達成するための利益額を算出
し、
 その利益額を利益達成点算出公式に当てはめ
る
意思決定会計論B
16
設例2-5
 設例2-1の企業で税引後総資本利益率6%を
達成する売上高はいくらか。なお、総資本は1億
円、税率は40%とする。
必要税引前利益=1億円×0.06÷(1-0.4)
=1,000万円
400万円+1,000万円
売上高=
=3,500万円
60円
1-
100円
意思決定会計論B
17
安全率(安全余裕率)
現在の売上高-損益分岐点の売上高
安全率 =
×100
現在の売上高
大きいほど 安全性が高い
意思決定会計論B
18
損益分岐点比率
損益分岐点の売上高
損益分岐点比率 =
×100
現在の売上高
小さいほど 安全性が高い
意思決定会計論B
19
設例2-6
 損益分岐点が1,000万円で、現在の売上高が
3,500万円の企業の安全率と損益分岐点比率を
求めなさい。
3,500万円-1,000万円
安全率=
×100≒71.4%
3,500万円
1,000万円
売上高=
×100≒28.6%
3,500万円
意思決定会計論B
20
感度分析
 独立変数の変化が従属変数に与える影響、
一つの要素の変化が結果にどのような影響を
与えるかを決定するために用いられる手法
 利益=(単価-単位当たり変動費)×販売量
-固定費
意思決定会計論B
21
設例2-7
 設例2‐2の企業(単価100円、単位当たり変動
費60円、固定費400万円で30万個販売すること
により800万円の利益を獲得)で、単位当たり変
動費と固定費がともに5%増加したときの利益
はいくらか。
利益=(100円-60円×1.05)×30万個
-400万円×1.05
=690万円
意思決定会計論B
22
設例2-8
 設例2‐2の企業で、単価を10%値上げした場
合の利益はいくらか。ただし、それにより販売量
が10%低下するものとする。
利益=(100円×1.1-60円)×(30万個×0.9)
-400万円
=950万円
意思決定会計論B
23
図表2-3
金額
損益分岐図表
売上高線
利益
総原価線
貢献利益
損失
固定費
変動費
売上高
意思決定会計論B
24
資本集約型企業 と 労働集約型企業
金
額
500万円
100万円
BEP 1,000 1,500
売上高
875万円
金
額
200万円
100万円
BEP
500万円
1,000
1,500
売上高
意思決定会計論B
25
資本集約型企業 と 労働集約型企業
 資本集約型企業:
固定費の比率が高い
 損益分岐点が高い
 安全性に劣る
 利益が大きく変動する
 労働集約的企業: 変動費の比率が高い
 損益分岐点が低い
 安全性が高い
 利益の変動が少ない
意思決定会計論B
26
経営レバレッジ
貢献利益
 経営レバレッジ係数=
営業利益
固定費+営業利益
=
営業利益
 営業利益増加率
=売上高増加率×経営レバレッジ係数
意思決定会計論B
27
設例2-9① 複数製品の場合
2種類の製品を製造・販売しており、そのデータ
は次のとおりとする。
A
B
販売単価
50円
80円
単位当たり変動費
40円
60円
単位当たり貢献利益
10円
20円
月間固定費を680,000円とする。
「販売量の比率をA:B=3:1とする」という条件
の場合、損益分岐点販売量はいくらになるか。
意思決定会計論B
28
設例2-9① 解答
A:3個とB:1個を1ケースとすると、
680,000円
損益分岐点販売量=
10円×3個+20円×1個
=13,600ケース
よって、
A: 3個×13,600ケース=40,800個
B: 1個×13,600ケース=13,600個
意思決定会計論B
29
設例2-9② 複数製品の場合
「売上高の比率をA:B=3:1とする」という条件
の場合、損益分岐点の売上高はいくらになるか。
10円 3 20円 1 17円
貢献利益率=
× +
× =
50円 4 80円 4 80円
17円
損益分岐点売上高=680,000円÷
80円
=3,200,000円
A: 3,200,000円×3/4=2,400,000円
B: 3,200,000円×1/4=800,000円
意思決定会計論B