意思決定会計論B 第3回 予算管理 意思決定会計論B 2 予算の意義 予算とは、経営計画実現のためのさまざまな活 動計画を、会計(財務)数値に置き換え、費目別、 部門別、地域別等に目標数値として割当てた もの 将来の一定期間(年度、四半期、月)について 設定 意思決定会計論B 3 予算管理 予算を使って経営管理を行う 予算編成 予算統制 意思決定会計論B 4 予算のプロセス 経営戦略 ⇓ 長期・中期計画 長期的な方向付け 長期(5~20年) 中期(3~5年) ⇓ 短期利益計画 ⇓ 予算 中期計画の初年度分 目標数値 意思決定会計論B 5 予算管理の役割 予算編成 事前に設定されている利益計画を達成するた めに部門別、費目別に数値を割り当てるプロセ ス 計画 調整 伝達 意思決定会計論B 6 予算管理の役割 予算統制 編成される予算を達成するための一連のプロセ ス 事後統制 事前統制(モチベーションを高める) 意思決定会計論B 7 予算の体系 売上高予算 直接材料費予算 損益予算 総 合 予 算 製造予算 直接労務費予算 製造間接費予算 販売費・一般管理費予算 財務予算 資金予算 資本予算(設備投資予算) 意思決定会計論B 8 予算編成のプロセス 長・中期計画 短期利益計画 資本予算 売上高予算 製造予算 直接材料 費予算 直接労務 費予算 製造間接 費予算 見積 損益計算書 販売費・一般 管理費予算 資 金 予 算 見積 貸借対照表 見積キャッシュ ・フロー計算表 意思決定会計論B 9 売上高予算 販売予測 地区別、顧客別、責任者別、製品別 売上高予算 四半期 1 2 3 4 合計 数 量 10,000 12,000 11,000 10,500 43,500 単 価 200 200 200 200 200 売 上 高 2,000,000 2,400,000 2,200,000 2,100,000 8,700,000 意思決定会計論B 10 製造予算 生産量=予定販売量+予定期末製品在庫量 -期首製品在庫量 製造予算 四半期 1 2 3 4 量 10,000 12,000 11,000 10,500 43,500 +)予定期末在庫量 1,200 1,100 1,050 1,000 1,000 計 11,200 13,100 12,050 10,500 44,500 -)期首在庫量 1,000 1,200 1,100 1,050 1,000 10,200 11,900 10,950 10,450 43,500 販 売 合 生 産 量 合計 意思決定会計論B 11 直接材料費予算 材料購入額=材料消費額+予定期末材料在庫高 -期首材料在庫高 直接材料費予算 四半期 1 2 3 4 量 10,200 11,900 10,950 10,450 43,500 価 60 60 60 60 60 材 料 消 費 額 612,000 714,000 657,000 +)予定期末在庫量 71,400 65,700 62,700 所要材料金額 683,400 779,700 719,700 -)期首在庫量 61,200 71,400 65,700 購 入 予 定 額 622,200 708,300 654,000 生 単 産 合計 627,000 2,610,000 59,400 59,400 686,400 2,669,400 62,700 61,200 623,700 2,608,200 意思決定会計論B 12 予算編成の際の注意点 予算参加 トップ・ダウン型予算、割当型予算 ボトム・アップ型予算、参加型予算 予算スラック タイトネス 意思決定会計論B 13 予算統制 事前コントロール 事前に予算を目標値として示すことにより従 業員のやる気を高める(モチベーション) 事後コントロール 予算と実績を、事後的に比較することにより 業績評価を行う 差異の原因を分析し、改善措置を講じる 担当者に情報を伝達する(フィードバック) 意思決定会計論B 14 予算差異分析 売上高差異 価格と数量に分解 販売価格差異 =(実際販売単価-予算販売単価)×実際販売量 販売数量差異 =(実際販売量-予算販売量)×予算販売単価 意思決定会計論B 15 予算差異分析 販売量差異を営業努力の不足による部分と市 場全体の需要量の減少部分に分解 市場占有率差異 =(実際販売量-実際総需要量×予算市場占 有率)×予算販売単価 市場総需要量差異 =(実際総需要量×予算市場占有率-予算販 売量)×予算販売単価 意思決定会計論B 16 予算差異分析の際の注意点 例外管理の原則 すべての差異について分析を実施する必要はなく、 差異分析に要するコストとそれにより得られる便益 を比較し実施する 責任会計の原則 責任者は自身にとってコントロール可能な原価(管 理可能費)にのみ責任を持つべき 業績評価はその担当者にとってコントロール可能な 範囲に限定すべき 意思決定会計論B 17 予算の問題点 財務指標の偏重 過大な事務負担 意思決定会計論B 18 他の予算の形態 継続予算(ローリング予算) 年度予算を通年で使用し続けるのではなく、定 期的に新しい予算に更新していく ゼロ・ベース予算(ZBB) 提案されたすべての予算項目は、そのコストと 便益との比較により査定を受け、優先順位が付 けられ、その結果採否が決定される 意思決定会計論B
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