医療法規 - 医療事務・レセプト

保険審査の最新事情2011
~電子レセプト時代の返戻・査定対策~
平成23年 3月
有限会社メディカルサポートシステムズ
認定医業経営コンサルタント 第5590号
細 谷
邦 夫
本日の内容
 電子レセプトのメリットが牙をむく
返
戻
・
査
定
の
現
状
 査定が厳しくなるのか?
 本来のルールが厳密になるだけ
 決して機械的にレセプトが審査されるということでは
無い
 医療事務職の存在がより重要になる
 レセプトは請求書作成という事務作業
 医師の診療内容と保険診療のルールのマッチングを
図る
 査定されないためにレセプトの基礎体力をつけ
ましょう!
2
レセプト点検の重要性
3
レセプト(診療報酬明細書)とは
レ
セ
プ
ト
点
検
の
重
要
性
 医療機関の収入の根幹
算定ミスが発生すると・・・
本来予定されていた収入が確保できない
⇒請求漏れによる収入減
⇒機器のリース料等支払の計算が狂う
実際に行われた医療行為が
保険請求に正しく反映されない
⇒過剰請求等による患者の不信感
4
レセプト(診療報酬明細書)とは
レ
セ
プ
ト
点
検
の
重
要
性
 正しく請求するためには
 各種医療関連法規の理解
 点数表や通知など
 療養担当規則
 明細の記載要領
 診療報酬改定に注意
 新点数の届出等はできているか
 解釈など情報収集は万全か
 返戻・査定(減点)通知から請求ミスの原因を突
き止め、その対策を考える
 院内のインフラの整備
 電子カルテ・レセコンの機能活用
5
レセプト審査の状況
レ
セ
プ
ト
点
検
の
重
要
性
保険者は点検を一層強化
 保険者財源の赤字傾向の深刻化
 財政破綻の危機
→ 慢性的赤字傾向から脱却を目指す
→ 診療報酬請求事務能力認定試験等資格者を活用
 外部委託の進展
→自前で点検を実施できない保険者は業者へ業務委託
審査支払い機関も体制強化
 支払基金の民間法人化
 容認率の低下への取組み
 レセプト電子化による審査技術の向上
 政府
 事業仕分けでも話題に
6
よくある算定漏れ・間違い事例
レ
セ
プ
ト
点
検
の
重
要
性
傷病名の付け方
 同月内における初診料の複数回算定
 患者の任意の中止による初診料の算定
 複数診療科受診の際の同日初診
 施設基準の届出漏れ・忘れ
 傷病名開始日の間違いによる診察料の査定
 時間外加算の対象となる時間帯における電話
再診時の加算
 休日の深夜の時間帯における診療を行った場
合の深夜加算
 小児科特例時間外加算の算定漏れ
 他院から持参した検査結果等の読影料
 薬剤の多剤投与の計算

7
よくある査定・返戻事例
病名漏れ(点数表の読み込み不足によるもの)
⇒頸部エコーでパルスドプラ使用時等
 生活習慣病管理料算定時の診療情報提供料
 生活習慣病管理料算定時の対象疾患以外の投薬
 ニコチン依存症治療管理料の初回算定日の記載
漏れ
 脈波図の査定

報
酬
の
実
務

請求漏れ対策


病名漏れ→ソフト、レセコン・電子カルテの機能
事務点検ASPの活用
8
審査支払機関の最新動向
9
審査体制の見直し
審
査
支
払
機
関
の
動
向
 審査システムの更新
 電子チェックの推進
 支払基金・国保連合会ともに新システムに移行
 国保の場合、公費関連でレセコンメーカーによって
は費用が発生?
 縦覧点検・突合点検・横覧点検(通覧点検)がス
ムーズに実施できる
 4月診療分からデータ蓄積(国保)
 35万点以上の日計表は電子媒体に記録する
旨の依頼 ⇒ そのうち35万点未満も?
10
審査体制の見直し効果
審
査
支
払
機
関
の
動
向
 査定率の推移
 平成22年12月審査分前年同月比
 査定件数
 査定件数率
 査定点数
 査定点数率
20%弱UP
20%弱UP
10%前後UP
10%前後UP
 内訳
 医薬品チェックが異常な伸び
 間違いなくコンピュータチェックの効果
H23.2.28 支払基金プレスリリース資料より
11
サービス向上化計画?
審
査
支
払
機
関
の
動
向
 第8次審査情報提供(H23.2.28)
 尿中マイクロアルブミン
 糖尿病性早期腎症(第1期又は第2期の記載がない
もの)に対しての尿中マイクロアルブミンの算定を認
める
 オンライン請求システムのマイナーチェンジ
 請求確定されていないデータの取扱い
 査定率ランキング
 東京は全国で5番目に厳しい
12
レセプト審査の方向性
13
審査の今後の方向性1
電
子
化
時
代
の
レ
セ
プ
ト
審
査

平成27年度にはレセプト電子化が概ね普及する
 電子点数表の存在
 電子化により審査支払機関の審査体制が変化

医療機関のレセプト点検の基本に変化は無いが
 電子カルテ・レセコンの高性能化により、算定根
拠に対する意識が希薄になる
 電子化は目的では無く手段である
14
電子レセプトの普及率
電
子
化
時
代
の
レ
セ
プ
ト
審
査
医療機関
数
オンライン
フロッピー等
電子請求計
件数
%
件数
%
件数
%
病
院
8、686
8、328
95.9
210
2.4
8、538
98.3
診
療
所
88、155
33、277
37.7
35、515
40.3
68、792
78.0
計
96、841
41、605
43.0
35、725
36.9
96、841
79.9
(社会保険診療報酬支払基金資料:平成23年1月31日現在)
15
16
審査の今後の方向性2
電
子
化
時
代
の
レ
セ
プ
ト
審
査

平成22年10月診療分から支払基金がレセプトのコ
ンピュータチェックを強化

適応、用法・用量チェックは平成22年2月から実施済み


1955品目(9月現在)
診療行為と病名(適応が明確化されているもの164項目)

各種処置、生活習慣病管理料、在宅酸素療法指導管理料

今後検査から特定保険医療材料まで拡大予定

医薬品と病名(禁忌・併用禁忌・併用注意など791品目)
ボルタレン(消化性潰瘍・アスピリン喘息・妊婦等は禁忌)
 イトリゾール(オーラップ・ハルシオン・リポバス等と併用禁忌)
 PL顆粒(緑内障の患者、前立腺肥大症の患者、2歳未満の乳幼
児には禁忌 ・ ワルファリン、インスリン製剤、三環系抗うつ剤は
併用注意)

17
審査の今後の方向性3
電
子
化
時
代
の
レ
セ
プ
ト
審
査

予定されている流れ




診療報酬と介護報酬の突合確認の推進(平成23年度~)
審査支払情報を活用した医療費通知、ジェネリック差額通
知の作成(平成23年度~)
調剤レセプトの直接審査の推進
電子化による業務効率化に伴う支払の早期化
平成23年9月診療分より20日支払(平成23年1月17日事務連絡)
 都道府県毎にバラつく可能性あり

(第10回審査支払機関の在り方検討会資料より)

保険者サイド


電子化対応(平成23年度~)
審査支払機関の自由化(平成22年12月28日 保発1228第2号)
18
審査の今後の方向性4
電
子
化
時
代
の
レ
セ
プ
ト
審
査
 支払基金サービス向上化計画(平成22年9月30日)
 良質なサービスの提供
 効率的な事業運営
 情報公開の推進及び説明責任の履行
 良質なサービスの提供の中身
 1.審査の充実
 2.審査の不合理な差異の解消
 3.審査に於けるPDCAサイクルの確率
 4.保険者及び医療機関に対するサービスの
向上
 5.診療報酬改定を始めとする医療保険制度
改定にかかる円滑な対応
19
院外処方せんの査定
電
子
化
時
代
の
レ
セ
プ
ト
審
査
処方せん
支
払
基
金
医科レセ
国
保
連
医科と調剤レセの突合
調剤レセ
1500点
超
 医科レセプトと調剤レセプトの突合審査
 調剤レセプトが1500点を超えると突合対象となる
 査定は処方元から
20
平成22年度診療報酬改定
電
子
化
時
代
の
レ
セ
プ
ト
審
査

処方せん及び調剤レセプトに以下の記載
都道府県番号
都道府県別の2桁の番号
点数表番号
医科=1
歯科=3
医療機関コード
医療機関別の7桁の番号
ここに追加
21
院外処方せんの査定2
電
子
化
時
代
の
レ
セ
プ
ト
審
査
 医科レセプトと調剤レセプトの突合審査
 調剤レセプトが1500点を超えると突合対象となる
 査定は処方元から
 【参考】過去の経緯
 昭和63年
2、500点
 平成 8年 2、000点
 平成18年 1、500点
 突合審査の基準が変る?
 平成23年4月診療分以降は全件チェック
 審査支払機関のあり方に関する検討会第6回資料
から
22
レセプトの審査
(対策を練るにはまず敵を知ることから)
審査とレセプトの流れ
審査支払機関
レセプト
レ
セ
プ
ト
の
審
査
レセプト受付
事務点検・事務共助
保
険
医
療
機
関
保
一次
審査
審査専
門部会
険
返 戻 ・
増減点連絡書
二次審査
再審査請求
者
支 払
返 戻 ・
支払調整額通知
レセプト
再審査部会
再審査請求
24
なぜ1年も前のレセが?
 レセプトの流れ

レ
セ
プ
ト
の
審
査
レセプトは1ヶ月単位で動いている
①レセプト
③レセプト
保
険
医
療
機
関
②返戻
⑥過誤通知
再審査請求
審
査
支
払
機
関
保
④支 払
険
⑤再審査請
求
者
25
返戻・査定とは
 医療機関が提出したレセプトが何らかの理
由で返送・減額されること
レ
セ
プ
ト
の
審
査
 『何らかの理由』とは?
⇒ 後述
 よくある勘違い
返
戻 ⇒ レセプトは返送されてくる
= 訂正して当月分と一緒に再請求
査
定 ⇒ 有無を言わさず減額される
= 不服の時は再審査請求
26
返戻・査定とは
 返戻は以下のような理由でレセプトが返送さ
れる
レ
セ
プ
ト
の
審
査
 資格喪失
 保険証の入力ミス
 点数の誤り
 診療内容に疑問のあるもの
等
 査定=増減点
 殆どの場合は減点
 ごく希に増点してくれることもある!
27
返戻・査定とは
 帳票の種類
 審査支払機関での増減点
レ
セ
プ
ト
の
審
査
 増減点通知書(国保)
 増減点連絡書(社保)
 保険者での増減点
 再審査過誤連絡票(国保)
 再審査等支払調整額通知票(社保)
28
査定のメカニズム
 根本的なこと
 保険診療への理解が不充分
レ
セ
プ
ト
の
審
査
 診療報酬改正への対応不備
 療養担当規則等への関連知識不足
 レセプト点検の手法
 単月点検・縦覧点検・突合審査・横覧点検
 非常に多い事例
 ケアレスミス
 傾向診療
 経済査定
29
レセプト審査の着眼点

病名漏れ

レ
セ
プ
ト
の
審
査

薬剤の添付文書の内容

再審査請求をしても
復活の可能性は低い



明細の記載要領



 薬剤の適応
検査数値
 病名漏れ
検査実施日・前回実
 同種・同効薬剤の併用
施日等の記載
 内服と頓服
薬剤投与開始日


療養担当規則


禁忌
用法上制限のあるもの
定期的な検査の実施を求
めるもの
内服と点滴の併用
外傷のレセプト
縦覧点検(診療の流れを
見る)



検査のスパン・頻度
検査意義
薬剤の投与日数・量(維持
量への減額等)
30
点検調査要綱とは
 単月点検調査
 点検対象レセプト及び重点点検項目について、傷
レ
セ
プ
ト
の
審
査
病名や、傷病名と医療機関の組合せ等により効
果的なレセプト抽出を行い、次の内容に留意した
点検調査を行う。
 傷病名等から見て1件当りの診療点数が著しく高いもの
 健保本人、老人医療及び被扶養者との診療内容の格
差が著しいもの(注:通知が古いので老人医療となっている)
 診療内容、請求内容から見て傷病名が著しく多いもの
 レセプトに訂正、追加の多いもの
 傾向診療のあるもの(画一的処置、検査、投薬の有無)
 診療内容が過剰と思われるもの(各種処置、検査、投薬
および検査材料)
31
点検調査要綱とは
 縦覧点検調査
 単月点検調査を行ったレセプトについて、保険
レ
セ
プ
ト
の
審
査
医療機関単位に、連続した複数月レセプトを有
する者について、原則3か月の縦覧点検調査を
行う。
 なお、次の内容に留意した点検調査を行う。
 継続した診療内容に関する疑義の有無
 漫然と長期にわたる診療内容の有無
 診療内容が過剰と思われるもの(各種処置、検査、投
薬および検査材料)
32
カルテとレセプトの関係
 カルテ=レセプトでなければならない
 カルテにあってレセプトに無い
レ
セ
プ
ト
の
審
査
⇒ 算定漏れ
 レセプトにあってカルテに無い
⇒ 不正請求
 レセプト=カルテでは無い難しさ
 症状詳記などが無いと査定の原因となる
33
査定の真の恐ろしさとは

レ
セ
プ
ト
の
審
査
査定は単なる減額ではない
 審査録の存在
 状況によっては不正請求とみなされる
指導・監査へ繋がる危険を孕む
 最悪のケースでは過去5年に遡って自主返還


不服の場合は必ず再審査請求を!!
 減額されたものが復活 ⇒ 増収
 審査員へのアピール
⇒再審査請求書を書くことにより事務員も勉強
になる
【参考】指導・監査の方向性
 保険医療機関等に対する指導・監査の検証
レ
セ
プ
ト
の
審
査
及び再発防止策に関する検討チーム中間
とりまとめ(平成22年12月17日)
 コンプライアンス及び情報の迅速な共有を徹底
する具体的仕組み
 地方支分部局を含めた組織・人事の見直し
 内部監察体制等の構築
 保険医療機関等に対する指導監査業務の見直
し等
指導監査の在り方に関しての見直し(平成23年度中)
 コンタクトレンズ検査料の在り方の検討(平成24年診療報酬改
定に向けて)

返還の状況

平成21年度の保険医療機関等からの返還額

レ
セ
プ
ト
の
審
査


指定・登録取消の状況



保険医療機関等:16機関(対前年度17機関減)
保 険 医 等 :16名(対前年度25名減)
特徴



約30億3千万円(対前年度6億2千万円減)
内訳:指導による返還分:約21億2千万円
監査による返還分:約 9億1千万円
歯科の取消件数比率が高い。不正内容は架空請求・付増
請求・振替請求・二重請求
勤務表・タイムカードド・日誌等虚偽作成・改竄など悪質な物
取消の発端

保険者・医療機関従事者・医療費通知に基づく被保険者
からの通報が11件と大部分を占める
36
医療費通知について
 窓口で負担金を貰ってないから大丈夫?


レ
セ
プ
ト
の
審
査
無料健診で項目外の検査をしてあげたが・・・
診療時に請求を忘れた検査項目があった・・・
医療費通知
 保険者から患者様へのレセプト点数の通知


苦情・医療機関への不信のきっかけ・説明責任が重要
一部負担金を貰わないのはそもそも健康保険法違反
 保険者の姿勢




医療費削減の一環として強化する傾向
領収書を貰おう運動 ⇒ 領収書・明細書の義務化
医療費通知をさらに踏み込んだ内容の通知を行っている
保険者もある
査定が発生した場合の差額は返金すべきか?
37
支払基金の審査情報(H22.6.21)
 ロキソニン錠・ロキソニン細粒・そのGE
 偏頭痛・緊張型頭痛に対しての処方は認められる
レ
セ
プ
ト
の
審
査
 薬理作用が同様
 ヒアルロン酸

肝機能障害・肝細胞癌疑い・肝硬変では認められない
肝機能障害では慢性肝炎かどうか明確でない
 肝細胞癌は診断の参考にならない
 肝硬変の経過観察の参考とならない


慢性肝炎の病名がない肝細胞癌に対する測定は不可


経過観察や治療方針の決定には参考にならない
慢性肝炎の病名が無くても原発性胆汁性肝硬変に対する
測定は可

原発性胆汁性肝硬変は診断時には必ずしも肝硬変とは言えず、
38
ステージングの参考となる
支払基金の審査情報(H22.6.21)
 AFPーL3%

慢性肝炎のみでは算定不可

レ
セ
プ
ト
の
審
査
告示・通知から
 抗核抗体価・抗DNA抗体価

抗てんかん剤に対する測定では、疑い病名又は注記がな
ければ認められない

抗てんかん剤の副作用としてのSLE様症状は希である
 ループスアンチコアグラント

抗リン脂質抗体症候群の病名のない膠原病疑いに対する
測定は認められない

膠原病のスクリーニングとして不適
39
返戻・査定の対策
返戻・査定を受けたら1

返
戻
・
査
定
対
策
内容を把握する
 「返戻」なのか「査定(過誤調整)」なのか
 増減点事由の確認
1、診療内容に関するもの
 A:適応と認められないもの
 B:過剰・重複と認められるもの
 C:A・B以外の理由から適当と認められないもの
 D:告示・通知の算定要件に合致しないと認められるもの
2、事務上に関するもの
 F:固定点数が誤っているもの
 G:請求点数の集計が誤っているもの
 H:縦計計算が誤っているもの
 K:その他
41
返戻・査定を受けたら2
記
号
返
戻
・
査
定
対
策
A
B
C
D
区分
審査委
員会の
決定に
よる医
学的な
理由に
基づく
査定
文 言
(平成18年11月21日 基審発第136号)
主な概念
療養担当規則等に照らし、傷病名等
療養担当規則等に照
から判断して、使用薬剤の効能、効果、
らし、医学的に適応と
もしくは診療行為に医学的有用性が
認められないもの
認められないもの
療養担当規則等に照
らし、医学的に過剰・
重複と認められるも
の
療養担当規則等に照らし、診療内容を
通覧して、薬剤の投与量、投与日数が
医学的に過量であるもの、もしくは診
療行為が医学的に過剰であるもの
療養担当規則等に照
らし、A・B以外の医
学的理由により適当
と認められないもの
診療内容を通覧して、A、Bに該当す
るもの以外で告示・通知等に照らし、
医学的に不適当と認められるもの
告示、
告示・通知の算定要
通知に
告示、通知に示された算定要件に、診
件に合致していないと
療行為が合致しないもの
基づく
認められるもの
査定
42
返戻・査定を受けたら3
病名は漏れていなかったか
 入力項目は正しかったか
 点数表上の回数制限等に抵触していないか
 縦覧点検にかかるような内容ではないか
 薬剤の添付文書(DI)に記載されている使用方法・
適応はどうか
 療養担当規則に抵触していないか

返
戻
・
査
定
対
策

「保険医療費は,医療保険の加入者からの保険料や国
庫補助等によりまかなわれているため,必要性が認め
られない診療,また妥当適切でない診療には支払われ
るべきではない」
 納得のいかない査定には再審査請求を!
43
返戻・査定を受けたら4
返
戻
・
査
定
対
策
 再審査請求の手続き
 再審査請求書に必要事項を記載する
 国保・社保で用紙が違う
 国保はHPからダウンロード可
 社保はOCR用紙なので取り寄せる
 医師会によっては複写レセを付けて医師会に提
出する場合も
 取り下げ請求
 レセプトを一度戻して貰い、修正の後再請求する
手続き
44
返戻・査定の原因別対策1
返
戻
・
査
定
対
策
 診療報酬の算定ルールによるもの
 レセプトの記載ルールによるもの
 健康保険制度によるもの
 臨床的な理由によるもの
45
返戻・査定の原因別対策2
 診療報酬の算定ルールによるもの
 経過措置品目等の用語
返
戻
・
査
定
対
策
 初診と再診
 算定要件
 在宅時医学総合管理料=月2回訪問
 処置の左右
 時間外の特定疾患療養管理料
 病態が定められているもの
 病名との整合性
 レセプト作成の基本
 疑い病名での投薬
 ビオフェルミンとビオフェルミンRの適応疾患
 ロキソニンやアダラート等処方量により病名が変化
 電子カルテ・レセコンの機能活用を!
46
知っているようで知らない用語
 経過措置品目とは
 医療の需要がないなどの理由で製薬会社が供給を
返
戻
・
査
定
対
策
停止したり,医療事故防止等を目的として名称表
示が変更されたりした医薬品等は,医療機関の在
庫や周知期間を考慮して,直ちに薬価基準から削
除とはならずに経過措置期間が設けられる。これら
の医薬品を経過措置品目と称し,経過措置期間は
保険適用される。経過措置品目と経過措置期間は
厚労省告示により指定されるが,期限後は薬価基
準から削除される。
(出典:福岡県薬剤師会薬事情報センター HP)
47
後発医薬品使用促進の弊害
 GEへの変更による診療報酬請求上の留意点
 先発医薬品と後発医薬品の適応疾患の違いによる
返
戻
・
査
定
対
策
査定に注意
 日本ジェネリック製薬協会ホームページ参照
http://www.jga.gr.jp/
 薬局さんからの電話に注意
 少なくとも対象疾患はチェックしておく
48
返戻・査定の原因別対策3
 レセプトの記載ルールによるもの
 病名漏れ
返
戻
・
査
定
対
策
 レセプト種別欄
 検査の実施日
 健康保険制度によるもの
 レセプト種別
 療養担当規則
 労災
 臨床的な理由によるもの
 検査・投薬等と病態との整合性
 病気の事を知ろう
49
返戻・査定の原因別対策4
返
戻
・
査
定
対
策
レセプト種別欄
 レセプト種別欄の間違いの返戻は多い
 保険の種類の知識が曖昧
 特に70歳以上の前期高齢者と後期高齢者
 電子カルテ・レセコンのマニュアルを確認
50
症状詳記について
レ
セ
プ
ト
作
成
上
の
ポ
イ
ン
ト
読みやすさを意識して書く
 サマリーではないということ


何故その診療行為が必要であったのかその理由を簡
潔に記載する
簡単すぎる場合は返戻され詳細を求められる場
合もある
 症状詳記とレセプトの内容が一致するか注意
 「患者の希望」、「予防のため」は論外


保険診療をよく理解する
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ご清聴ありがとうございました
拙著が、じほう社より刊行されました
『患者さんと共有できる外来点数マニュアル
2010年度版』
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