レセプト審査の最新事情2012 ~電子レセプト時代の返戻・査定対策~ 平成24年 1月21日 有限会社メディカルサポートシステムズ 認定医業経営コンサルタント 第5590号 細 谷 邦 夫 本日の内容 電子レセプトのメリットが牙をむく 返 戻 ・ 査 定 の 現 状 延期されていた新システムが本格稼働 どのようシステムで審査されるかを把握し、冷静に しっかりと対応する 査定が厳しくなるのか? 本来のルールが厳密になるだけ 機械的にレセプトが審査されるということでは無い 査定されないためにレセプトの基礎体力をつけ ましょう! 2 レセプト点検の重要性 3 レセプト(診療報酬明細書)とは レ セ プ ト 点 検 の 重 要 性 医療機関の収入の根幹 算定ミスが発生すると・・・ 本来予定されていた収入が確保できない ⇒請求漏れによる収入減 ⇒機器のリース料等支払の計算が狂う 実際に行われた医療行為が 保険請求に正しく反映されない ⇒過剰請求等による患者の不信感 4 レセプト(診療報酬明細書)とは レ セ プ ト 点 検 の 重 要 性 正しく請求するためには 各種医療関連法規の理解 点数表や通知など 療養担当規則 明細の記載要領 診療報酬改定に注意 新点数の届出等は大丈夫か 解釈など情報収集は万全か 返戻・査定(減点)通知から請求ミスの原因を突 き止め、その対策を考える 院内のインフラの整備 病名漏れ対策→ソフト、レセコン・電子カルテの機能 オンライン請求時の事務点検ASPの活用 5 レセプト審査の状況 レ セ プ ト 点 検 の 重 要 性 保険者は点検を一層強化 保険者財源の赤字傾向の深刻化 財政破綻の危機 → 慢性的赤字傾向から脱却を目指す → 診療報酬請求事務能力認定試験等資格者を活用 外部委託の進展 →自前で点検を実施できない保険者は業者へ業務委託 審査支払い機関も体制強化 支払基金の民間法人化 容認率の低下への取組み レセプト電子化による審査技術の向上 政府 事業仕分けでも話題に 新システムの稼働で医療機関にとっては、ますま す逆風が強くなる 6 よくある算定漏れ・間違い事例 レ セ プ ト 点 検 の 重 要 性 傷病名の付け方 同月内における初診料の複数回算定 患者の任意の中止による初診料の算定 複数診療科受診の際の同日初診 施設基準の届出漏れ・忘れ 傷病名開始日の間違いによる診察料の査定 時間外加算の対象となる時間帯における電話 再診時の加算 休日の深夜の時間帯における診療を行った場 合の深夜加算 小児科特例時間外加算の算定漏れ 他院から持参した検査結果等の読影料 薬剤の多剤投与の計算 7 電子化時代のレセプト審査 8 電子レセプトの普及率 電 子 化 時 代 の レ セ プ ト 審 査 医 療 機関数 オンライン フロッピー等 電子請求計 件数 % 件数 % 件数 % 病 院 8、639 8、328 96.4 199 2.3 8、527 98.7 診 療 所 87、881 36、578 41.6 34、458 39.2 71、036 80.8 計 96、520 44、906 46.5 34、657 35.9 79、563 82.4 医科件数ベース:94.2% 歯科:34.7% 保険者:80.6% 調剤:93.8%(機関数ベース) (社会保険診療報酬支払基金資料:平成23年11月30日現在) 9 審査の体制強化1 電 子 化 時 代 の レ セ プ ト 審 査 平成24年3月審査分(2月診療分)から支払基金が レセプトのコンピュータチェックを強化 突合審査・縦覧審査 本来は平成23年4月から実施予定であったが延期さ れていた 平成22年度診療報酬改定で記載要領の変更 平成24年4月からレセ電ファイルに診療日を記録 突合点検とは 処方せんを発行した医療機関のレセプト(医科・歯科) と、調剤を実施した薬局の調剤レセプトとを患者単位で 照合する審査 縦覧点検とは 同一医療機関の同一患者のレセプトを複数月に渡って 照合する審査 10 突合点検対応の流れ(医療機関側) 電 子 化 時 代 の レ セ プ ト 審 査 突合点検の結果、査定の有無に関わらず請求通り 支払われる 返戻等と一緒に『突合点検結果連絡書』が送付 請求翌月初め(診察の翌々月)に送付される 院外処方に関する査定内容が記される 処方せんの内容と異なる査定内容の場合には異議申し立 てをする 『処方せん内容不一致連絡書』を送付 『突合点検結果連絡書』と同じ用紙 処方内容等が異なるものに○をつけ支払基金に送付 連絡書が送付された月の18日までに送付する 請求月の翌月=診療月の翌々月18日まで 土・日・祝日の場合は翌営業日 18日を過ぎた場合には再審査請求の手続きで行う 11 突合点検対応の流れ(支払基金側) 電 子 化 時 代 の レ セ プ ト 審 査 責別確認 異議申し立てのあったレセプトについて、調剤薬局より処 方せんを取り寄せる 内容を確認し、医療機関と薬局とどちらが原因かを明らか にした上で減点する 後発品に変更されて適応外となったケースは審査対象 外? 注意が必要なケース 一包化、分割調剤、嚥下困難者への指示などで処方せん に不備がある場合には医療機関から調剤報酬が減点さ れる 12 医師の指示が必要な調剤報酬 電 子 化 時 代 の レ セ プ ト 審 査 以下のものは調剤薬局に確認を 分割調剤 嚥下困難者用製剤加算 一包化加算 自家製剤加算 計量混合調剤加算 後発医薬品調剤加算 重複投薬・相互作用防止加算 等 ※診療報酬ではありません 13 院外処方せんの査定の流れ 電 子 化 時 代 の レ セ プ ト 審 査 処方せん 支 払 基 金 医科レセ 国 保 連 医科と調剤レセの突合 調剤レセ 1500点超 1月診療分まで 医科レセプトと調剤レセプトの突合審査 調剤レセプトが1500点を超えると突合対象だった 査定は処方元から(2月診療分から責別確認) 薬剤師も審査委員に名を連ねる(H23.6~) 14 縦覧点検対応の流れ(支払基金側) 電 子 化 時 代 の レ セ プ ト 審 査 原則として6ヶ月分のレセプトを縦覧 査定対象とするのはあくまでも請求当月分 保険者は過去に遡って査定することもあり得る 過去に遡っての減点はしない いきなり6ヶ月分ではなく、順次増やしていく 過去の傷病開始日を加筆・修正してもいいのか? 注意が必要なケース 複数月に1回とされるもの 2回目以降逓減となるもの 骨塩定量検査、尿中アルブミン、尿中Ⅳ型コラーゲン、リポ蛋白 (a)、シスタチンC、PSA 等 心電図、超音波検査、内視鏡検査 等 患者1人につき1回とされるもの ウイルス疾患指導料、死亡診断加算、がん患者カウンセリング料、 15 HCV特異抗体価測定 審査の体制強化2 電 子 化 時 代 の レ セ プ ト 審 査 平成22年10月診療分から支払基金がレセプトのコ ンピュータチェックを強化 適応、用法・用量チェックは平成22年2月から実施済み 1955品目(H22.9月現在) 診療行為と病名(適応が明確化されているもの164項目) 各種処置、生活習慣病管理料、在宅酸素療法指導管理料 今後検査から特定保険医療材料まで拡大予定 医薬品と病名(病名禁忌・併用禁忌など791品目) ボルタレン(消化性潰瘍・アスピリン喘息・妊婦等は禁忌) イトリゾール(オーラップ・ハルシオン・リポバス等と併用禁忌) 今まで査定された事がないけど・・・ 禁忌チェックは目険ではすり抜ける可能性大 院外処方ではもう一つの理由で査定されない 16 審査体制見直しの効果 電 子 化 時 代 の レ セ プ ト 審 査 査定率の前年同月比推移 審査月 H22.12 H23.1 H23.2 査定件数 20%弱 約15% 20%強 査定件数率 20%弱 約15% 15%弱 査定点数 約10% 約10% 10%弱 査定点数率 約10% 約10% 1%強 内訳 医薬品チェックが異常な伸び 間違いなくコンピュータチェックの効果 「支払基金プレスリリース資料より」 17 審査の体制強化3 電 子 化 時 代 の レ セ プ ト 審 査 電子点数表を用いたチェックの開始 平成23年7月審査分から 下記2点について、「1日につき」及び「同一月内」の条 件で判定ができる算定ルー ルを点検するシステム 「包括」に関する算定ルールに対する適合性の点検 (例) 「○○に係る費用は、▲▲の所定点数に含まれる ものとする。」と規定されているもの 「背反」に関する算定ルールに対する適合性の点検 (例) 「△△は、□□を算定している患者については算 定しない。」と規定されているもの 「H23.7.14 支払基金プレスリリース資料より」 18 審査の体制強化で起こるあれやこれや 電 子 化 時 代 の レ セ プ ト 審 査 レセプトの中身だけに留まらない 24年1月から再審査等に係る電子レセプトの画面による 審査(医科・歯科)を開始 厚生労働省へ生活保護医療費データ提供 ① 生活保護受給者のレセプト件数が多い医療機関等、② 生活保 護受給者のレセプト合計点数が高い医療機関等、③ 生活保護受 給者のレセプト1件当たりの点数が高い医療機関等、④ 生活保護 受給者以外の通院日数に比べて生活保護受給者の通院日数が 多い医療機関等、⑤ 全体の請求件数に比べて生活保護受給者 の件数割合が高い医療機関等、⑥ 生活保護受給者以外の請求 点数に比べて生活保護受給者のレセプト1件当たりの点数が高い 医療機関等、⑦ 生活保護受給者の居住地からみて県外受診が 多い医療機関等(それぞれ上位100医療機関)(すべて厚生労働 省から指定されたもの) 個人的に心配・・・酸素加算の届出 未届出は算定要件を満たさないので、減点される可能性有。レセ プトに酸素代が記載されていれば、届出有として審査はする。しか し、厚生局から連絡が来ている届出価格との照合をすることもあり、 19 そこで届出無ということがわかれば減点する(東京基金) レセプトの審査 (対策を練るにはまず敵を知ることから) 審査とレセプトの流れ 審査支払機関 レセプト レ セ プ ト の 審 査 レセプト受付 事務点検・事務共助 保 険 医 療 機 関 保 一次 審査 審査専 門部会 険 返 戻 ・ 増減点連絡書 二次審査 再審査請求 者 支 払 返 戻 ・ 支払調整額通知 レセプト 再審査部会 再審査請求 21 なぜ1年も前のレセが? レセプトの流れ レ セ プ ト の 審 査 レセプトは1ヶ月単位で動いている ①レセプト ③レセプト 保 険 医 療 機 関 ②返戻 ⑥過誤通知 再審査請求 審 査 支 払 機 関 保 ④支 払 険 ⑤再審査請 求 者 22 審査手数料 レ セ プ ト の 審 査 保険者が支払っている 受取り方によって値段が違う 電子レセプト オンライン=医科・歯科:99.4円、調剤:49.6円 電子媒体=医科・歯科:100.7円、調剤:50.9円 紙媒体 レセコン=医科・歯科:111.4円、調剤:61.6円 手書き=医科・歯科:99.4円、調剤:49.6円 「H23.12.26 支払基金プレスリリース資料より」 23 返戻・査定とは 返戻は以下のような理由でレセプトが返送さ れる レ セ プ ト の 審 査 資格喪失 保険証の入力ミス 点数の誤り 診療内容に疑問のあるもの 等 査定=増減点 殆どの場合は減点 ごく希に増点してくれることもある! 24 査定のメカニズム 根本的なこと 保険診療への理解が不充分 レ セ プ ト の 審 査 診療報酬改正への対応不備 療養担当規則等への関連知識不足 レセプト点検の手法 単月点検・縦覧点検・突合審査・横覧点検 非常に多い事例 ケアレスミス 傾向診療 経済査定 25 査定の実例 1)傷病名漏れ ケアレスミスによる漏れ レ セ プ ト の 審 査 「臨床的に当然」なので病名を付けなかった 2)診療報酬上のルール 算定出来ない組合せの検査等 3)レセプト記載上のルール 検査数値等の記載漏れ 「臨床的に当たり前」は要注意! 26 レセプト審査の着眼点 病名漏れ レ セ プ ト の 審 査 薬剤の添付文書の内容 再審査請求をしても 復活の可能性は低い 明細の記載要領 薬剤の適応 検査数値 病名漏れ 検査実施日・前回実 同種・同効薬剤の併用 施日等の記載 内服と頓服 薬剤投与開始日 療養担当規則 禁忌 用法上制限のあるもの 定期的な検査の実施を求 めるもの 内服と注射の併用 外傷のレセプト 縦覧点検(診療の流れを 見る) 検査のスパン・頻度 検査意義 薬剤の投与日数・量(維持 量への減額等) 27 点検調査要綱とは 単月点検調査(抜粋) 点検対象レセプト及び重点点検項目について、傷 レ セ プ ト の 審 査 病名や、傷病名と医療機関の組合せ等により効 果的なレセプト抽出を行い、次の内容に留意した 点検調査を行う。 傷病名等から見て1件当りの診療点数が著しく高いもの 診療内容、請求内容から見て傷病名が著しく多いもの 傾向診療のあるもの(画一的処置、検査、投薬の有無) 診療内容が過剰と思われるもの(各種処置、検査、投薬 および検査材料) 28 点検調査要綱とは 縦覧点検調査(抜粋) 単月点検調査を行ったレセプトについて、保険 レ セ プ ト の 審 査 医療機関単位に、連続した複数月レセプトを有 する者について、原則3か月の縦覧点検調査を 行う。 なお、次の内容に留意した点検調査を行う。 継続した診療内容に関する疑義の有無 漫然と長期にわたる診療内容の有無 診療内容が過剰と思われるもの(各種処置、検査、投 薬および検査材料) 29 カルテとレセプトの関係 カルテ=レセプトでなければならない カルテにあってレセプトに無い レ セ プ ト の 審 査 ⇒ 算定漏れ レセプトにあってカルテに無い ⇒ 不正請求 レセプト=カルテでは無い難しさ 症状詳記などが無いと査定の原因となる 30 査定の真の恐ろしさとは レ セ プ ト の 審 査 査定は単なる減額ではない 審査録の存在 状況によっては不正請求とみなされる 指導・監査へ繋がる危険を孕む 最悪のケースでは過去5年に遡って自主返還 不服の場合は必ず再審査請求を!! 減額されたものが復活 ⇒ 増収 審査員へのアピール ⇒再審査請求書を書くことにより事務員も勉強 31 になる 【参考】指導・監査の方向性 保険医療機関等に対する指導・監査の検証 レ セ プ ト の 審 査 及び再発防止策に関する検討チーム中間 とりまとめ(平成22年12月17日) コンプライアンス及び情報の迅速な共有を徹底 する具体的仕組み 地方支分部局を含めた組織・人事の見直し 内部監察体制等の構築 保険医療機関等に対する指導監査業務の見直 し等 指導監査の在り方に関しての見直し(平成23年度中) コンタクトレンズ検査料の在り方の検討(平成24年診療報酬改 定に向けて) 32 返還の状況 平成22年度の保険医療機関等からの返還額 レ セ プ ト の 審 査 指定・登録取消の状況 保険医療機関等:11機関(対前年度同件数) 保 険 医 等 :13名(対前年度2名減) 特徴 約43億4千万円(対前年度13億1千万円減) 内訳:指導による返還分:約27億3千万円 監査による返還分:約16億1千万円 架空請求、付増請求、振替請求、二重請求がほとんど 取消の発端 保険者・医療機関従事者・医療費通知に基づく被保険者 からの通報が12件と大部分を占める 33 医療費通知について 窓口で負担金を貰ってないから大丈夫? レ セ プ ト の 審 査 無料健診で項目外の検査をしてあげたが・・・ 診療時に請求を忘れた検査項目があった・・・ 医療費通知 保険者から患者様へのレセプト点数の通知 苦情・医療機関への不信のきっかけ・説明責任が重要 一部負担金を貰わないのはそもそも健康保険法違反 保険者の姿勢 医療費削減の一環として強化する傾向 領収書を貰おう運動 ⇒ 領収書・明細書の義務化 医療費通知をさらに踏み込んだ内容の通知を行っている 保険者もある 査定が発生した場合の差額は返金すべきか? 34 支払基金の審査情報(H23.9.26) インテバンSP・インフリー(S)カプセル・ボルタ レンSRカプセル(錠)など 偏頭痛・筋収縮性頭痛に対する処方を認める レ セ プ ト の 審 査 薬理作用が同様 セロクエル錠(細粒)・セレネース錠(細粒・ 注)・ルーラン錠など 器質的疾患に伴うせん妄・精神運動興奮状態・易 怒性に対する処方を認める バルトレックス錠(顆粒) 特発性末梢性顔面神経麻痺(ベル麻痺)に対する 処方を認める など80例が紹介されている35 支払基金の審査情報(H22.6.21) ロキソニン錠・ロキソニン細粒・そのGE 偏頭痛・緊張型頭痛に対しての処方は認められる レ セ プ ト の 審 査 薬理作用が同様 ヒアルロン酸 肝機能障害・肝細胞癌疑い・肝硬変では認められない 肝機能障害では慢性肝炎かどうか明確でない 肝細胞癌は診断の参考にならない 肝硬変の経過観察の参考とならない 慢性肝炎の病名がない肝細胞癌に対する測定は不可 経過観察や治療方針の決定には参考にならない 慢性肝炎の病名が無くても原発性胆汁性肝硬変に対する 測定は可 原発性胆汁性肝硬変は診断時には必ずしも肝硬変とは言えず、 ステージングの参考となる 36 返戻・査定の対策 査定通知が変わります 新たに導入される帳票 突合点検結果連絡書=処方せん内容不一致連 レ セ プ ト の 審 査 絡書 突合点検調整額通知票 突合点検調整額連絡票 一部変更される帳票 増減点連絡書 補正・査定後内容欄に査定のきっかけが記載される – 縦覧点検 – 入外点検 38 返戻・査定を受けたら1 返 戻 ・ 査 定 対 策 内容を把握する 「返戻」なのか「査定(過誤調整)」なのか 増減点事由の確認 1、診療内容に関するもの A:適応と認められないもの B:過剰・重複と認められるもの C:A・B以外の理由から適当と認められないもの D:告示・通知の算定要件に合致しないと認められるもの 2、事務上に関するもの F:固定点数が誤っているもの G:請求点数の集計が誤っているもの H:縦計計算が誤っているもの K:その他 39 返戻・査定を受けたら2 記 号 返 戻 ・ 査 定 対 策 A B C D 区分 審査委 員会の 決定に よる医 学的な 理由に 基づく 査定 文 言 (平成18年11月21日 基審発第136号) 主な概念 療養担当規則等に照らし、傷病名等 療養担当規則等に照 から判断して、使用薬剤の効能、効果、 らし、医学的に適応と もしくは診療行為に医学的有用性が 認められないもの 認められないもの 療養担当規則等に照 らし、医学的に過剰・ 重複と認められるも の 療養担当規則等に照らし、診療内容を 通覧して、薬剤の投与量、投与日数が 医学的に過量であるもの、もしくは診 療行為が医学的に過剰であるもの 療養担当規則等に照 らし、A・B以外の医 学的理由により適当 と認められないもの 診療内容を通覧して、A、Bに該当す るもの以外で告示・通知等に照らし、 医学的に不適当と認められるもの 告示、 告示・通知の算定要 通知に 告示、通知に示された算定要件に、診 件に合致していないと 療行為が合致しないもの 基づく 認められるもの 査定 40 返戻・査定を受けたら3 病名は漏れていなかったか 入力項目は正しかったか 点数表上の回数制限等に抵触していないか 縦覧点検にかかるような内容ではないか 薬剤の添付文書(DI)に記載されている使用方法・ 適応はどうか 療養担当規則に抵触していないか 返 戻 ・ 査 定 対 策 「保険医療費は,医療保険の加入者からの保険料や国 庫補助等によりまかなわれているため,必要性が認め られない診療,また妥当適切でない診療には支払われ るべきではない」 納得のいかない査定には再審査請求を! 41 返戻・査定を受けたら4 返 戻 ・ 査 定 対 策 再審査請求の手続き 再審査請求書に必要事項を記載する 国保・社保で用紙が違う 国保はHPからダウンロード可 社保はOCR用紙なので取り寄せる 医師会によっては複写レセを付けて医師会に提 出する場合も 取り下げ請求 レセプトを一度戻して貰い、修正の後再請求する 手続き 42 返戻・査定の原因別対策1 返 戻 ・ 査 定 対 策 診療報酬の算定ルールによるもの レセプトの記載ルールによるもの 健康保険制度によるもの 臨床的な理由によるもの 43 返戻・査定の原因別対策2 診療報酬の算定ルールによるもの 用語の理解 返 戻 ・ 査 定 対 策 算定要件の再確認 初診と再診 処置の左右 病態が定められているもの 等 病名との整合性=レセプト作成の基本 疑い病名での投薬 ビオフェルミンとビオフェルミンRの適応疾患 ロキソニンの投与方法 アダラートの病名は? 電子カルテ・レセコンの機能活用を! 44 後発医薬品使用促進の弊害 GEへの変更による診療報酬請求上の留意点 先発医薬品と後発医薬品の適応疾患の違いによる 返 戻 ・ 査 定 対 策 査定に注意 日本ジェネリック製薬協会ホームページ参照 http://www.jga.gr.jp/ 薬局さんからの電話に注意 少なくとも対象疾患はチェックしておく 平成24年度診療報酬改定 処方せん様式の変更 45 返戻・査定の原因別対策3 レセプトの記載ルールによるもの 病名漏れ 返 戻 ・ 査 定 対 策 検査の実施日 健康保険制度によるもの レセプト種別 療養担当規則 労災 臨床的な理由によるもの 検査・投薬等と病態との整合性 病気の事を知ろう 46 レセプト作成上の留意事項 レ セ プ ト 作 成 上 の ポ イ ン ト 保険診療・診療報酬の算定ルールについて 正しく理解すること レセプトとカルテはイコールではない 傷病名と診療行為でしか表現できない 「説明不足」であることが多い 臨床の常識とレセプトの常識の乖離・思いこみ 自分が審査員であったらそのレセプトをどう見 るか? 47 症状詳記について レ セ プ ト 作 成 上 の ポ イ ン ト 読みやすさを意識して書く サマリーではないということ 何故その診療行為が必要であったのかその理由を簡 潔に記載する 簡単すぎる場合は返戻され詳細を求められる場 合もある 症状詳記とレセプトの内容が一致するか注意 「患者の希望」、「予防のため」は論外 保険診療をよく理解する 48 信 頼 さ れ る 医 療 機 関 を 目 指 し て まとめ 正しいレセプトはリスクマネジメントに繋がる 医療費通知・領収書・明細書・査定 電子化のメリットの反作用 レセプトの電子チェックの推進 レセコン・電子カルテの機能活用を! 電子カルテを使う医師こそが点数表を読むべき 手書きレセプトの時代に回帰 医療事務職の存在がより重要になる 臨床現場と保険診療の橋渡し役 レセプトは請求書作成という事務作業 医師の診療内容と保険診療のルールのマッチングを 図る 49 ご清聴ありがとうございました 拙著が、じほう社より刊行されました 『患者さんと共有できる外来点数マニュアル 2010年度版』 50
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