経済と株価ー講義② 企業活動と付加価値①・・・GDP上の考察 ・マクロ経済学上の付加価値 ・GDP統計の相互関係 ・GDP統計とは①~③ ・GDPの予測 ・2008年の実質GDP 「経済と株価」の講義予定 企業活動と付加価値 経済統計と株価 ①将来利益の現在価値の意味 ②資金調達方法の違いと企業価値(中立命題など) 株価と投資心理 ①消費関係指標と投資関係指標 ②その他の経済統計 企業価値(バリュエーション) ①会計上の考察・・・終了 ②GDP上の考察・・・本日の講義 ①景気循環と投資家心理 ②株価とコンセンサス 現状の経済と株価 ①サブプライム・ローン問題と世界のマネーフロー ②リーマンショック前後の考察 ③現状の株価動向と経済 マクロ経済学上の付加価値 <フロー統計量> ある一定期間に発生した値 <ストック統計量> 一時点における値 <付加価値> 付加価値とはフロー統計量なので、期間を設定る必要がある。期間には「月次」「四半期」「年次」「年度」な どがある。 付加価値=産出マイナス投入(生産マイナス費用) 支出 最終消費者(家計)の購入・・・500万円 最終消費財売上(パン)・・・500万円 パン屋の付加価値・・・200万円 小麦粉の購入・・・300万円 = 小麦粉の売上・・・300万円 生産 製粉業者の付加価値・・・150万円 小麦の購入・・・150万円 小麦の売上・・・150万円 = 農家の付加価値・・・150万円 パン屋の所得・・・200万円 製粉業者の所得・・・150万円 農家の所得・・・150万円 所得 GDP統計の相互関係 <付加価値> 国内総所得=雇用者報酬+営業余剰+固定資本減耗+(間接税-補助金) 全体の所得=雇用者の儲け(賃金)+企業の儲け+内部留保+政府の純収入 <支出> 国内総支出=家計消費+企業設備投資+住宅投資+政府支出+(輸出-輸入) <生産> 国内総生産=経済活動別の国内総生産 輸出 投資 輸入 企業の儲け=売上-材料等の費用-賃金等 投資 税金 消費 政府支出 政府 税金 海外 GDP統計とは① 以上のように・・・ そもそもGDPとは「国内の付加価値の総額」である。 また・・・ 「国内の付加価値の総額」 =「国内の支出の総額」 =「国内の所得の総額」 これを「三面等価の原則」という。 つまり、「(粗)生産」=「支出」=「所得」が(事後的に は)成り立つ GDP統計とは② 付加価値とは、簡単に言えば 付加価値=働き手の取り分(賃金等)+企業の取り分(営業余剰) また・・・ 「営業余剰」は・・・ ・配当として株主である「家計の懐」へ、そして、「家計消費」へ ・税金として「国の懐」へ、そして、「政府支出」へ ・内部留保は「設備投資など」へ しかも・・・ 賃金等は・・・ ・家計の懐に入り、そして「家計消費」へ、 ただし、「家計消費」にならなかったものは、「貯蓄」を通じて、企 業の「設備投資など」に流れる GDP統計とは③ つまり・・・ 付加価値 ⇒家計消費+政府支出+設備投資など ・・・「国内総需要」=内需 ここで・・・ 総付加価値=内需+外需なので GDP(総付加価値)= 家計消費+政府支出+設備投資など+輸出マイナス輸入 また 「働き手の取り分+企業の取り分」=「企業の利潤」 つまり、付加価値総額は「企業の利潤」が源泉になっている。 利潤=売上―費用 このように・・・ 「企業の利潤」の総額≒GDP GDPの予測 GDPは「企業の利潤の総額」なので、GDPを予測することは企業の利潤 の総額を予測することになる。 また・・・ GDPにおける「三面等価の原則」より GDP=GDI=GDE ⇒家計消費+政府支出+設備投資&住宅投資など+輸出マイナス輸入 GDEの各項目はそれぞれ独立に分析・予測することが可能である。 <各項目の概要> 家計消費←家計における消費支出 政府支出←政府における財政支出 固定資本形成(設備投資)←企業における資本設備への投資 住宅投資←家計における住宅投資 輸出←企業の海外への売上 輸入←海外の国内での売上 2008年の実質GDP(単位:兆円) GDE 556.6 構成比(%) 家計消費 308.7 55.5 政府支出 117.0 21.0 固定資本形成(民間) 89.0 16.0 住宅投資 15.4 2.8 純輸出 26.5 4.8
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