神戸市消防局の取り組み状況 神戸市消防局

平 成 17 年 6 月 17 日
第 1 回神戸 2010 消防基本計画検討委員会
資
料
神 戸 市 消 防局 の 取 り 組み 状 況
現 状 と 課題
神 戸 市 消 防局
N o . 3
目
次
②救命率
③市民救命
1 神 戸 市の 消 防力 ・・ ・・ ・ ・ 2
2 消 防 署の 概 要・ ・・ ・・ ・ ・ 3
8 予防査察の現状と課題・・・・・・19
①建築物の安全確保
②危険物の安全確保
③住宅防火
3 消 防 業務 ・ ・・ ・・ ・・ ・ ・ 4
4 1 1 9の 仕 組み ・・ ・・ ・ ・ 5
5 消 防 の現 状 と課 題・ ・・ ・ ・ 6
①火災対策
②風水害対策
③地震対策
④特殊災害対策
⑤災害時要援護者対策
6
9 地域防災の現状と課題・・・・・・23
①消防団
②防災福祉コミュニティ
10 大規模災害・特殊災害への備え・・26
①東南海・南海地震対策
②国民保護の取り組み
救 助 の 現状 と 課題 ・・ ・ ・・ 1 2
① 救助隊の活動
② 市境、国境を越えての活動
7
救 急 の 現状 と 課題 ・・ ・ ・・ 1 5
①救急需要
-1-
1 神戸 市の 消防 力
●東灘消防署:●青木出張所:●深田池出張所
●灘消防署 :●青谷橋出張所
●中央消防署:●栄町出張所:●山手出張所
●兵庫消防署:●運南出張所
●北消防署 :●北神分署:●有馬出張所:●山田出張所:
消防局
①職員数 1,414 人(火災出動 698 件)
②消防署所 1 0 消防署 1 分署 1 7 出張所
③車両等( 1 ) 消防車等 1 3 4 台
(2)救急車 33 台(予備含)
(3)ヘリコプター2 機
( 4 ) 消防艇 2 隻
消防団
①団員数 4,000 人(火災出動 228 件)
②組織 10 消防団(15 支団)161 分団
③車両等( 1 ) 積載車等 1 8 2 台
(2)小型動力ポンプ 228 台
●ひよどり出張所
●長田消防署:●大橋出張所
●須磨消防署:●北須磨出張所:●板宿出張所
●垂水消防署:●舞子出張所:●塩屋出張所
●西消防署 :●押部谷出張所:●伊川谷出張所
●水上消防署:●六甲アイランド出張所
以上 10 消防署 1 分署 17 出張所
●
●ヘリコプター
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●消防艇
-2-
● ●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●はしご車
●
●
2 消防 署の 概要
(1 )消 防 署 の 基 本 組 織
署
長
副署長
(3 )火 災 の 出 動 (建 物 火 災 の 場 合 )
管理係
毎日勤務
予防査察係
放水隊 4 隊
消防第 1 係
はしご隊 1 隊
消防第 2 係
交替勤務
救助隊 2 隊
救急係
(2 )消 防 隊 ・ 救 急 隊 の 基 本 配 置
本
署
4隊
放水隊
救助隊
救急隊 1 隊
出張所
放水隊
2隊
救急隊
はしご隊
指揮隊・支援隊
救急隊
-3-
3 消防 業務
安
安心
心し
して
て暮
暮ら
らし
し働
働け
ける
るま
まち
ち
消
防
○火災の警戒、鎮圧により、
生命・身体・財産を保護
○風水害・震災対策等
救
助
救
○災害危険を排除し、安全
状態に救出
-4-
急
○事故や急病等による傷病
者に応急処置を施し医療
機関に搬送
予
防
○建築物の安全確保
○危険物の安全確保
○住宅防火対策等
4 119 の 仕 組 み
(1 )119 通 報 の 仕 組 み
(2 )119 指 令 業 務 の 概 要
○指令業務
火災,救急,救助その他災害の緊急通報を受信し、出動を指令す
ること。
消防部隊の編成,統制及び運用を行うこと。
災害現場への情報支援及び災害時の各種情報収集を行うこと。
○119通報件数(平成 16 年)
141,324 件(訓練テストによる通報は除く)
1 日あたり平均 387 件
○消防・救急部隊の統制と運用
平常時 消防・救急部隊 85 隊(全消防署・分署・出張所)
○消防・救急部隊出動件数(平成 16 年)
火災出動件数
698 件、 5,511 台、 20,492 人
水災出動件数
479 件、
542 台、 2,154 人
救急出動件数
65,643 件、65,643 台、196,929 人
その他災害出動件数
1,504 件、 4,589 台、 17,334 人
その他出動件数(誤報、応援等)3,081 件、 7,474 台、 27,466 人
-5-
●消防管制室
5 消防の現状と課題
①火災対策
②風水害対策
③地震対策
④特殊災害対策
⑤災害時要援護者対策
-6-
① 火 災対 策
○火災は 700~800 件/年
○火災による被害額は 150 万/件
○出火原因の 1 位は放火
件
300
百万円
1,200
2,000
278
主な出火原因
256
250
1,000
1,500
200
800
600
1,000
150
500
100
14年
199
105
400
101
77
200
0
H7
H9
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
973
798
696
698
725
782
811
742
672
698
23,429
1,575
1,301
954
1,186
1,153
854
982
1,057
1,069
火災件数
損害額
H8
0
H13
H14
90
56
28
45
37 31 39
0
放火
たばこ
○放火防止の取り組み
ア.平常時の対応
○放火されない環境づくり
○関係機関への要望
出火率
6.0
70 72
16年
50
○出火率(人口 1 万人あたり出火件数)はやや高水準
7.0
15年
H15
5.0
こんろ
たき火
火遊び
○放火火災防止PR
4.0
イ.連続放火発生時の対応
○放火火災防止重点地区の指定 ○放火火災防止対策会議
○パトロール体制の強化
⇒ 情報共有、放火防止対策の検討
消防・警察及び地域住民等一体となった監視体制の強化
3.0
2.0
1.0
0.0
戸
神
市
幌
札
市
台
仙
市
葉
千
市
別
特
区
浜
横
市
崎
川
市
古
名
屋
市
京
都
市
大
阪
市
広
島
市
九
北
州
市
福
岡
市
-7-
② 風 水害 対策
(1)過去の災害事例
梅雨前線豪雨
S13.7.3~5
梅雨前線豪雨
S36.6.24~27
昭和 42 年 7 月
豪
雨
S42.7.9
平成 16 年 10 月
台風 23 号
H16.10.20~21
概 要
梅雨状態の上に 5 日に 269 ミ
リの豪雨が降り、六甲山系で
山津波が発生、全市に被害が
発生した。
昭和 13 年より総雨量は上まわ
るも、時間雨量は超えず、土
砂流出による局地的被害が発
生した。
台風崩れの低気圧に刺激され
た梅雨前線が記録的な集中豪
雨を降らせ、市内河川の氾濫、
家屋倒壊等が発生した。
人的被害
死者:616 人
家屋被害
全壊:2,213 戸
負傷者:1,011 人 半壊:6,440 戸
死者:26 人
全壊:135 戸
負傷者:33 人
半壊:253 戸
死者:84 人
負傷者:35 人
人的被害をはじめ、家屋等の
全 半 壊 や市 街地 の 浸水 、 河 死者:24 人
川・道路等の損壊など広範囲 重傷者:16 人
で甚大な被害をもたらした。
気象状況
雨量:461.8mm
雨量:472.1mm
全 壊 :361( 流 失
含む)
その他
時間雨量
60.8mm
時間雨量
44.7mm
1 時間
雨量:319.4mm
半壊:376
最大雨量
75.8mm
全壊:67 棟
半壊:319 棟
↑神戸市における被害
(神戸市地域防災計画より)
← 兵庫県における被害
(兵庫県資料より)
● 平 成 16 年 10 月 豊 岡 水 害
(2)風水害対応
情報 収集
気象警報・注意報
パト ロール
警
災害対応
戒
水防工法
広 域 災害 対応
降雨情報
河川水位把握
救助・救急
河川水位・潮位情報
住民広報
避難勧告
-8-
広域応援
③ 地 震対 策
(1 )平 成 7 年 兵 庫 県 南 部 地 震 の 概 要
(3 )主 な 震 災 後 の 取 り 組 み
○防災福祉コミュニティの育成
(1) 発生日時
平成 7 年 1 月 17 日午前 5 時 46 分
(2) 震源
淡路島(北緯 34゜36' 東経 135゜02')
(3) 震源深さ
約 16km
○市民救命士の充実と育成
マグニチュード 7.3
・養成者数 240,000人(平成17年3月末)
(4) 規模
・結成地区数
185地区(平成17年3月末)
※平成 13 年 4 月 23 日気象庁の見直しに伴い、マグニチュード 7.2 より修正
(5) 震度
震度 6(一部地域で震度 7)
(6) 特徴
横揺れと縦揺れが同時に発生
○広域応援体制の充実
・緊急消防援助隊への参加(平成7年9月)
・消防相互応援協定の締結(平成8年4月)
(2 )平 成 7 年 兵 庫 県 南 部 地 震 の 概 要
○人的被害
○消防ヘリ運用の充実
・死亡者 4,571 人(H12.1.11)
・ヘリ365日稼動体制(平成8年4月)
・不明 2 人
・共同運航によるヘリ常時2機体制
・負傷者 14,678 人(H12.1.11)
(平成16年4月)
・高齢者(60 歳以上)が死亡者の約 58% ※
・家屋倒壊による死者多数(窒息・圧死が全体の約 73%)※
○車両・資機材の充実
※高齢者、家屋倒壊による死者の割合は、平成 7 年 8 月 31 日現在(死者 4319 人)での割合
の導入(平成7年12月)
○物的被害
・全壊 67,421 棟、半壊 55,145 棟(H7.12.22 現在)
○消防水利、情報通信システムの充実
・全焼 6,965 棟、半焼 80 棟、部分焼 270 棟、ぼや 71 棟
・延べ焼損面積
・10トンタンク車、大容量送水システム(ホース延長車、大容量ポンプ車
819,108㎡
○指揮体制・消防体制の充実
・火災件数 175 件(震災とほぼ同時に 54 件発生)
・本部指揮隊の発足、専任救助隊の増隊
-9-
④ 特 殊災 害対策
(1 )特 殊 災 害 と は
ア. 特殊な物質に よる災害
○危険物
○放射性物質
○ガス
○火薬類
○毒物・劇物
イ. 特殊な施設・ 設備等によ る災害
○電気設備
○危険物積載車両
○船舶
○トンネル、洞道
○航空機
(2 ) 特 殊 災 害 隊 ( ハ ズ マ ッ ト KOBE)
ア. 役 割
化学物質や放射性物質等に起因する災害に際し、物質の分析
や測定を行い、現場の安全管理を図るとともに、除染により二
次災害を防止する。
イ .対応能力
分析・測定装置:赤外分光分析装置
ガスクロマトグラフ質量分析機
汚染防止:除染シャワー
防護服:陽圧式防護服、密閉式防護服、サラトガ型防護服
(下記写真左から順に)
ウ . 特 殊 空 間 ( 環 境 )に よ る 災 害
ウ.配備 状況
中央消防署 1 隊
西消防署、北消防署各 1 隊(方面特殊災害隊)
○圧気工事現場
○酸素欠乏現場
●有害物質漏洩現場での活動
●除染シャワー
- 10 -
● 特 殊 災 害 隊 (ハ ズ マ ッ ト KOBE)
⑤ 災 害時 要援護 者 対策
(1 )災 害 時 要 援 護 者 対 策 の 現 状
ア. 災害時要援護 者とは
高齢者や障害者、外国人など、災害時の避難行動などにおい
て、何らかのハンディがあり、まわりの人の手助けを必要とす
る人
(2 )災 害 時 要 援 護 者 対 策 の 課 題
ア. 高齢化社会へ の対応
○昨年は、多くの高齢者が水害等で犠牲となり、災害時の要援
護者対策が急務となっている。超高齢社会における、災害時
要援護者への対応は、福祉・消防行政にとっても重要な課題
である。
イ. 早期通報対策
○ケアライン119の設置
(ひとり暮らしの高齢者、重度身体障害者等で緊急事態に機敏
に行動することができない方等を対象)
○聴覚障害者の緊急通報用ファクシミリ
イ. 広域災害時の 災害弱者( 要援護者) 避難対策
○大規模な災害発生時に、災害弱者(要援護者)が安全な場所
に避難できるよう、避難対策を進める必要がある。
ウ. 避難対策・ 出火防止対策
○設備指導:2 方向避難路の確保、階段等の滑止、手すりの
設置、出入口等の段差解消
○出火防止対策:防炎カーテン、防炎寝具類、自動消火装置
付器具、安全調理器具の普及指導
エ. ソフト面の対 策
○あんしんひと言作戦
○外国人向けパンフレットによる広報
○防災福祉コミュニティの育成
○防火講習会により、出火防止と火災時の避難を指導
○安心カードの配布
●救護訓練
- 11 -
6 救 助 の現 状と 課 題
① 救 助隊 の活動
②市境、国境を越えての
活動
- 12 -
① 救 助隊 の活動
(3 )救 助 理 由 と 救 助 人 員
(1 )救 助 隊 の 種 類
○専任救助隊(救助活動を専門に実施する隊):5 隊
○兼務救助隊(救助隊とポンプ隊を兼務する隊):6 隊
○航空救助隊(ヘリコプターを活用して救助する隊):2 隊
主な救助理由(H15)
120
120 人
120
111
100
80
61
(2 )救 助 対 応 力
分
60
類
一般救助
人命検索
重量物の排除
破壊・切断
水難救助
山岳救助
対応内容
火災逃げ遅れ者の救助
積載資機材
障害となる重量物の除去
32
30
20
0
熱画像直視装置他
災
火
油圧ジャッキ
救
助
交
通
故
事
水
難
故
事
風
水
事
害
故
閉
EV
マット型空気ジャッキ他
水難(救助)者の救助対応
空気鋸、エンジンカッター他
潜水器具、水中通話装置
救命ボート、救命浮環他
山岳遭難(救助)者の救助対 登山器具一式
応
環境測定
ガス等濃度測定
隊員保護
救助隊員の保護
バスケット担架他
有毒ガス測定器
放射線測定器他
空気呼吸器、耐熱服
●水難救助訓練
放射線防護衣他
- 13 -
込
室
内
込
閉
岳
山
救
助
落
転
事
故
●交通事故救助現場
救助に障害となる物の破壊 削岩機、大型油圧切断機
及び切断
15
12
空気式救助マット他
火災や夜間の要救助者の検 地中音響探知機
索
33
40
かぎ付はしご
の
そ
他
② 市 境、 国境を 越 えて の活動
(1 )応 援 協 定 等 の 種 類
○隣接応援協定(隣接市町村間で締結されるもの)
○広域応援協定(都道府県単位で締結されるもの)
○緊急消防援助隊制度(全国規模の応援体制)
○国際消防救助隊への登録(世界の大規模災害に対して、国内の登録
隊員を海外へ派遣するもの)
(2 )神 戸 市 の 救 助 隊 が 派 遣 さ れ た 主 な 災 害
派遣年月
平成 3 年 5 月
災害
バングラデシュ・サイク
ロン災害
平 成 11 年 8 月
トルコ共和国地震災害
平 成 13 年 7 月
明石花火大会歩道橋事故
平 成 16 年 7 月
福井豪雨災害
応援協定等の種類
国際消防救助隊
●国際消防救助隊の活動状況(トルコ共和国地震災害)
国際消防救助隊
隣接応援協定
緊急消防援助隊
平成 16 年 10 月 豊岡市水害(台風 23 号) 兵庫県広域消防相互応援協定
平 成 17 年 4 月
尼崎 JR 列車事故
兵庫県広域消防相互応援協定
● JR 列 車 事 故 に お け る 救 助 活 動 の 様 子
- 14 -
7 救急 の現 状と 課 題
① 救 急需 要
② 救 命率
③ 市 民救 命
- 15 -
① 救 急需 要
(1)救 急 需 要 は 毎 年 5% 増 加
(2)社 会 の 高 齢 化 に 伴 う 需 要 の 伸 び 、 軽 症 事 案 の 増 加 、 レ ス ポ ン ス タ イ ム 遅 延
件
50%
45%
40%
35%
30%
25%
20%
15%
10%
5%
0%
救急件数
70,000
65,643
63,867
60,498
60,000
59,040
45,834
38,314
30,841
43%
50,000
37%
40,000
30%
30,000
24,555
25%
17,030
20,000
11,660
7,551
10,000
0
S63
56,104
H5
65歳以上構成比
53,032
60,000
56,858
H10
H15
65歳以上人数
搬送人員数
52,644
50,712
50,000
大
100%
最緊急
90%
46,821
80%
緊
急
70%
46,449
60%
緊
急
性
40,000
50%
準緊急
40%
30%
20%
10%
小
30,000
H7
H8
H9
H10
H11
H12
H13
H14
H15
不
0%
S63
H16
- 16 -
急
H5
H10
H15
② 救 命率
救急救命士の導入効果
1,200
70
1,016
1,000
800
870
872
833
53
750
716
60
927
863
61
51
34
400
40
37
36
50
①救急車に 2 名乗車
66
44
600
救急救命士の運用
985
② メディカ ルコントロール体 制 (医 師 の
30
26
20
200
指示)下の活動
10
0
0
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
全ての心肺停止患者数
平成13年
平成14年
平成15年
③処置範囲の拡大
平成16年
気管挿管(H17.6~)
うち1ヶ月後の生存者
薬剤投与(H18.4~)
課 題
①救急需要増大に伴うレス
ポンスタイムの遅延
⇒救命率へ悪影響
●救急事故現場
●ヘリ救急
●気管挿管
- 17 -
③ 市 民救 命
家族等の応急手当実施状況
350
300
263
244
250
265
298
289
274
25
24
24
20
19
200
150
30
320
160
15
15
15
110
14
16
10
100
6
50
5
4
0
0
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年
心肺停止患者に対して応急手当が行われた傷病者数
平成14年
平成15年
平成16年
うち1ヶ月後の生存者
市民救命士の養成
①多様な養成方法
(1)出前講習
(2)中学校総合学習
(3)市職員講習 等
②養成数(H5~H16)
240,000 人
③救命率(H15)
神戸市 8.1%
全 国 4.3%
AED(自動体外式除細動器)
①救命効果は心停止から、
1 分経 過で 7~ 10%低下
⇒市民の使用が認可(H16.7)
●市民救命士講習会
●AED(自動体外式除細動器)
- 18 -
「まちかど救急ステーション」の取り組み
8 予防査察の現状と課題
① 建 築物 の安全 確 保
② 危 険物 の安全 確 保
③ 住 宅防 火
- 19 -
① 建 築物 の安全 確 保
(1 )建 築 物 の 安 全 確 保
一定規模以上の多数の者が出入りする建築物については、消防法
に基づき火災予防上の観点から、ハード、ソフトの安全対策
○ハード対策:建築同意、防災計画書
○ソフト対策:防火管理、自衛消防体制
(4 )建 築 物 へ の 査 察
既存防火対象物の立入検査を実施し、防火管理(ソフト)面、
また構造、消防用設備等(ハード)面について、防火安全上の観
点から是正指導
(5 )違 反 処 理
○違反処理とは
是正指導に応じない場合に行政処分等により消防法違反を是正
(2 )防 火 管 理 ( ソ フ ト 対 策 )
○防火管理者の選任:建築物の管理者が資格者を選任し届け出
○自主防火管理:防火管理計画、消防用設備の点検、消防訓練
⇒ 日 常 時 、 火 災 時 に 防 火 管 理 者 等 を 中 心 に 自主 的 な 防 火 管 理 を 行
う
(3 )建 築 同 意 ( ハ ー ド 対 策 )
建築確認(着工前)に際し、建物の構造、消防用設備等の設置に
ついて、防火安全上の観点から、指導するとともに、使用開始前
の検査により安全を確保する。
○生活安全情報の提供
是正命令をした危険な建築物は、標識の設置※やインターネット
によりビル名等を公表(※別図参照)
○小規模雑居ビルの対応
自動火災報知設備の設置期限が間近(H17.10.1 迄、484 対象)
防火対象物点検未実施の雑居ビル(H17.3 末現在 224 対象)
○査察及び違反処理の状況
⇒建 築物の着工前 段階からの 安全確認
●公告標識
- 20 -
年 度
査察件数
警告件数
命令件数
平成 14
5,359
62
25
平成 15
5,137
146
80
平成 16
6,065
547
69
② 危 険物 の安全 確 保
(1 )危 険 物 の 安 全 確 保
消防法では、火災危険性が高い物品を危険物として指定し、火
災予防上の観点から、その貯蔵・取扱い及び運搬について規制
○ハード対策:危険物施設等の許認可及び検査
○ソフト対策:危険物保安監督者、危険物施設保安員、自衛消
防体制
(2 )危 険 物 施 設 数
許可施設数 3,646 施設
(製造所 28 貯蔵所 2,612 取扱所 1,006)
届出施設数 8,913 施設
(少量危険物 7,710 指定可燃物 1,203)
(3 )危 険 物 事 故 の 状 況
全国的に危険物施設の火災、漏洩事故が増加傾向
平成 15 年十勝沖地震によるタンク火災等、大規模な事業所に
おける企業災害が続発
(4 )危 険 物 施 設 の 耐 震 対 策 の 推 進
既存の 500kℓ以上の屋外タンク貯蔵所について、法令に基づい
た計画的な改修及び国通知等を踏まえた危険物施設の耐震対策
を推進
(5 )自 主 保 安 体 制 の 推 進
危険物施設の個々の状況や潜在危険性に応じた、きめ細かな対
策が必要であり、法令等の改正を通じて、事業所の実態に応じた
自主的な保安対策を推進
(6 )石 油 コ ン ビ ナ ー ト の 防 災
○特別防災区域の指定
特に大量の石油又は高圧ガスを貯蔵、取扱う地域について石油コ
ンビナート等災害防止法に基づいて、石油コンビナート等特別防災
区域に指定
神戸地区石油コンビナート等特別防災区域
東部地区(ケミカル原料、食用油の製造)
灘浜地区(製鉄)
西部地区(油槽基地)
○自主防災体制
自衛消防組織の設置
大型化学消防車等の整備
オイルフェンス、オイルマット、油処理剤の配備
●タンク火災
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③ 住 宅防 火
(1 )焼 死 者 の 発 生 防 止
(2 )住 宅 用 防 災 機 器 の 設 置 な ど ハ ー ド 面 の 施 策
○神戸市内の建物火災の死者は、約 90%が住宅火災で発生。
○住宅用火災警報器の設置促進
○住宅火災による死者のうち 7 割近くが「逃げ遅れ」による。
○住宅用強化液消火器の普及
○米国では、住宅用火災警報器の設置義務化に伴い、住宅火災
○住宅用スプリンクラー設備、防炎物品などの住宅用防災機器の
による死者数が 1970 年代の 6,000 人程度から近年では 3,000
普及啓発
人程度に半減(下グラフ参照)。
○感震ブレーカーによる電源遮断
○住宅火災による死者発生率の抑制効果は、住宅用火災警報器
等の設置の有無により、およそ 3.4 倍程度(右下グラフ参照)。 (3)市民に住宅火災を訴える広報などソフト面の施策
○防火講習会等の実施
○各種広報物の作成・配布
(家庭防災マニュアル、住宅防火広報ビデオ・パンフレット)
○各種広報メディアの活用
(広報こうべ、広報誌「雪」、ラジオ関西「ダイヤル119」、ホ
ームページ等)
● 住 宅 火 災 100 件 あ た り 死 者 数 の 比 較
●米国の住宅用火災警報器の普及率と住宅火災による死者の推移
(平成 15 年消防審議会答申資料)
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●住宅用火災警報器
9 地域 と消 防の 現 状と 課題
① 消 防団
② 防 災福 祉コミ ュ ニテ ィ
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①消防団
(1 )消 防 団 の 概 要
○消防団とは(消防組織法第15条)
消防団の設置、名称及び区域は、条例で定める。
消防団の組織は、市町村の規則で定める。
○消防団の組織等
昭和 22 年 11 月 25 日 18 消防団 5,425 人の定員で発足
10 消防団 15 支団 161 分団 164 班 4,000 人
○消防団の業務
【平常時】
防災福祉コミュニティへの参画及び訓練指導
市民救急の普及と応急処置の実技指導
【通常災害時】
火災現場における消火・救出・救助活動
○消防団の出動状況(平成 16 年)
災害出動 477 件
(内訳)火災 228 件
水災 143 件
訓練等 14,448 件
(内訳)警戒 1,947 件
他 9,968 件
訓練
2,227 件
その他
106 件
訓練指導
306 件
その
(2 )新 時 代 の 消 防 団 に 向 け て
○消防団の組織
分団数及び区域のあり方
(これまで昭和 36 年、58 年、61 年に組織の見直しを実施)
○消防団員の確保
消防団員のサラリーマン化
ニュータウンにおける消防団のあり方
女性団員の定員拡大
○消防団員の業務及び研修
【大規模災害時】
大量動員による救出・救助活動
防災福祉コミュニティの活動指揮
○消防団員の処遇改善
○消防団の施設及び装備の整備
●訓練指導を行う消防団
●消防ポンプ取り扱い訓練
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② 防 災福 祉コミ ュ ニテ ィ
(1 )防 災 福 祉 コ ミ ュ ニ テ ィ の 概 要
(2 )防 災 福 祉 コ ミ ュ ニ テ ィ 活 動 の 継 続 と 活 性 化
○防災福祉コミュニティとは
市民、事業者、行政とが協力しあって、安全で安心して暮らせ
るまちづくりを進めるため、日頃地域で行なわれている祭や自治
会、福祉活動など、日常の生活を通して助け合いの心や絆を深め、
自主防災活動に積極的に取り組むコミュニティ
○幅広い防災リーダーの育成
各層の人材確保
○若年層の参加
次代を担う人材の育成
○地域との連携
地域の防災活動を通じて地域連携を強化
○事業所の参画
大規模災害発生時の帰宅困難者支援等
○災害時における要援護者の避難対策
個人情報の共有とプライバシー保護の問題
○事業展開
原則、小学校区ごとに全市展開
185地区結成済(平成 17 年 3 月末現在)
○組織構成
ふれあいのまちづくり協議会、自治会、婦人会、消防団、子ど
も会、企業等
○活動内容
防災訓練、資機材の点検、放火防止パトロール、コミュニティ
安全マップの作成等
● 訓 練 (バ ケ ツ リ レ ー )
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1 0 大 規模 災害 へ の備 え
① 東 南海 ・南海 地 震対 策
② 国 民保 護の取 り 組み
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① 東 南海 ・南海 地 震対 策
(1 )東 南 海 ・ 南 海 地 震 に つ い て
東南海地震は、遠州灘西部から熊野灘の海底を、南海地震は紀伊
半島の南側から土佐湾の海底を震源とするマグニチュード(M)8
を超える巨大地震。国では、今後30年間の発生確率を、東南海地震
が60%程度、南海地震が50%程度と予測。
(2 )津 波 へ の 備 え
津波に備える範囲を下記のとおり指定している。
①津波避難対象地区:県の調査等から津波時に浸水の可能性が高
いため、津波が発生した場合は、速やかに避難する必要のある
地区
②津波警戒地域:想定津波による最高潮位よりも地盤が低い(標
高2.5m 以下)ため、津波への警戒意識を持ち、津波に備える
地区
(3 )地 域 の 取 り 組 み 状 況
○地域津波防災計画書の作成
神戸市津波防災対策検討会を立ち上げ、防災福祉コミュニテ
ィや地元事業者等に対して説明会を実施。下記地区において、
地域津波防災計画書を作成した。
東灘区:「東灘小学校区」、「本庄地区」、「魚崎地区」
兵庫区:「和田岬校区」、「明親校区」
○啓発ビデオ
市内全防災福祉コミュニティに「南海地震対策ビデオ」を配布
○防災福祉コミュニティ訓練
長田区「駒ケ林地区」では防潮扉閉鎖および避難訓練を実施
東南海・南海地震等の歴史(地域防災計画から抜粋)
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② 国 民保 護の取 り 組み
(1 )国 民 保 護 に 関 す る 措 置 の 仕 組 み
(2 )期 待 さ れ る 役 割
○消防の役割【国民保護法】
第62条(市町村長による避難住民の誘導等) 市町村長は、その
避難実施要領で定めるところにより、当該市町村の職員並びに消
防長及び消防団長を指揮し、避難住民を誘導しなければならない
第97条第7項(武力攻撃災害への対処) 消防は、その施設及び人
員を活用して、国民の生命、身体及び財産を武力攻撃による火災
から保護するとともに、武力攻撃災害を防除し、及び軽減しなけ
ればならない。
※「武力攻撃災害」とは、武力攻撃により直接又は間接に生ずる人の死亡又は負傷、
火事、爆発、放射性物質の放出その他の人的又は物的災害をいう。
○国民の協力
消防団及び自主防災組織の充実・活性化
○消防庁及び地方公共団体は、地域住民の消防団への参加促進、
自主防災組織の核となるリーダーに対しての研修等を通じて消
防団及び自主防災組織の活性化を推進し、その充実を図るととも
に、国民保護措置についての訓練の実施を促進するよう努めるも
のとする。
○消防庁及び地方公共団体は、消防団及び自主防災組織が行う消
火、救助、救援等のための施設及び設備の充実を図るよう努める
ものとする。
(国民の保護に関する基本方針
5国民の協力
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第1章「国民の保護のための措置の実施に関する基本的な方針」
(2)消防団及び自主防災組織の充実・活性化から抜粋)