3.洪水流出抑制関係 - 九州大学伊都新キャンパス

3.洪水流出抑制関係
参 3-1
3.1 福岡市との協議資料
参 3-2
協議資料
3.防災調整池計画
基本的な考え方
開発により増加する雨水流出量を下流河川等へ影響を与えない範囲まで抑制することを目的として防災調
整池を設置するものとする。防災調整池の計画にあたっては、
「福岡市開発指導技術基準」及び「大規模宅地開
発に伴う調節池等技術基準(案)
、(社)日本河川協会」に準拠することとする。
なお、九州大学新キャンパスは、敷地面積 275ha のうち約 140ha が研究教育施設や農場、運動施設等の用地
なお、Ⅳ工区については、水崎川の整備予定年度(平成 21 年度)とほぼ同時期の造成を予定しているため、
造成時点の河川、下水道の整備状況を踏まえて設計条件(許容放流量)を確定するものとする。
また、上記以外のⅠ工区及びⅢ工区については、既に造成済み若しくは造成中であることから、現在福岡
市土地開発公社による実施協議に基づくものとする。
以下に、Ⅱ工区及びⅣ工区の設計条件を示す。
として宅盤造成を予定しているが、これ以外の区域は保全緑地(約 100ha)や造成法面等であり、開発後の流
出係数や流出量も開発前と同等と考えられる※ことから、防災調整池によって流出抑制を行う区域(排水区域)
から除くものとする。ただし、保全緑地や造成法面であっても地形上の制約から防災調整池流域に含まれる区
域については、当該区域からの流出量を防災調整池容量に含めて検討するものとする。
※防災調整池の計画は合理式により行うこととされているが、この計算方法は、最大流出量が降雨強度と直線
関係にあることが前提となっている。この仮定に比較的近い流出特性を示す流域として、一般的には降雨の
浸透や凹地貯留の少ない市街化された流域があげられる。このことを、山地等において考えると、樹幹や表
層土壌が既に飽和している状態を想定していることに相当し、この場合の流出率は斜面勾配や地盤の透水係
数により規定されるものと考えられる。したがって、造成によって生じる法面等が宅盤とは異なり緑化等を
施すこと基本としていることから、表層土壌飽和状態での浸透能力は森林の状態とほぼかわらず、流出係数
及び流出量も造成前と同等と評価できる。
調整池設置場所の検討
調整池の配置は、現地形及び造成計画に基づき、現在の流域を極力変更しないよう、かつ有効敷地として整
備する区域からの流水を全て集水できるように配置するものとする。
計画条件
<Ⅱ工区>
調整池の対象降雨強度
5 年確率r5=485.16/(t0.55+0.93)
流
数
造成部分 0.9
量
水崎川の現況流下能力から設定
洪 水 調 節 方 式
オリフィスによる自然流下方式
調 整 容 量 算 定 式
貯留追跡法による数値計算
許
出
容
係
放
流
:福岡県河川課より
残地 0.7
<Ⅳ工区>
調整池の対象降雨強度
5 年確率r5=485.16/(t0.55+0.93)
流
数
造成部分 0.9
量
造成時点の下流水路及び水崎川の流下能力から設定
許
出
容
係
放
流
:福岡県河川課より
残地 0.7
洪 水 調 節 方 式
オリフィスによる自然流下方式
調 整 容 量 算 定 式
貯留追跡法による数値計算
a)設計条件
平成 8 年の当初協議では、下流河川である水崎川河川改修事業が明確になっていなかったことから、下流
※ 上記設計条件にける降雨強度式については、福岡県作成の 3 年確率式及び 5 年確率式、福岡市作成の 5 年
域への安全性を重視し、30 年確率降雨強度を外力として、現況の河川流下能力(比流量)以下の流出量に抑
確率式それぞれの降雨強度式を比較検討した結果、到達時間内降雨強度が中間的な値を示す福岡県 5 年確
えることを設計条件としていた。
率式を用いた。なお、福岡県作成の降雨強度式については、対象とする調整池流域が比較的小規模である
しかし、平成 10 年 4 月に水崎川が2級河川に格上げになり、河川改修事業が本格的に動きはじめたこと
から、今後造成予定のⅡ工区及びⅣ工区に関しては、外力条件を「大規模宅地開発に伴う調節池等技術基準
(案)第 10 条」にしたがって見直すこととした。
大規模宅地開発に伴う調整池技術基準(案) 第 10 条 洪水調節容量の算定方法 その1
調整池の洪水調節容量は、宅地開発の行われた後における洪水のピーク流量の値を、宅地開発の行われる前におけるピ
ーク流量の値まで調節するために必要とする容量を持つことを基本とし、次の条件を満足させなければならない。
(1) 洪水の規模が年超過確率で 1/3 洪水までは、宅地開発後における洪水のピーク流量の値を、調整池下流の現状にお
ける流下能力の値まで調節すること
(2) 洪水の規模が年超過確率で 1/30 の洪水に対して宅地開発後における洪水ピーク流量の値を、開発前のピーク流量の
値まで調節すること。
(3) 調整池下流の流下能力の値が、開発前年超過確率 1/3 洪水のピーク流量の値より大きい場合は、その流下能力の値
に相当する開発前の洪水の年超過確率をもって上記(1)の年超過確率 1/3 に代えるものとする。
こと及び計画上の安全性を考慮し、短時間降雨強度式を採用した。
福岡県 3 年確率式:r3=421.11/(t0.55+0.83)
到達時間内降雨強度:82.6mm
5 年確率式:r5=485.16/(t0.55+0.93)
到達時間内降雨強度:93.3mm
0.6
福岡市 5 年確率式:r5=710/(t +2)
到達時間内降雨強度:103.3mm
b)許容放流量
許容放流量(Qn)は、下流河川の流下能力より求めた比流量(q)と調整池流域面積(a)の積により求
めるものとする。
Qn=q・a
q(現況)=0.004m3/s/ha
参 3-3
4. 調整池の諸元(洪水調節容量等:堆砂容量及び利水容量を除く)
①「福岡市開発指導技術基準」
②「砂防指定地及び地すべり防止区域内における宅地造成等の大規模開発基準(案)
」
河川
流域名
造成工区
Ⅱ工区
水崎川
Ⅰ工区
調整池
番号
1号
0.004
32.74
0.870
0.130
54,000
2号
0.004
14.26
0.855
0.057
23,000
3号
0.004
20.90
0.884
0.084
53,618
16.43
0.824
0.066
25,000
8号
0.004
7.52
0.894
0.030
13,000
9号
0.004
6.01
0.809
0.024
9,000
-
97.86
-
0.391
変更協議
河川
流域名
造成工区
4号
0.116
36.31
0.860
3.549
15,725
Ⅲ工区
5号
0.116
31.34
0.854
3.143
19,354
-
67.65
-
6.692
35,079
0.026
20.95
0.830
0.356
33,603
6号
合計
-
186.46
-
7.439
調整池
流域面積
番号
(ha)
最小比流量
(m /sec/ha)
1号
32.74
2号
14.26
当初協議
洪水調節容量
調整池
流域面積
(m )
番号
(ha)
(m /sec/ha)
(m3)
0.004
54,000
1号
18.5
0.004
42,300
0.004
23,000
2号
14.6
0.004
36,500
3
3
3号
177,618
Ⅰ工区
Ⅲ工区
5.当初協議(H8.11)との比較
Ⅱ工区
小計
杉山川
平均
許容放流量 洪水調節容量
流出係数
3
3
(m /sec)
(m )
(ha)
0.004
③「林地開発行為に係る技術的基準」
計算結果
3
小計
大原川
調整池
流域面積
(m /sec/ha)
7号
Ⅳ工区
現況
最小比流量
水崎川
4号
Ⅰ工区
Ⅳ工区
小計
246,300
大原川
:整備済み及び整備中の調整池
Ⅰ工区
Ⅲ工区
小計
杉山川
※Ⅳ工区の調整池(7、8,9 号)は、許容放流量、洪水調節容量ともに水崎川の現況最小比流量をもとに仮の
Ⅲ工区
3号
20.90
0.004
53,618
7号
16.43
0.004
25,000
8号
7.52
0.004
13,000
9号
6.01
0.004
9,000
-
97.86
-
4号
36.31
5号
19.9
最小比流量
3
0.004
0.004
洪水調節容量
48,200
5号
21.3
0.004
52,600
177,618
-
-
179,600
0.116
15,725
6号
74.3
11.0
0.116
5,700
7号
33.4
0.116
14,200
31.34
0.116
19,354
8号
29.7
0.116
17,500
-
67.65
-
35,079
-
74.1
-
37,400
6号
20.95
0.026
33,603
9号
20.6
0.026
12,500
小計
-
20.95
-
33,603
-
20.6
-
12,500
合計
-
186.46
-
246,300
-
169.0
-
229,500
数字として算定している。
※調整池の整備容量は、上記の洪水調節容量の他、利水容量1)及び堆砂容量2)を考慮して設定する。
1)利水容量
1号調整池に 56,000m3 程度の利水容量を確保することが必要であるが、容量の整備は圃場(水田)
の供用開始時期に合わせ現地盤からの掘り下げにより行うこととする。なお、確保すべき利水容量
※当初協議時点から現在に至る間において、造成計画が変更となったため調整池の数、調整池番号及び配置は
当初計画と異なっている。
(次頁以降の図面参照)
※当初協議ではⅣ工区の造成及び調整池計画が未定であったため、別途協議扱いとなっていた。
については、今後精査が必要。
2)堆砂容量
沈砂池は調整池と一体構造とし、設計堆砂量を調整池容量に見込むこととする。設計堆砂量は下記
の基準を考慮して決定しているが、基準の適用にあたっては造成及びその後の建築工事が長期にわ
たることや、工事期間中は濁水処理施設として沈砂池等を設けること等を考慮し、結果として堆砂
容量を実例に基づく値(70~240m3/ha/年)の下限値である 70 m3/ha/年とした。
なお、既に施工済みの 4 号調整池については、流域に砂防指定地を含むため標準的な設計堆砂量で
ある 150m3/ha/年を採用している。
参 3-4
調整池計画図(当初協議)
◆
1/30 降雨に対して許容放流以下の流出量(現況河川)
◆
調整池は暫定施設
参 3-5
調整池計画図(変更協議)
◆
1/5 降雨に対して許容放流以下の流出量(現況河川)
◆
調整池は暫定施設
参 3-6
現 況 比 流 量
参 3-7
【参考】-水崎川改修を考慮した場合の調整池計画―
調整池計画図(将来の河川改修を考慮)
水崎川流域に含まれる調整池は、水崎川の流下能力によりその規模が大きく異なる。水崎川改修事業は、
現在用地買収の過程にあり、平成 21 年度には暫定計画規模 1/10 で整備完了予定である。
◆
1/5 降雨に対して許容放流量以下の流出量(将来河川を見込む)
◆
調整池は暫定施設
一方、Ⅳ工区の造成は平成 20 年以降となる公算が大きく、水崎川の改修完了年度と重なる可能性がある。
このことから、河川改修完了後にⅣ工区の造成に着手した場合の調整池の規模に関して検討を行った。検
討にあたっては、洪水調節容量の算定は、水崎川の 1/10 暫定改修後の状況を想定し、新キャンパス敷地から
河川までの雨水排水路も 10 年確率降雨強度に対応した整備が完了している状態を前提として行った。
その他
の算定条件は、協議書本編の条件と同様とした。
検討結果を下表に示す。Ⅳ工区に設置予定の 3 箇所の調整池は 1 箇所にまとめることができる結果となっ
た。ただし、実際の整備にあたっては造成時点の河川、下水道の整備状況に加え、周辺への利水のための流
量確保や下水道の排水区域等と今後十分調整を図る必要がある。
将来の河川改修を前提とした調整池規模(Ⅳ工区)
造成工区
Ⅳ工区
合計
調整池
番号
調整池
流域面積
計算結果
許容放流量
(ha)
平均
流出係数
7号
16.43
0.824
0.066
8号
7.52
0.894
0.030
9号
6.01
0.809
0.024
29.96
0.839
0.120
洪水調節容量
3
(m /sec)
(m3)
現況河川案 将来河川案 現況河川案 将来河川案
25,000
1.828
13,000
10,000
9,000
1.828
47,000
10,000
比流量図(将来河川)
参 3-8
3.2 流出抑制施設(3号)の管理に関する協定書(案)
流出抑制施設(3 号)の管理に関する協定書(案)
福岡市(以下「甲」という。
)と福岡市土地開発公社(以下「乙」という。
)並びに九州大学
(以下「丙」という。
)は下記の流出抑制施設(以下「流出抑制施設」という。
)の管理に関し
て次の各条項により協定する。
(流出抑制施設の所在等)
第 1 条 流出抑制施設の所在等は次のとおりとする。
所在地 福岡市西区元岡
種 類
洪水調整池(暫定3号)
調節量
53,618m3
構造等
別添図面のとおり
(流出抑制施設の存続期間)
第2条 第1条に記す流出抑制施設の存続期間は、九州大学統合移転事業に関連する区間の河
川及び下水道の一定の改修が完了するまでの期間とし、これらの整備が完了した場合には、
甲は乙及び丙に対してその旨を伝えるものとする。
(流出抑制施設の所有、管理及び範囲)
第3条 流出抑制施設は当面の間、乙が所有するものとするが、丙は乙の協力を得て、善良な
管理者の注意をもって流出抑制施設の維持管理に関する一切の業務(以下「管理業務」とい
う。)を行わなければならない。
2 丙は前項に規定する管理業務のうち、次に掲げる事項について特段の注意を払わなければ
ならない。
(1)流出抑制施設内の堆積土砂等の除去を行うこと。
(2)流出抑制施設における水の流出入口及びスクリーン等の点検並びに清掃を行うこと。
(3)流出抑制施設内外の危険防止措置について十分配慮するとともに、門扉、フェンス、及
びその他の施設の補修の必要が生じたときには直ちに実施し、甲に文書をもって報告する
こと。
(4)台風の接近等、異常降雨が予想されるときには、厳重な監視を行って災害の発生を未然
に防止することに努めること。
(5)流出抑制施設に関して、異常、事故又は災害が発生したことを発見したときには、応急
措置を行うとともに、速やかに甲に文書をもって報告すること。ただし、緊急を要する場
合にあっては、口頭での報告に替えることもできる。
(6)毎年雨期前にその機能が適切に発揮できるよう、流出抑制施設内外の定期点検並びに清
掃を行い、速やかに管理状況を甲に文書をもって報告すること。
3 丙は前項に掲げる事項の実施計画書の作成及び管理人の選定を行い、甲に提出するものと
する。また、その内容に変更を生じた場合も同様とする。
4 丙は流出抑制施設の見やすい場所又はその周辺の見やすい場所に、流出抑制施設の種類、
構造、管理者の氏名又は名称を表示するものとする。
5 甲は流出抑制施設の管理状態を確認するために乙が所有する流出抑制施設に立ち入ること
ができる。
(維持管理に関する指導)
第4条 甲は流出抑制施設の維持管理に関し、その必要な限りにおいて、丙に対して指導する
ことができる。
(費用負担)
第5条 管理業務に関する経費は、全て丙の負担とする。
2 流出抑制施設が破損した場合は、乙及び丙の負担により修復しなければならない。乙と丙
の負担割合は両者が協議して定める。
(管理に関する図書)
第6条 丙は流出抑制施設の管理に関する図書を整備し、その管理状況について記録するもの
とする。
2 甲は流出抑制施設の管理状態を確認するために、丙に対して前項の管理に関する図書の閲
覧又は提出を求めることができる。
(流出抑制施設の変更)
第7条 丙は流出抑制施設存続中その機能の保全に努めるとともに、流出抑制施設に変更を加
えようとするときは、予め甲と協議し、承認を得なければならない。
2 乙及び丙は前項に規定する変更を行ったときは、直ちに甲に文書で報告し、その検査を受
けなければならない。
(協定の期間)
第8条 この協定の期間は、協定締結の日から流出抑制施設の存続中とする。
(損害の賠償)
第9条 流出抑制施設の設置、管理の瑕疵により第三者に損害を生じたときは、全て乙及び丙
が賠償の責任を負うものとする。乙と丙の責任割合は両者が協議して定める。
(所有者の変更)
第 10 条 乙は、乙が所有する流出抑制施設の所有権を丙に譲渡したときは、この協定の各条項
に係る乙の地位を丙に承継し、直ちに甲にその旨を届け出なければならない。また、丙が譲
渡を受けた流出抑制施設の所有権を第三者に譲渡する場合も同様とする。
(協議)
第 11 条 この協定に定めのない事項及びこの協定の解釈について疑義が生じたときは、甲、乙、
丙の協議により決定するものとする。
この協定締結の証として本書3通を作成し、甲・乙・丙記名押印の上各自その 1 通を保有す
るものとする。
参 3-9
平成 16 年 月
日
甲
福岡市中央区天神 1 丁目 8 番 1 号
福岡市
代表者 市長
山崎 広太郎
乙
福岡市中央区天神 1 丁目 10 番 1 号
福岡市土地開発公社
代表者 理事長
平間 和俊
丙
福岡市東区箱崎 6 丁目 10 番 1 号
九州大学
代表者 事務局長
早田 憲治
参 3-10
3.3 流出抑制施設(4号)の管理に関する協定書(案)
ができる。
流出抑制施設(4 号)の管理に関する協定書(案)
福岡市(以下「甲」という。
)と福岡市土地開発公社(以下「乙」という。
)並びに九州大学
(以下「丙」という。
)は下記の流出抑制施設(以下「流出抑制施設」という。
)の管理に関し
て次の各条項により協定する。
(流出抑制施設の所在等)
第 1 条 流出抑制施設の所在等は次のとおりとする。
所在地 福岡市西区元岡
種 類 洪水調整池(暫定4号)
調節量 15,725m3
構造等 別添図面のとおり
(流出抑制施設の存続期間)
第2条 第1条に記す流出抑制施設の存続期間は、九州大学統合移転事業に関連する区間の河
川及び下水道の一定の改修が完了するまでの期間とし、これらの整備が完了した場合には、
甲は乙及び丙に対してその旨を伝えるものとする。
(流出抑制施設の所有、管理及び範囲)
第3条 流出抑制施設は当面の間、乙が所有するものとするが、丙は乙の協力を得て、善良な
管理者の注意をもって流出抑制施設の維持管理に関する一切の業務(以下「管理業務」とい
う。)を行わなければならない。
2 丙は前項に規定する管理業務のうち、次に掲げる事項について特段の注意を払わなければ
ならない。
(1)流出抑制施設内の堆積土砂等の除去を行うこと。
(2)流出抑制施設における水の流出入口及びスクリーン等の点検並びに清掃を行うこと。
(3)流出抑制施設内外の危険防止措置について十分配慮するとともに、門扉、フェンス、及
びその他の施設の補修の必要が生じたときには直ちに実施し、甲に文書をもって報告する
こと。
(4)台風の接近等、異常降雨が予想されるときには、厳重な監視を行って災害の発生を未然
に防止することに努めること。
(5)流出抑制施設に関して、異常、事故又は災害が発生したことを発見したときには、応急
措置を行うとともに、速やかに甲に文書をもって報告すること。ただし、緊急を要する場
合にあっては、口頭での報告に替えることもできる。
(6)毎年雨期前にその機能が適切に発揮できるよう、流出抑制施設内外の定期点検並びに清
掃を行い、速やかに管理状況を甲に文書をもって報告すること。
3 丙は前項に掲げる事項の実施計画書の作成及び管理人の選定を行い、甲に提出するものと
する。また、その内容に変更を生じた場合も同様とする。
4 丙は流出抑制施設の見やすい場所又はその周辺の見やすい場所に、流出抑制施設の種類、
構造、管理者の氏名又は名称を表示するものとする。
5 甲は流出抑制施設の管理状態を確認するために乙が所有する流出抑制施設に立ち入ること
(維持管理に関する指導)
第4条 甲は流出抑制施設の維持管理に関し、その必要な限りにおいて、丙に対して指導する
ことができる。
(費用負担)
第5条 管理業務に関する経費は、全て丙の負担とする。
2 流出抑制施設が破損した場合は、乙及び丙の負担により修復しなければならない。乙と丙
の負担割合は両者が協議して定める。
(管理に関する図書)
第6条 丙は流出抑制施設の管理に関する図書を整備し、その管理状況について記録するもの
とする。
2 甲は流出抑制施設の管理状態を確認するために、丙に対して前項の管理に関する図書の閲
覧又は提出を求めることができる。
(流出抑制施設の変更)
第7条 丙は流出抑制施設存続中その機能の保全に努めるとともに、流出抑制施設に変更を加
えようとするときは、予め甲と協議し、承認を得なければならない。
2 乙及び丙は前項に規定する変更を行ったときは、直ちに甲に文書で報告し、その検査を受
けなければならない。
(協定の期間)
第8条 この協定の期間は、協定締結の日から流出抑制施設の存続中とする。
(損害の賠償)
第9条 流出抑制施設の設置、管理の瑕疵により第三者に損害を生じたときは、全て乙及び丙
が賠償の責任を負うものとする。乙と丙の責任割合は両者が協議して定める。
(所有者の変更)
第 10 条 乙は、乙が所有する流出抑制施設の所有権を丙に譲渡したときは、この協定の各条項
に係る乙の地位を丙に承継し、直ちに甲にその旨を届け出なければならない。また、丙が譲
渡を受けた流出抑制施設の所有権を第三者に譲渡する場合も同様とする。
(協議)
第 11 条 この協定に定めのない事項及びこの協定の解釈について疑義が生じたときは、甲、乙、
丙の協議により決定するものとする。
この協定締結の証として本書3通を作成し、甲・乙・丙記名押印の上各自その 1 通を保有す
るものとする。
参 3-11
平成 16 年 月
甲
日
福岡市中央区天神 1 丁目 8 番 1 号
福岡市
代表者 市長
乙
山崎 広太郎
福岡市中央区天神 1 丁目 10 番 1 号
福岡市土地開発公社
代表者 理事長
丙
平間 和俊
福岡市東区箱崎 6 丁目 10 番 1 号
九州大学
代表者 事務局長 早田 憲治
参 3-12
おわりに
現在、九州大学では、平成 17 年秋の新キャンパスへの第1期移転を 1 年余りに控え、各種の施設整備や移
転準備が急ピッチで進められている。新キャンパスの計画は「九州大学 新キャンパス・マスタープラン 2001」
および各地区の「地区基本設計」にその基礎を置いているが、新キャンパス全体にわたる様々な機能の確保に
関しては、敷地全体を見渡した観点からマスタープランを具体化していくことが求められていた。
新キャンパス計画専門委員会では、このような要請に応え、
「パブリックスペース・デザイン」
、
「交通」
、
「水
循環系の保全」
、
「自然環境の保全(保全緑地の維持管理)
」の各分野を対象に、テーマ別の整備計画の作成に着
手し、この度「水循環系の保全」に関する整備計画をとりまとめた。水循環系保全整備計画は、地域水循環ワ
ーキンググループでの審議を経て作成したものであるが、実質的な検討は地域水循環ワーキンググループのも
とに、
関係ワーキンググループおよび大学事務局の代表委員で構成される整備計画検討部会を設けて実施した。
計画作成期間は 1 年余りに及んだが、その間には、農場の水利用に関する農場計画ワーキンググループでの
審議や、再生水利用や防災調整池計画等に関する関係行政機関との協議、整備計画の実現性に関する施設部等
の大学事務局との調整など、多角的な側面から様々な検討を加えている。
今後は、この水循環系保全整備計画を移転事業の中で着実に実施していくことが必要であるが、加えて、水
循環系をとりまく諸問題は、学生・教職員の方々の生活や教育・研究スタイルや、周辺地域の土地利用・水利
用などに大きく影響を受けることから、計画の見直しや修正を含めて、これらの変化に柔軟に対応していく姿
勢が重要であると認識している。引き続き、関係各位のご理解とご協力をお願いしたい。
水循環系保全整備計画作成者名簿
<地域水循環ワーキンググループ>
神野 健二
名田 陽一
島田 允堯
小川
河村
明
糸井 龍一
小松 利光
中野 芳輔
湯川 淳一(~H16.3)
矢幡
久
和田 信一郎
筑紫 二郎
池水 喜義
広城 吉成
新井田 浩
山本 隆(~H16.3)
松岡
滋
横山 拓史
力(H16.4~)
<水循環系保全整備計画検討部会>
○自然の水循環系
神野 健二
河村
明
望月 俊宏
和田 信一郎
矢原 徹一
薛
坂井
猛
広城 吉成
新井田 浩
近藤 隆司(~H16.3)
二又 正隆
山本
孝夫
淵上 康英(H16.4~)
松岡
力
隆(~H16.3)
執行 正敏(H16.4~)
中尾 秀夫
神野 健二
河村
池水 喜義
新井田 浩
近藤 隆司(~H16.3)
淵上 康英(H16.4~)
二又 正隆
山本
松岡
○人工の水循環系
中尾 秀夫
明
望月 俊宏
隆(~H16.3)
力
広城 吉成
執行 正敏(H16.4~)