New Product - Logic Analyzer Virtex-II FPGAでLVDS信号をデバッグ Sandra Poehlmann / Industry Marketing Engineer, Agilent Technologies社 [email protected] デザインをシミュレーションするツールは多数ありますが、実際のデバイスの動作は最終的に自分で検証する必要があります。 複雑で高性能なFPGAデザインをデバッグするのに困難を伴う セットアップ/ホールド時間の自動調整 場合があります。シングルエンド信号により、複雑なデバイスの データ転送速度の向上に伴って、データ・バリッド期間が短縮 すべての入出力ラインにロジック・アナライザを接続してデータ されるという問題も発生します。測定の信頼性を高めるには、ロ を収集することにより、システムの検証や問題原因の追及が可能 ジック・アナライザのセットアップ/ホールド時間の合計を、捕捉 です。しかし今日、高速デザインの多くは、LVDSなどの差動信 する信号のデータ・バリッド期間より短くしなければなりません。 号を使用することにより、スイッチング・ノイズやクロストーク・ 16760Aのセットアップ/ホールド時間は500ピコ秒と短いため、 ノイズを最小限に抑え、1ギガビット/秒以上のデータ転送速度を 超高速バスのデータ・バリッド期間の要件を満たしています。 実現しています。Virtex-II FPGAファミリは、すべての入出力ピ ン上にLVDS機能を塔載しています。 Agilent社独自のアイ・ファインダ(Eye Finder)技術は、10 ps の解像度で各ロジック・アナライザ・チャネルのセットアップ/ ホールド時間を自動的に調整します。このため、手動の調整なし Agilent社のソリューション で、1.25Gbpsの速度で正確な状態測定を行うことができます。 差動信号をデバッグする場合、差動信号をどのようにロジッ このような自動化により、手作業による煩雑な調整作業が不要に ク・アナライザに接続するかが問題となります。Agilent社のアプ なるだけでなく、誤ったデータを捕捉して時間を費やすことのな ローチでは、FPGAのLVDS信号に直接アナライザを接続できま いようにロジック・アナライザを最適化することが可能です。さ す。Agilent 16700シリーズ・ロジック・アナライザのAgilent らに、システムの温度や電圧が変化した場合や別のシステムに移 16760Aステート/タイミング解析モジュールにより、最小入力 行した際に、アイ・ファインダを使用してロジック・アナライザ 振幅200 mV p-p、最大速度1.25 Gbpsの差動信号を直接捕捉す を即座に最適化し、データ精度を維持することができます。 ることができます。このモジュールは最大800 Mbpsの速度で状 態解析を実行し、ハーフ・チャネル・モードでは1.25 Gbpsで動 図1 差動コネクタ 作します。メモリ深度は64 MBで、セットアップ/ホールド時間 は500ピコ秒です。各モジュールごとに34または17本(時間タ グを使用する場合)のチャネルがあります。1つのタイム・ベース とトリガーで最大170本のチャネルが動作可能です。 16700シリーズ・ロッジク・アナライザには、捕捉したデータ を解析するためのツールが多数用意されています。たとえば、 Agilent B4640B Data Communications Tool Setは多くのプ ロトコル解析機能を備えています。このツールには、システム・ レベルの複雑な問題を検知可能な高度な抽象化データ表示機能と 強力な時間相関機能があります。 低容量プローブ LVDSを直接解析するためには、プローブをシステムに組み込 む必要があります。Agilent社のアナライザは図1に示すように、 シングルエンド信号 組合せコネクタがボード上に配置され、ロジック・アナライザの 従来のASICや他のプロトタイプにインターフェイスするのに、 プローブがこれらのコネクタに直接接続されています。非常に高 シングルエンド信号を使用したほうが簡単な場合があります。 速な場合、容量性負荷が非常に重要となります。容量の大きいプ Virtex-II FPGAにより、差動信号用デザインを作成し、I/Oピンを ローブを使用した場合、スルーレートが低減し、回路内のクリ シングルエンドI/O規格に合うように設定できます。フルスピード ティカルなタイミングが変化するだけでなく、反射が発生します。 で検証する必要がある場合は、同じピン出力でFPGAをLVDS I/O 16760A用のプローブの場合、コネクタを含めたプローブ先端 規格用にリ・コンフィギュレーションすることができます。すな の容量はわずか1.5pFです。これらの高集積コネクタは、すべて わち、開発ソフトウェアが差動ペアのNチャネルに対する隣接ピン の信号ピン・ペアの間に接地ピンを設けることで、高速動作時に を自動的に設定します。16760Aはシングルエンド信号を解析し チャネル間を正しく隔離して、信頼性の高い信号捕捉を実現して た後、Virtex-II FPGAのLVDS解析用に変換することができます。 います。 24-1 結 論 差動信号を使用する高性能システムのデバッグ作業は、Agilent 社の16760Aステート/タイミング解析モジュールによって非常 に容易に行うことができます。 Agilent社の製品についての詳細は、 www.agilent.com/find/fastpacketを参照してください。 24-2
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