x 例1:重力による位置エネルギーの場合(p62) 問題①:質量 m の物体の U-x 図と F-x 図を書け。ただし、位置 x は上向きを正とする。 U(x) = mgx F U m F(x) = -mg x O x O 問題②:位置エネルギー U(x) より重力 F(x) を求めよ。 また、重力 F(x) より 位置エネルギー U(x) を求めよ。 ただし、位置エネルギーの基準点は原点Oとする。 保存力 F(x)は、位置エネルギー U(x) の傾きに-をつけたもの 別の言い方をすると 位置エネルギーの 低い ↓ dU 方に向って力が働き、その力の大きさは位置エネルギーの傾き に比例する。 dx 1 m あたりのU の変化量 例2:ばねの弾力による位置エネルギーの場合(p64) 問題①:ばねにつながれた物体Aの U-x 図と F-x 図を書け F(x) = -kx x U F x O 問題②:位置エネルギー U(x) より、ばねの弾力 F(x) を求めよ。 また、ばねの弾力 F(x) より 位置エネルギー U(x) を求めよ。 ただし、位置エネルギーの基準点は原点Oとする。 第12回 (6/10) 1ページ x 万有引力の法則(復習) 2物体の間に働く万有引力の大きさ F は、 2物体の質量 m1 と m2 の積 m1m2 に比例し、2物体の距離 r の2乗に反比例する。 m1 F=G F1 r 2 m1m2 r2 G(重力定数)= 6.672×10-11 [m3/kg・s2] m2 F2 F1 1 2 と F2 1 は大きさが同じで互いに逆向きになっており作用・反作用の関係にある 無限遠(基準点) F=0 W は一定の値に 万有引力による位置エネルギー(p64) この図は ds が大きすぎ。 実際は ds は r に比べ十分に小さい dr 質量 m2 の質点に作用する万有引力(ベクトル表現) ≒θ r ds F(r) = -G = ds cosθ m1m2 r r2 r - r r (ベクトル表示) :万有引力の向きの 単位ベクトル (大きさが1のベクトル) r・ds = r ds cosθ = r dr r×(ds のうち r の方向の変位 = dr ) 質量 m1 の物体を固定した状態で、質量 m2 の物体をゆっくりと引き離し、距離を無限大にする場合、 万有引力のする仕事は Wr ∞ ∞ r r ∞ = ∫ F・ds = ∫ -G ∞ m m m1m2 r m1m2 1 2 ・ds = - G dr = G ∫ 2 2 r r r r r ∞ |r = -G m1rm2 上記の式は、経路によらず成り立つので、万有引力も保存力である。 万有引力の位置エネルギーの基準点を2物体の距離が無限大の場合とすると 万有引力の位置エネルギーは U万有(r) = Wr ∞= -G m1m2 r r = 0 を基準点にとると発散 Fも∞ また、実際には、 大きさがあるので r = 0 にはできない。 (位置エネルギーとは、基準点に戻るときに、保存力がする仕事) その分、外部に仕事をすることができる 第12回 (6/10) 2ページ 質量 m1 の物体と質量 m2 の物体が x 軸上にあり(1次元問題) 、 質量 m1 の物体は原点に固定されている。質量 m2 の物体の位置を x としたとき、 万有引力による位置エネルギー U(x) は右下の式のようになる。 m1 m2 U(x) = -G x x O m1m2 x 問題:質量 m2 の物体に作用する万有引力の向きと大きさを位置エネルギーより求めよ。 向きは上の図に矢印で書き込めよ。 p64 参考: F(x) = - dU を3次元に拡張 dx ある保存力 F(r) による位置エネルギーが U(r) であるとき Fx = - ∂U ∂x 偏微分 , Fy = - ∂U , ∂y Fz = - ∂U ∂z ∂U : y と z を一定に保って x で微分(その場所でのx 方向の傾き) ∂x ∂U U( x+∆x, y, z )-U( x, y, z ) = lim ∂x ∆x 0 ∆x グラディエントというベクトルの微分演算子 ∇= ( ∂ ∂ ∂ , , ) を使うと ∂x ∂y ∂z F(r) = -∇U(r) = -( ∂U , ∂U , ∂U ) ∂x ∂z ∂y スカラーである位置エネルギー U より ベクトルである保存力 F が求められる 問題:鉛直上向きを z軸のプラスの向きとすると、重力による位置エネルギーは U = mgz である(基準点 は原点)。このとき Fx, Fy, Fz を求めよ。 F(r) = ( , , ) = - ( 0 , 0 , mg ) = ( 0 , 0 , -mg ) 2次元、3次元に拡張しても、保存力 F は、位置エネルギー U の傾きに-をつけたもの 位置エネルギーの低い方に向って力が働き、その力の大きさは位置エネルギーの傾きに比例する。 ∇U は位置エネルギーU の3次元の傾きを表す。gradient というのは、勾配、傾斜、傾きの意 第12回 (6/10) 3ページ
© Copyright 2024 ExpyDoc