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チルコリン,グルタミン酸,セ ナプスと呼ばれる。軸索から伝導した電気信号は,シナプスを介して,別な神経細胞へ情報が伝達される。 ロトニンなどが知られている。 この情報伝達には,神経伝達物質と呼ばれる化学物質が用いられる。標的となる神経細胞は,受容体と呼 一方,抑制性神経伝達物質には, ばれる膜タンパク質が神経伝達物質を受け取ることで,その情報を再び電気信号として伝達したり,ある γ - ア ミ ノ 酪 酸 (GABA と 略 ) いは情報伝達をストップさせたりする。 やグリシンが知られている。 ンが単一の細胞であることが分 5.5.2. 神経系の分類 からなかった。現在はニューロ 脳 *4 ンは単一の神経細胞からできて いることが分かった。従って現 神経系 5.5.4. 自律神経系:自ら律して働く,無意識の神経系 在では,ニューロンと神経細胞 脊髄 ディスカッション は同義と考えてよい。 突然目の前にライオンが現れたとき,からだははどう反応するだろうか? 感覚神経 神経系 体性神経系 *5 神経系 自律神経系 【お】 運動神経 情報の伝達の方向性について。 *6 受容器→中枢神経系の方向性 *8 を,求心性と呼ぶ。 *7 中枢神経系→受容器の方向性 を,遠心性と呼ぶ。 感覚神経は,求心性である。一 方,運動神経や自律神経は,遠 心性である。 ディスカッション なぜこのような反応が出るのだろうか? 自分のなかのどこが,からだをこんなふうにさせているのだろうか? 生物基礎・生物 5. 体内環境と恒常性 5.5. 恒常性の維持にはたらく器官 その1 自律神経系 No. 44 ライオンを見る(目) レーウィの実験(1921) :受容器 (背景) 恐怖・危険を感じる(精神活動の中枢) : 神経の情報は電気信号で伝導する。これはどの神経でも共通。レーウィ ( 独,米 ) は, *1 ・迷走神経 ( 副交感神経 ) が興奮→心拍減少 ・交感神経が興奮→心拍上昇 からだに逃げるための状態をつくる指令を出す : *3 ( がどうして区別されるのか?に疑問をもった。 *2 心臓はどのようにして迷走神経の興奮と交感神経の興奮を区別しているのだろうか? *4 (レーウィの着眼点) ) の興奮 アドレナリンの生理作用 ← 似ている → 交感神経の興奮の作用 からだの各部(心臓,毛細血管・立毛筋) :効果器 (仮説) 神経末端から化学物質が分泌されているのではないか? (実験) 5.5.5. 自律神経の特徴シリーズ ①カエルの二個の心臓を連結 ① 二重支配: *5 リンガー液 ②リンガー液 ( 生理的塩類溶液 ) で満たす ③迷走神経を電気刺激 例外: ・内蔵や骨格筋にある ・ ・ *6 ( 結果の予測 ) *7 *12 *8 A の心臓の拍動は, B の心臓の拍動は, なぜならば, *9 ② 拮抗支配:交感神経と副交感神経は, ・ 交 感 神 経: ・副交感神経: *10 *11 ( 結果 ) 結果の予測の通りとなった。ただし,心臓 A と B は同時に拍動抑制されるのではなく, *12 *13 表|交感神経と副交感神経の拮抗支配 自律神経系 瞳孔 立毛筋 心臓 肺 (拍動) (呼吸) 毛細血管 消化管 消化液の (ぜんもう運動) 分泌 (考察) 交感神経 促進 副交感神経 抑制 仮説が正しい ( 結果の予測の理由の部分 ) 可能性が非常に高い。 (その後) この物質は,H. H. デールらの研究でアセチルコリンであることがわかり,2人は 1936 年度,ノーベル生理医学賞を受賞した。 生物基礎・生物 5. 体内環境と恒常性 5.5. 恒常性の維持にはたらく器官 その1 自律神経系 No. 45 ③ 形態的な特徴 *1 表|交感神経と副交感神経の形態のまとめ 神経節 節前軸索 節前軸索 自律神経系 の位置 の長さ の長さ 5.6. 恒常性の維持にはたらく器官 その1 内分泌系 5.6.1. ベイリスとスターリングによるホルモンの発見 (1902) 神経節における 器官における 神経伝達物質 神経伝達物質 起点 (背景) パブロフ ( 露 )…条件反射(パブロフの犬) :膵臓からの膵液の分泌が神経によって起こる? 交感神経 (汗腺と骨格筋一部血管を除く) ベイリスとスターリング ( 英 )…この考えに懐疑的(本当に神経?) 復習 神経系は, ①ライオンを見たときに,逃げ る状態を作り出すための指令を 出す: *7 (実験と結果) ベイリスとスターリング 副交感神経 ・犬を用いた ②情報が伝達される: *8 ・十二指腸につながる全ての神経を除去 自律神経の形態 →十二指腸へ塩酸を注入 運動神経 体性神経系 中枢神経 骨格筋 ③逃げる状態になる →膵臓から膵液が分泌 ( 考察 ) 節前ニューロン ( 節前軸索 ) 自律神経系 *9 節後ニューロン ( 節後軸索 ) 中枢神経 平滑筋 臓器 汗腺など 神経節 血流を介して情報が膵臓へ伝わったことを確かめる ( 実験と結果 ) ・十二指腸の内壁の粘膜を取り出し,塩酸を加えてすりつぶした(抽出物) 交感神経と副交感神経の形態の違い *2 に神経節が集まっている 平滑筋 交感神経 ( 次の課題 ) 中枢神経 臓器 ・十二指腸の抽出物を,膵臓につながる静脈に注入 →膵液が分泌された。 (考察) *10 汗腺など *3 *4 平滑筋 副交感神経 中枢神経 臓器 汗腺など *5 ベイリスとスターリング: 血中を伝わった何らかの物質=セクレチンと命名 ("secretion"( 分泌液の意 )) (当時はまだ,具体的な物質は不明) *6 1960 年代…セクレチン= 27 個のアミノ酸からなるポリペプチド ・セクレチンは膵臓に作用→炭酸水素イオンを多く含む膵液を分泌させる。 ・膵液…胃液の塩酸を中和して十二指腸内を弱アルカリ性に戻す セクレチン=ホルモン(分泌されて他の器官へ情報を伝える)としての,初めての発見 【お】 今日,ホルモンの一つであることが分かっているアドレナリンは,1900 年にすでに高峰譲吉(研究室 のボス)と彼の助手である上中敬三らによって抽出に成功し,分子式まで決定されていた(実際の実験は 上中によってほとんどが行われた)。アドレナリンは,医学界ではエピネフリンとも呼ばれるが,歴史的 な背景と化学的な背景に厳密に基づくならば,アドレナリンと呼ばれるのが本当である。かくかくしかじ かの理由で,米国では今でもエピネフリンと呼ばれることが多いが,注意したい。日本でも現在,日本薬 局方ではアドレナリンと呼ばれている。 生物基礎・生物 5. 体内環境と恒常性 5.6. 恒常性の維持にはたらく器官 その1 内分泌系 神経は,解剖すると組織が見え るので,結構昔から分かってい た。
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