No.8 ~緊張しても実力発揮~ 平成26年12月22日 千葉市立千葉高校保健室 ~意識的に、自律神経をコントロールする方法~ 冬場、テレビで放送されるフィギュアスケートの大会で、演技直前の選手が「ふぅ――っ」 と大きく息を吐いてから、滑り出していく姿を見たことがありませんか? つまり呼吸がポイントです。 交感神経が優位 副交感神経が優位 呼吸が浅く,速くなる 呼吸が遅く,深くなる ~緊張しても力を発揮するために~ 一生懸命努力して準備して本番を迎えても、緊張してしまい、十分に力を発揮できないことが あります。特に、自分が大事だと思う時ほど極度に緊張し、力を出し切れず悔しい思いをしたこ とがある人も多いのではないでしょうか。 私たちの体は、自分の意思とは無関係に“自律神経”によって自動的に調節されています。 (例:心拍数や胃腸の働きの調節は、自分が意識してやっているわけではない) 自律神経には 交感神経 と 副交感神経 があり、以下のように反対(逆)の働きをして バランスを調整しています。生物で習った人もいますね。 意識的にゆっくり深く! 緊張して浅く速くなった呼吸を、意識的にゆっくり深くすることにより、副交感神経の働きを 呼び覚ますのです。特に、 息を吐く時に、副交感神経が強く働くので、意識してゆっくり吐きます。 【10秒呼吸法】10数える間に「3まで吸う+4で止める+5以降ゆっくり吐く」を繰り返す 1 2 3 3秒かけて鼻から吸う 4 止める (お腹を徐々に膨らませる) 交感神経の働き 瞳孔 だ液の分泌 心臓の拍動 顔面の血管 血圧 呼吸運動 消化管の運動 気管・気管支 立毛筋 汗腺 ぼうこう 副交感神経の働き 拡大する 分泌を促進(ネバネバのだ液) 促進する 収縮する 上昇する 浅く,速くなる 抑制する 拡大する 収縮して鳥肌になる 分泌が盛んになる 縮小する 分泌を促進(サラサラのだ液) 抑制する 拡張する 低下する 遅く,深くなる 促進する 縮小する ― ― 拡大する 収縮する(排尿) 参考:第一学習社「スクエア最新図説生物」、 浜島書店「ニューステージ新生物図表」 緊張した時 緊張した時は、まさしく交感神経側の状態になることは、みんな経験があると思います。 つまり、緊張している時は 交感神経の働きが強くなりすぎ ています。 緊張している時 = 交感神経 > 副交感神経 逆に、リラックス状態にある時は、副交感神経が優位となります。 リラックス時 = 交感神経 < 副交感神経 緊張する場面で、少しでも落ち着くためには、副交感神経の働きを強めればいいわけです。 しかし、自分の意思とは無関係に勝手に働いている自律神経。 どうやって・・・? 5 6 7 8 9 10 6秒かけて口から吐く (お腹を徐々にへこませる) これは最も簡便な腹式呼吸法ですが、これを忘れても、緊張する時はまず「ふぅ――っ」 と大きく息を吐き出してみてください。お腹をへこませながら、息を吐ききれば、自然に 深く吸うことができます。これを繰り返すうちに、落ち着くのが実感できると思います。 参考資料:高校保健ニュース 2013.6.8「学校で活用したいリラクセーション技法」、公立学校共済組合千葉支部「メンタルヘルス ハンドブック」 朝日新聞医療サイト アピタル 2012.9.19「自律神経知り 夏バテ解消」他 保健委員が紹介する健康ニュース 2年生保健委員が、みなさんに紹介したい健康関連ニュースを順番に紹介していきます。 「冬の免疫力 乳酸菌でアップ」 「インフルエンザの流行が早まっているのはなぜ?」 2014年12月11日(木)読売新聞朝刊 『冬の免疫力 乳酸菌でアップ』より 2014年12月16日(火)毎日新聞朝刊 『インフルエンザの流行が早まっているのはなぜ?』より ◆ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌。最近は整腸作用の ほか、免疫力向上やアレルギー改善などの働きにも 注目が集まっている。 ◆ただ、乳酸菌は摂取しても便とともに体外へ排出され るうえ、胃酸で死んでしまうものもある。継続的に摂取 することが大事だ。 ◆1医療期間当たりの平均報告数が1人を超えると流行 期が始まった目安とされています。今年は例年より3 週間ほど早く、11月24~30日の1週間に1機関当た り平均 1.09 人になり、流行期に入りました。 ◆感染研によると、今季調べたウイルスのほとんどが A 香港型(H3N2)でした。 先日、保健のクロスカリキュラムの授業で、食べ物と脳の 働きは密接に関係していることを知りました。脳の働き が弱まることは、これからの受験勉強に悪影響を及ぼ すと知り、食べ物と健康について興味を持ちました。 そこで今回紹介したいのが、乳酸菌です。 乳酸菌は、ウイルスに対する抵抗力を上げたり、風 邪の発症を低減したりする働きがあるので、これから の季節にぴったりだと思います。3食バランスの良い 食事をとり、その上で、ぜひ乳酸菌を含む食品をとる ように心がけましょう。また、例えば朝食がパンだけ、 炭水化物だけという人は、ぜひヨーグルト等も一緒に 食べてみてください。 保健委員 M 流行が早まっている原因として、備えのない新抗 原の可能性、つまりウイルスの抗原が変化している可 能性があり、人体にそのウイルスへの備えがないた め、いつもとは違った時期に流行するそうです。毎年 インフルエンザウイルスの形が変わっていくので、予防をし てもインフルエンザにかかってしまう可能性があり、どうし たら良いのか不安になってしまいます。 予防に関しては、やはり基本的な手洗いや、十分 な休養と栄養をとることが大事らしいので、僕も十分 な休養をとろうと思います。僕はインフルエンザに1度もか かったことがないことがちょっとした自慢 なので、今年も気をつけたいです。 保健委員 N
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