第5編 第5編 内部環境と恒常性 内部環境と恒常性 みんなの中には海がある 太古の生命は単細胞 栄 養 細胞 老 廃 物 必要なものは海から取り込み 不必要なものは海に捨てればよかった。 多細胞生物に進化 細胞 海:外部環境 体液:内部環境 内部環境を一定に保つ 体液の環境を一定にする仕組み 恒常性 (ホメオスタシス) 内部環境を一定に保つ • 体液3つ:血液,リンパ液,組織液 組織 血管 血 液 細胞 細胞 細胞 細胞 細胞 細胞 細胞 細胞 細胞 組織液 リンパ管 リ ン パ 液 向かい合わせのヒトの心臓の断面 冠動脈(心臓の筋肉に血液を送る動脈) 左冠状動脈 右冠状動脈 肺循環と体循環 赤血球 白血球 血小板 ヘモグロビン • 赤血球はヘモグロビンという鉄を含んだタン パク質を大量に含む。 • 酸素濃度の高い肺静脈や大動脈 →ヘモグロビンの多くは酸素と結合。 →酸素ヘモグロビン:鮮紅色 • 酸素濃度の低い組織 →ヘモグロビンは酸素を放出。 →ヘモグロビン:暗赤色 ヘモグロビン ヘモグロビンと酸素の結合 ヘモグロビン Hb + O2 暗赤色 結合 解離 酸素ヘモグロビン HbO2 鮮紅色 酸素解離曲線 血液凝固反応 免疫 • 自己と非自己を認識し,非自己を異物として 免疫という。 • 生物にとっての異物を抗原という。 • 体液性免疫と細胞性免疫の 排除するしくみを 二種類がある。 生体内に異物を侵入させない仕組み 生体内に侵入されてしまったら・・・ • 白血球が活躍 白血球 T細胞:免疫の司令塔 リンパ球 B細胞:抗体を生産する マクロファージ:食作用 体液性免疫 一次応答と二次応答 アレルギー • からだに直接害はない異物に対して,過剰な 抗原抗体反応が起こること。 細胞性免疫 免疫と医療 免疫と医療 • 血清療法 ある種の病原体に対する抗体をあらかじめ 動物に作らせ,その抗体を含む血清を注射 するもの。 ツベルクリン反応 • 結核に感染したことがあるヒト →注射した皮膚が赤く腫れる。 →抗体あり○ • 結核菌に感染していないヒト →なにも起きないか,小さく赤くなるぐらい →抗体なし☓ →BCG(結核菌を弱毒化)を注射 HIV • 後天性免疫不全症候群=AIDS(エイズ)を引 き起こすウイルス • Human Immunodeficiency Virus • T細胞に感染。発症するとT細胞を破壊。 体液性免疫 細胞性免疫 腎臓のつくりとはたらき 腎臓のつくりとはたらき (糸球体):毛細血管が糸まりの 糸球体 ように丸く固まっている。 ボーマンのう (ボーマンのう):糸球体を包む (腎小体) 腎小体 (マルピーギ小体) マルピーギ小体 袋状の構造。 (細尿管):ボーマンのうから出る管。 細尿管 集合管 (集合管)につながる。 腎小体と細尿管は腎臓の構造及び機能上の 腎単位 ネフロン 単位→(腎単位)(ネフロン) 濃縮率 ☓ 糸球体からボーマンのうにろ過されない。 細尿管ですべて(100%)再吸収される。 濃縮率の計算 浸透圧の調節 ホルモンによる調節 • バソプレシン 集合管での水分の再吸収促進 →体液の浸透圧が下がる • 鉱質コルチコイド 細尿管でNa+の再吸収促進 →体液の浸透圧が上がる 水生動物の浸透圧調節 魚類の浸透圧調節 • 大事なのは浸透圧のイメージ 濃い(浸透圧高い) 海水 うすい(浸透圧低い) 淡水 うすい(浸透圧低い) 濃い(浸透圧高い) 海水魚 淡水魚 2章 自律神経系と内分泌 ①自律神経系による調節 自律神経系 脳(大脳・間脳・中脳・小脳・延髄) 中枢神経系 脊髄 運動神経 神経系 体性神経系 感覚神経 末梢神経系 自律神経系 交感神経 副交感神経 自律神経系 交感神経:緊張・闘争時優位 自律 神経系 ・神経伝達物質:ノルアドレナリン ・中枢とのつながり:脊髄(頚髄・胸髄・腰髄) 副交感神経:安静・食事時優位 ・神経伝達物質:アセチルコリン ・中枢とのつながり:中脳・延髄・脊髄(仙髄) 働きの違い ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) レーウィの実験 アセチルコリンによる 心臓の拍動の変化 ②ホルモンによる調節 • ホルモン :内分泌腺などから血液中に 分泌される。 教科書p.201 内分泌腺と外分泌腺の違いを確認する • 微量で生理的な作用の調節を行う。 ■ホルモンの発見 • ベイリスとスターリング 十二指腸から分泌されるセクレチンが すい臓を刺激。→すい液を分泌。 ヒトのおもな内分泌腺 覚える!! ヒトのおもなホルモンのはたらき ホルモン分泌と標的細胞 ホルモンの特徴 • 血液中に放出されるため,離れた標的器官 に働きかけられる。 • 標的器官とホルモンは鍵と鍵穴の関係。 →受容体と特異的に結合 • アドレナリンなど多くの異なる器官に,異なる 作用をおよぼすものもある。 中枢によるホルモン分泌の調節 前葉 成長ホルモン 甲状腺 刺激ホルモン 副腎皮質 刺激ホルモン 後葉 バソプレシン 視床下部と脳下垂体 フィードバックによる ホルモン分泌の調節 甲状腺:チロキシンを分泌。 《チロキシンのはたらき》 全身の代謝の促進。(甲状腺を除去すると酸素 やグルコースの消費が減り,活動がにぶくな る。) 両生類では,変態促進。(甲状腺を除去すると 変態できなくなる。) フィードバック調節 最終の生産物やはたらきの効果 が,前の段階に戻って作用を及 ぼすことをいう。 • Feedback Feed:エサ・飼料 フィードバック調節 チロキシンの分泌が過剰の場合 →甲状腺ホルモンの血中濃度が高くなりすぎる。 →その情報が視床下部で感知され,視床下部 からの甲状腺刺激ホルモンの放出 放出ホルモンの分泌を減少させる。一方で, 情報は脳下垂体前葉に感知されて,前葉からの 甲状腺刺激ホルモンの分泌を減少させる。 →甲状腺からのチロキシンの分泌量が減少する。 ③自律神経系とホルモンによる 共同作業 血糖値の調節 • 血糖値:血液中のグルコース濃度 血液100mℓ 中に約100mg(約0.1%)でほぼ一 定。 質量パーセント濃度 体積100mlの血液はは重さ100g(100000mg) つまり 100m g 100000m g 100 0.1% 血糖値の調節 高血糖 200mg/100ml以上 尿に糖が排出される。 100mg/100ml 空腹時 低血糖 60mg/100ml以下 顔面蒼白になり,痙攣・意識喪失。 血糖値の調節 血糖値が高い時 血糖値が低い時 Q.なぜ血糖値を下げるホルモンは1つで,血糖 値を上げるホルモンは3つもあるのか? 糖尿病 • Ⅰ型糖尿病 • すい臓のランゲルハンス島でインスリンを分泌しているβ細 胞が死滅する病気である。その原因は主に自分の免疫細胞 が自らのすい臓を攻撃するためと考えられているが(自己免 疫性)。 • Ⅱ型糖尿病 • インスリン分泌低下と感受性低下の二つを原因とする糖尿 病である。
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