要旨 - アイスティサイエンス

畜産物中テトラサイクリン系抗生物質一斉分析法の検討
〇小西賢治、佐々野僚一
株式会社アイスティサイエンス
【目的】テトラサイクリン系抗生物質(以下
装置及び測定条件
TCs)は安価かつ優れた抗菌作用を持ってお
り家畜の感染症の予防などに広く使用されて
いる。TCsを含む動物用医薬品の分析法が厚
生労働省より通知されているが、夾雑成分の
【結果】
精製が不十分でHPLC(-MS/MS)測定の際に試料
中のマトリクスの影響を受けやすい。そこで
前処理における精製効果の向上を目的として
TCs一斉分析法を検討したので報告する。
化合物名
オキシテトラサイクリン
クロルテトラサイクリン
テトラサイクリン
各3併行
添加濃度0.2ppm
平均
RSD
回収率
(%)
(%)
85
7
78
9
87
0
【方 法 】 試 料: 鶏 ささ み ( 市 販) 、標 準試
【考察】
薬:テトラサイクリン塩酸塩標準品、オキシ
無極性固相ミニカートリッジ:
添加濃度10ppm
平均
RSD
回収率
(%)
(%)
88
8
77
7
87
5
テトラサイクリン塩酸塩標準品、クロルテト
無極性固相ミニカートリッジによるTCsの
ラサイクリン塩酸塩標準品(和光純薬工
精製効果を検討したところ、C18およびHLB
業)、固相カートリッジ:Smart-SPE(アイ
による保持、溶出が可能であった。しかし精
スティサイエンス)
製が不十分でLC-MS/MSによる測定時にイオ
前処理フロー
ン化促進、イオン化阻害を受けた。そこで陽
イオン交換固相ミニカートリッジによる追加
精 製 を 検 討 し た 。 今 回 は HPLC 分 析 カ ラ ム
(ODS)への負荷を軽減するために、同種の
充てん剤であるC18を選択した。
陽イオン交換固相ミニカートリッジ:
C18から溶出したTCsをポリマー系の強陽
イ オ ン 交 換 固 相 ミ ニ カ ー ト リ ッ ジ ( CXi320)で再度保持させて、溶出させることが可
能であった。無極性固相ミニカートリッジと
陽イオン交換固相ミニカートリッジを組み合
わせて使用することで、精製効果の向上が可
能であり、測定時の夾雑成分による影響を抑
え、良好な回収および再現性を得ることがで
きた。