郵送調査法における手書き依頼の効果 - 統計数理研究所 学術研究

2015 年 6 月 19 日 統計数理研究所 オープンハウス
郵送調査法における手書き依頼の効果
土屋 隆裕
データ科学研究系 准教授
【調査の目的】—————————————————
郵送調査法において、活字印刷された依頼状に替えて、手
書きされた依頼状を用いることで、回収率が向上するかどう
か、また活字印刷された依頼状に加えて、手書きされた一筆
箋を同封することで、回収率が向上するかどうかを調べる。
【手書きの依頼状】———————————————
【手書きの一筆箋】———————————————
調査対象: 20∼79 歳の昭島市・小金井市の住民 2,400 名
調査時期: 2013 年 1∼2 月
一筆箋 : 調査対象を無作為に2群に分け、一方には以
下の一筆箋を同封
調査対象: 20∼79 歳の立川市・小平市の住民 2,400 名
調査時期: 2012 年 1∼2 月
依頼状 : 調査対象を無作為に2群に分け、以下の2種
類のうち一方を同封
回収結果: 回収率の差はほとんど認められず、性・年齢
層別にも差は認められなかった。
50%
回収率
40%
一筆箋あり
一筆箋なし
30%
20%
10%
督促状発送
0%
27
回収結果: 回収率の差はほとんど認められず、性・年齢
層別にも差は認められなかった。
3
1月
10
17
2月
24
3
3月
到着日
図 3:回収率の推移
50%
回収率
40%
手書き
活字
男性
一筆箋あり
一筆箋なし
女性
30%
20歳代
30歳代
20%
40歳代
10%
50歳代
60歳代
0%
22
29
1月
5
12
19
2月
26
4
11
3月
到着日
図 1:回収率の推移
0%
10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
回収率(性・年齢層別)
図 4:属性別回収率
男性
手書き
活字
女性
70歳代
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
【まとめ】——————————————————
郵送調査法において、手書きによる依頼は、性・年齢層に
拘わらず回収率向上に寄与するとは認められなかった。
【参考文献】——————————————————————
60歳代
70歳代
0%
10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
回収率(性・年齢層別)
図 2:属性別回収率
土屋 隆裕 (2013) 『多摩地域 住民意識調査 —立川市・小平市 郵送調査
(2012)—』 統計数理研究所調査研究リポート No.108.
朴 堯星・土屋 隆裕 (2013) 『多摩地域 住民意識調査 —昭島市・小金井
市 郵送調査 (2013)—』 統計数理研究所調査研究リポート No.112.