■バイオ医薬品分析への応用 ~糖ペプチドマップ その3~ AS/LC-025 Application Sheet(AS/AAA-004、005)では、IgGをモデルサンプルとして糖ペプチドを分析する方法について紹介いたしました。IgGは、2本の H鎖と2本のL鎖から成る4量体ですが、H鎖にはそれぞれN-結合型糖鎖が結合しています。このIgGを酵素消化しUV検出(220 nm)でペプチド を検出・確認した後、ポストカラム法を利用して糖ペプチドのみを検出・確認し、良好な結果が得られました。 また糖鎖にはO-結合型糖鎖がありますが、N-結合型糖鎖と異なり、糖タンパク質から特異的に切り出す汎用的な酵素が見つかっていないた めLC-MS/MSなどによりO-結合型糖ペプチドをそのまま検出する方法などが試みられており、汎用的な手法はまだ確立されていません。 今回は、IgGに適用したシステムを、N型、O型糖鎖を持つフェチュイン分析に応用しました。 ■UV検出+糖(リン酸-フェニルヒドラジン)分析システム カラムオーブン ポンプ (低圧Gr.) オート サンプラ <測定条件> カラム : LaChrom C18-AQ (5 μ m) 4.6 mm I.D. × 250 mm 溶離液 : (A) H2O / アセトニトリル / TFA = 10 / 90 / 0.1 (v/v) (B) H2O / TFA = 100 / 0.1(v/v) * Gradient 流量 : 1.0 mL/min カラム温度 : 40 ℃ 検出波長 : UV 220 nm 反応液 : リン酸(純度 85 %) / 酢酸 / フェニル ヒドラジン = 220 / 180 / 6 (v/v/v) 反応液流量 : 0.4 mL/min 反応温度 : 150 ℃ 検出波長 : FL Ex 330 nm, Em 470 nm 注入量 : 50 μ L * ダイナミックミキサ使用 糖ペプチド のみ検出 ペプチド を検出 反応ユニット UV検出器 カラム 反応コイル ポンプ A FL検出器 B 溶離液 反応液 洗浄液 廃液 UV検出(220 nm)でペプチドを検出・確認した後、ポストカラム法を利用して糖ペプチドのみを検出・確認します。 ■フェチュイン消化物の測定例 0.15 UV 220 nm 0.10 AU 4 0.05 1 2 ペプチド を検出 3 0.00 0 40 60 min 80 100 120 7 FL Ex 330 nm、Em 470 nm (リン酸-フェニルヒドラジン法) 30 FLU 20 8 20 5 糖ペプチド を検出 6 10 0 0 20 40 60 min 80 100 120 フェチュインの消化物を3回繰り返し測定しました。ペプチドの代表的なピーク(1~4)の保持時間再現性(%RSD)は 0.07 ~ 0.32 % 、面積 値再現性(%RSD)は 0.55 ~ 1.76 % となりました。また糖ペプチドについても、ピーク(5~8)の保持時間再現性(%RSD)は 0.03 ~ 0.06 % 、 面積値再現性(%RSD)は 0.39 ~ 1.88 % と良好な結果が得られました。 本法では、UV検出によりペプチドの溶出パターンが、またポストカラム法による蛍光検出で、糖ペプチドのみを選択的に検出することが できました。 *システム構成の詳細については、担当営業もしくはホームページのお問い合わせサイトよりお問い合わせください。 注意: 本資料に掲載のデータは測定例を示すもので、性能を保証するものではありません。 Page.1 (2013/07)
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