CTにおける量子ノイズ 境界判定型平滑化フィルタに 19 ノイズ低減を

CTにおける量子ノイズ
ノイズ低減を目的とした
境界判定型平滑化フィルタに
フィルタに関する検討
19 大阪市立総合医療センター ○山本圭介 福西康修
福西康修 【目的】
常に被曝を伴うCT検査では、EBMを基本とした
とした被曝低減が私たち診療放射線技師の重要な役
務である。しかし、被曝低減に相反する現象として
として量子ノイズの問題が常に発生する。そこでノ
イズ低減に効果的なフィルタを開発することを目的
目的とし、画質損失を伴わない撮影線量低減の可
能性を検討した。
【方法】 DICOM形式にて取り出したCT画像データに対
対し、Excel及びImageJを用いて本フィルタの適応
を行った。低コントラストファントムを従来の診断
診断で使用する条件(120 kV,100 mAs)にて撮影し
た画像及び腹部CT画像(120 kV,200 mAs)を用い、
、コントラストを維持し、さらに量子ノイズを低
減させるフィルタ条件を設計した。次に、ファントムを
ファントムを線量90~50 %まで変化させて得た画像及
び腹部CT画像(120 kV,150 mAs)をフィルタ処理し
し、control画像との比較を行った。さらに東芝オ
プションの量子フィルタとの比較を行った。
【結果】
目的とする画素の周辺4方向における差分をとり
をとり、あるCT値を閾値と設定しエッジとして検出
した。今回は、視覚的に確認できる範囲のものを
のものを検出することとし、CT値の差が10 程度までを
対象とし、境界判別する際のCT値の閾値を9 に設定
設定した(Fig.1.a) 。また、あらかじめ3×3平滑化
フィルタリングでノイズの影響を低減することにより
することにより、効率的にエッジを検出した。ファントム
ではCT値の差10 HU、腹部CTでは肝臓-門脈間
門脈間のコントラスト程度を比較的明瞭に検出可能で
あった。検出したエッジ部位にはcontrol値、それ それ以外の部位には3×3平滑化フィルタ値を適用
(Fig.1.b)することにより、エッジ部位のボケを抑
抑えつつ量子ノイズを低減させることが可能で
あった。線量を変化させたファントム画像を上記
上記フィルタにより画像処理を行った結果(Fig.2)、
約30 %線量を低減させた場合でもcontrol画像と同程度
同程度の画質を維持することが可能であった。腹
部CT画像でも同様の結果であり、撮影線量の低減
低減の可能性が示唆された。さらにFig.3 に示すよ
うに、東芝オプションの量子フィルタと比較した
した結果、遜色ない画像であった。
【結論】 Excelを用いた簡単なフィルタリングであるが
なフィルタリングであるが、エッジ検出機能をフィルタの演算内に含めるこ
とにより、単純な3×3平滑化フィルタを用いつつ
いつつ境界部の信号劣化を伴わないフィルタ構築を実
現することが可能であった。しかし、線量低減
線量低減に伴うノイズの増加によるエッジ検出効率の低下
や、エッジ部位に適用するcontrol値の改良等、検討
検討する必要がある。 a. エッジ検出方法 a. Control 目的とする pixel の
周辺 4 方向におけ
るCT値の差分
b. 境界判定型平滑化フィルタ 120 kV, 100 mAs 120 kV, 70 mAs あるCT値を閾値と設定
境界部分の pixel b. 平滑化フィルタリング 境界部分のpixel 元画像のcontrol値
Fig. 2 低コントラストファントムの画像処理結果 境界部分以外のpixel 3×3 pixels 移動平均フィルタ Fig. 1 境界判定型平滑化フィルタの方法
Fig. 3 腹部CT画像における境界判定型平滑化
境界判定型平滑化
フィルタと東芝量子フィルタとの比較
撮影条件(120kV, 200mAs) a. Control b. 境界判定型平滑化フィルタ c. 東芝量子フィルタ(mild) (a) (b) (c)