メタノールメーザー観測の今と未来 個人的な意見

メタノール・メーザ小研究会
@山口大学
-前座蜂須賀一也
(上海天文台)
この小研究会のテーマ
1.
過去17年を振り返り、今を知り、
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6.7 GHz メタノールメーザー観測の歩みと今
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2.
世界情勢 (杉山さんのレビュー)
日本情勢 (藤沢さんのレビュー)
個別のテーマ(みなさん)
今後3年間(とその先の未来)を考えよう。
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今後3年間の山口大32mやJVNのサイエンス
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単一鏡として、JVNの一局としての観測システムの整備
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臼田64m(望月さんのトーク)
山口32m(藤沢さんのトーク)
JVNのアップグレード
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VERAのCバンド構築(本間さんのトーク)
高萩局の参加(小林さんのトーク)
EVLA、eMerlinの登場
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みなさんのトーク
高感度で高画質のイメージング観測の登場
そしてEAVNへ
メタノールメーザー観測の歩み
(銀河系内)
MMS開始
発見
山口32m登場
サーベイ
マッピング(ATCA)
Merlin
EVN
JVN登場
これまでのサーベイで、銀河系内に519天体+218天体+?
まだまだサーベイは続行中。銀河系内でトータル数千天体?
マッピングで直線状分布等が確認されたが、ディスクorアウトフロー起源は
まだまだ議論が続いている。
(たぶん)6.7 GHzメーザーで内部固有運動が検出された例は無い
アストロメトリしてのメタノールメーザーは今(?)が旬のテーマ
銀河構造&動力学(6.7 GHzメーザーでも既に始まっている)
系外メーザー探査の歩み
• LMCで発見 (現在3天体で検出)
– Sinclair et al. (1992) 0.12 Jy (detection limit 30 mJy)
– Ellingsen et al. (1994) 0.3 Jy (50 mJy)
• SMC: 非検出
– Beasley et al. (1996) 4 Jy (70mJy)
• SMC: 非検出
• 他の銀河では未検出
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–
–
Ellingsen et al. (1994) 10 galaxies (60 mJy)
Phillips et al. (1998)
87 galaxies (25-75 mJy)
Darling et al (2003)
25 galaxies (0.6 mJy)
Goldsmith et al (2007) M33 (9 mJy)
• 何で系外銀河ではメタノールメーザーが受からない?
6.7GHz メタノールメーザー研究分野
メタノールメーザー
銀河系
星形成領域
澤田-佐藤
系外銀河
岸本
メーザーそのもの
星形成
全体
JVN
石川
どんな空間分布で?
どんな運動を?
サーベイ
(IR源、HII領域、ダスト、
メーザー源、他)
干渉計による絶対位置計測
マッピング
他ラインのマップとの比較
水メーザーとの関連
視線速度分布
固有運動計測?
他のラインとの関連
廣田&今井
杉山
銀河系全体
光度分布
廣田&今井
どんな天体に?
松井
Single dish
石川
構造
アストロメトリ
杉山
土居
土居
動力学
HI吸収線
梅本
観測提案:山口32mと臼田64m
• モニター (山口32m)
– 2004年からの観測を継続(観測天体をほぼ固定)
• これだけのサンプルを継続モニターしている観測例は聞いたことが無い。
• MMSとの競争になるけど、新検出もいくつか期待できる。
– メタノールメーザーの寿命と時間変動の原因を探る
• モデル構築。0.7km/sの意味は?(1月の藤沢さん、本日の石川さんのトーク)
• 平均寿命を単一鏡モニター観測から150年と推定(Ellingsen 2007)
– 光度分布(可能な限りwithout kinematic distance)
• VERAやJVNと協力
• サーベイ
– 系外銀河
• 例えば、まだやられていないM31とか(論文無し)。
見つかれば大事。でも領域が広いし、相当な高感度観測が必須。
割りに合わない観測の可能性大。
どう思います?今井さん(Imai et al. 2001、M31で水メーザー探査経験有り)。
– 天の川の高銀緯(|b|> 2.5・・・MMSの範囲外?)
• 基本的に今までのサーベイは銀河面のみ。
おそらく検出率はかなり低い or 全く受からない。
– Far Outer Galaxy
• ペルセウス腕のさらに外側の領域。たぶん受からない。
メタノールメーザーの系内分布 (Pestalozzi et al. 2005)
MMS (Methanol Multibeam Survey)
Kinematic distance
astrometic distance
観測提案:JVN
• 弱点
– 感度が良くない?
• 悪いなら良くして!
– 100mJy程度の連続波
を受けたい。
– 年中観測できない?
• 視差測定には不向き
• EVNは年に3回
• 長所
– 長期観測が可能
• 絶対固有運動計測
– おらが望遠鏡
• 無茶な観測計画も可能?
– 特に天体数
• 年に最低1回の観測でも可能
なサイエンス
– pcスケールでの巨大分子雲
3次元運動
• 銀河系全体とローカルな星形成
をつなぐアストロメトリ観測
• メーザー源間でスイッチング
– NGC 7538
– W 43, 51, 49, 33など
– 絶対固有運動からnear/far 距離
決定
• それぞれ大きさ・向きが違う
– ~-8 mas /yr (far)
– ~1 mas /yr (near)
• 参照電波源観測は必須
– 弱くて数10mJy程度
• 数で勝負
– スナップショット的な観測
NGC 7538
Maser A,B,C,D,E
Sugiyama et al. 2007
距離:3 kpc、メタ源の数:3
最大視線速度差:7.4 km/s
予測最大固有運動:0.5 mas/yr
Pestalozzi 2006
2MASS image + 1.2 mm conti.
W 51
距離:7 kpc、メタ源の数:>6
最大視線速度差:22 km/s (W51A:5 km/s)
予測最大固有運動:0.7 mas/yr (0.2 mas/yr)
36 pc
2 pc
Kumar et al. 2004
MSX 8 um and 21cm conti.
CH3OH maser in W51A
Phillips & van Langevelde 2005
EVN (phase referencing)
+ 4.8GHz conti. by VLA
水メーザーでトライ(Imai et al. 2002)
W 43
距離:2.6 kpc、メタ源の数:>26 ?
最大視線速度差:42 km/s (Main: 13 km/s)
予測最大固有運動:3.4 mas/yr (1.1 mas/yr)
70 pc
Subrahmanyan & Goss 1996
330 MHz continuum
W43 Main
Motte et al. 2003
1.3 mm continuum
near/far 距離決定
• 近い/遠いで絶対固有運動
の大きさ(向き)が違う。
– 近傍の系外天体と相対VLBI。
– 天体によっては数10mJy の
連続波を選択する場合もある。
– 毎年同じ時期に観測(年1回)。
すぐそこにある未来
• EVLA(今春から試験開始)
– 30 mas, uJy
• e-MERLIN
– 40 mas, 60uJy
• EVN+e-MERLIN
– 5 mas、高感度
• EAVN
– 4 mas?(CVN次第)
– その頃のメタノールVLBI観測のサイエンスは?
• EVN+e-MERLIN+EVLA
– 1.5 mas、高感度
生意気ですが、最後に一言
山口大は
もっと世界へアピールすべき
(VERAのように)
小籠包
もしかしたら来年の春に上海で
東アジアVLBI研究会があるかもしれません。
騒々しい街で空気も汚いですが面白い街なので
興味のある方はご参加下さい。
僕が“夜の上海”をご案内します。
お勧め映画
上海天文台