第32回東京部会秋期大会 後抄録 一般研究発表1‐1 距骨下関節立位荷重 PA 撮影法における管電圧の検討 東邦大学医療センター大森病院 中央放射線部 ○矢崎 森田 智也/辻 亜由美/武田 良昭/南波 哲朗 寛 3.ファントム画像による角度計測 【目的】 方法2で決定した条件と基準とした条件で角度計測に 管電圧を変化させることで、距腿関節をより観察しやす くなると考え、新たに撮影条件を検討した。 変化が生じるかを検討するため、足関節距骨側傾斜角(以 下 TTS 角) ・後 距 踵 関 節 踵 骨 傾 斜 角(以 下 TPC 角) (fig. 1)を計測し比較した。 【使用機器】 X 線発生装置 TOSHIBA KXO−8 0G、線量計 Radcalcorporation model9 0 1 5、画像読取装置富士フィルムメディカ グリッド比5/1 ァントム 1.ファントム画像による管電圧の検討 集束距離 距腿関節直下・距踵関節直下の標準偏差・デジタル値 グリッド密度3 4本/!、下肢フ を測定したところ、管電圧の上昇に伴って標準偏差は減 ル FCR-SpeediaCS、グリッド 1 3 0! 【結果・考察】 三田屋製作所 日本スリーピー・サイエンテフィック 少する傾向となった。しかし、デジタル値の変化はわず かだった。視覚評価として正規化順位法を行った結果か 【方法】 ら、管電圧は8 0kV と9 0kV に決定した。 (fig. 2) 1.ファントム画像による管電圧の検討 2.管電圧に対する mAs 値の検討 前回検討した撮影条件より、A:7 0kV 1 6mAs を基準 として X 線量の等しい mAs 値(B:8 0kV 1 4. 4 0mAs、 C:9 0kV 1 0. 0 0mAs、D:1 0 0kV 8. 0 0mAs、E:1 1 0kV 視覚評価の結果80kV 1 0. 0 0mAs、9 0kV 7. 2 0mAs に 決定した。 3.ファントム画像による角度計測 7. 0 4mAs、F:1 2 0kV 6. 4 0mAs)で下肢ファントムを 基準画像に対して8 0kV・9 0kV それぞれ有意確率5% 撮影し、画像試料6枚を作成した。各試料に対して以下 で検定したところ、有意差がなく計測誤差は同等だった。 の点(a:距腿関節から8! 角度計測の結果に大きな変化がなく、X 線量から9 0kV 近位の脛骨上の点、b:距腿 7. 2 0mAs を選択した。今回決定した撮影条件は、撮影 関節直下、c:距踵関節直下、 時間を短縮できるため、体動による影響を軽減するのに d:踵 骨 の 中 心 部)(fig. 1) 有効だと考えられる。 の標準偏差とデジタル値を測 【結論】 定した。また、視覚評価とし 今回、決定した9 0kV 7. 2 0mAs は、基準とした7 0kV 1 6 て画像試料6枚を正規化順位 mAs と比較して、TTS 角・TPC 角の計測誤差の改善に 法により評価した。 2.管電圧に対する mAs 値の は至らなかった。しかし、視覚評価の結果からは視認性が 検討 向上したと考えられる。また、X 線量は8. 0 1 1c/"となり、 視覚評価により決定した管 従 来 の7 0kV 1 6mAs(1 1. 4 8 0c/")に 対 し て、約3 0%低 電圧に対して、それぞれ最小 減することができた。今後はよりグリッド比の高い物や付 となる mAs 値を決定した。 加フィルターを用いての撮影方法について検討したいと考 Fig. 1 えている。 Fig. 2 視覚評価の結果 1 2 1 36 日本放射線技術学会東京部会雑誌 No.
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