平成26年度 東京都立上水高等学校 学校経営報告 校長 西塚 春義 罫線内は平成26年度学校経営計画の要点 1 今年度の取組と自己評価 (1)教育活動への取組と自己評価 ①【教科活動】学力向上:授業の工夫、改善(教科会、研究授業、相互授業観察、朝学習) 自宅学習促進:継続的学習能力の向上、少人数授業・習熟度別授業 ICT活用を推進:ICTを活用した授業の実施 教科会、教員相互の授業参観、研究授業、校内研修 会等を通じて、教え上手から学ばせ上手の授業を目指 し、アクティブラーニングを取り入れるなど授業改善に取り組んだ。教科主任を中心とした教科会を定例化し、 学力スタンダードに基づく計画的な授業を行い、組織的な授業力向上を目指した。自宅学習時間はやや増加し たもののまだまだ不足している。ICTを活用した授業が増加してきている。 ②【生活指導】全校体制の生徒指導:あいさつの励行、校内美化、時間厳守の徹底 安全で快適な教育環境:厳しく丁寧な生活指導方針の共通理解、教育相談の充実 あいさつの励行、校門指導、登校指導、遅刻指導、服装指導に全員で取り組み、さわやかな挨拶ができる落 ち着いた学校としての評価が定着した。定期異動による転入教員への生活指導方針の継承と共通理解の徹底が 今後の課題である。 ③【進路指導】生徒の自己実現:計画的・継続的進路指導とキャリア教育、総合学習の協働と主体的活動の推進 進路意識の高揚:進路資料の活用、図書館情報教育の推進、情報探索能力の向上 全校体制で面接、論文指導等に取り組み、9期生現役進路決定率93.2%を達成した。MARCH以上現役合格者 数41名で前年比大幅増の進路実現ができた。きめ細かい進路指導に加え、一般受験に挑戦する生徒が増加し、進 路指導部と年次担任の協力体制が構築できた。 ④【健康づくり・防災教育】安全で快適な学習環境:校内美化の徹底、キャリア教育と保健計画の連携 心の悩みへの早期対応:教育相談機能の充実 防災教育の推進:地域と連携した防災訓練(宿泊訓練など)の実施 美化委員会の活動を活性化し、校内美化を徹底した。スクールカウンセラーだよりを定期的に発行し、ストレ スや心の悩みへの対処法等を具体的に示した。カウンセラーと保健部、年次担任の協力体制を強化した。宿泊防 災訓練等により防災意識が高まったが、地域との連携は今後の課題である。 ⑤【特別活動・部活動】特別活動の活性化:行事内容・時期の見直しによる授業時間の確保 部活動の活性化:体罰等の根絶、学習と部活動の両立の支援 部長会を原則毎週、定期的に開催し、部活動活性化に資した。部活動新聞を年間16回発行するなど、部活動を 推進した。各行事は、実行委員会が中心となり生徒が主体的に取り組んだ。部ごとの家庭学習時間を算出するな ど、学習と部活動の両立のための工夫を行ったが、さらに検討が必要である。 ⑥【開かれた学校づくり】存在感を高める広報活動:生徒募集・広報活動・学校説明会の充実、教育活動の公開 地域に根ざした学校の実現:地域や中学校との連携、地域行事への積極的参加 生徒の協力により、学校説明会の内容は充実した。ホームページの更新は年間100回をはるかに超え、生徒・ 保護者、中学生とその家族・地域への広報活動が強化できた。中学校や塾等の学校説明会へも積極的に参加し、 本校のPRができた。地域での評価は定着してきているが、地域行事への参加はまだまだ少ない。 ⑦【学校運営・組織体制】全教職員が関わる学校経営:サクシードプロジェクトによる課題検討、後期への改善 個人情報管理体制の強化:個人情報管理の徹底 指定事業の推進:新教科の工夫・改善、オリンピック教育推進 サクシードプロジェクトで、開校から10年の成果と課題について検討を重ね、生活指導方針の共通理解、広報 活動・学力向上の方策検討、定期考査の見直し、宿泊行事の見直しを行った。学校評価アンケートを9月末に実 施し、集計結果から課題把握し、改善策を検討し実行した。個人情報管理については、朝の打ち合わせ・職員会 議等で管理職から頻繁に注意喚起を行い、適正な管理の徹底を図った。新教科先行実施校として、テキストを活 用した学習を行った。オリンピック教育推進校として、宿泊行事等により国際理解を深め、一日校長先生などで オリンピックへの意識付けを行った。 ⑧【特色ある学校づくり】コミュニケーション能力の育成:国際理解教育の推進、大学との連携の推進 表現力の育成:英語力向上、外国人との交流活動の充実 人権教育の推進:相手の立場に配慮できる生徒の育成、組織的な人権教育の推進 1年次生のアメリカンサマーキャンプ、2年次生の進路探索研修旅行が充実して実施でき、国際理解教育を推 進できた。一日大学体験入学等により進路意識を高めることができた。表現の授業にも熱心に取り組み、充実 した発表会ができた。英検受験者はまだまだ少ないため、受験を積極的に勧め、英語力の向上、学力向上に結 び付けられるようにしていく。留学生が先生などの行事を中心に人権教育を推進した。 (2)重点目標への取組と自己評価 ①教科主任を軸とした教科会の充実により、全教育活動を通じて学力の向上を図る。 [数値目標] 学力向上(教科会、夏季集中講座等の実施)偏差値5点up、進路第一志望決定率90%以上 自宅学習時間の確保1,2年次60分以上、高大連携校10校以上、MARCHレベル以上の大学合格者20名以上 夏季集中講座、朝・放課後講習等の実施により、センター試験偏差値は英語・数学・日本史で2以上up ★進路決定率 93.2%で目標達成 自宅学習 昨年よりは増加したものの、1年次46分、2年次42分で目標を達成できなかった ★MARCH以上合格者41名で目標を大きく上回る成果 ②相互授業観察、ICT活用推進を通し、授業を改善し、確かな学力を定着させる。 [数値目標] 進路第一志望決定率90%以上、MARCHレベル以上の大学合格者20名以上 校内研修会5回、研究授業10回以上 ★進路第一志望分野合格率93.2%、MARCH以上合格者41名 相互授業観察週間実施、校内研修会3回実施、研究授業10回実施 ③部活動を推進し、気力・体力の増進を図るとともに、豊かな感性と人間性を高める。 [数値目標] 広報活動の充実(部活動新聞の発行) 関東大会・全国大会出場、都大会ベスト16以上6部以上 部活動新聞16回発行、部長会は原則週1回定期的に開催し、部活動推進に寄与 ★放送部:全国大会出場決勝進出・全国総体開会式アナウンス担当 ★陸上部・剣道部・放送部:関東大会出場 吹奏楽:都コンクール金賞受賞 ★都大会剣道女子団体2位、卓球女子団体ベスト8、女子バスケット・女子サッカーベスト16など7部で目標達成 ④国際理解教育、表現力の育成、高大連携、高専連携の拡充など体験型教育を推進する。 [数値目標] アメリカンサマーキャンプ等体験行事の満足度80%以上 上水祭の入場者数2500人以上 ★アメリカンサマーキャンプ満足度は93%、進路探索研修旅行満足度80%で目標達成 ★上水祭参加者2,975名で目標達成 ⑤生徒理解の深化を図り、生徒・保護者が教職員の面倒見がいいと感じる学校をつくる。 [数値目標] 学校だより延べ発行数30部以上、登校指導の実施、欠席者、遅刻者の減少1日5名以下 学校見学会・学校説明会の来校者数3000名 ★学校だよりは、広報上水3回、生徒部4回、進路部6回、年次合計34回で目標達成 ★登校指導、進路指導は年間を通じて全授業日に実施、遅刻者数1日平均3.2名 本校の教育目標、教育活動全般に関しては、保護者の関心が高く、平均90%を超えている ★学校行事の満足度も保護者、生徒ともに93%、部活動の満足度も保護者95%、生徒96%である 信頼できる教職員がいるという項目については、保護者86%、生徒77%が肯定的な回答 ★したがって、本校に対する満足度は、保護者、生徒ともに高いといえる 学校見学会・学校説明会(校内・校外)の参加者は合計2991名 2 来年度以降の課題と対応策 昨年度の開校10周年を区切りとし、新たなステージで学力向上、人間力の育成に向け組織体制を強化し、学校改 革に取り組む。 (1)本校の教育理念、指導方針等の共通理解を確認し、組織的、計画的に教育活動に取り組む。 ①上水サクシードプロジェクトによる開校から10年の総括、新たな10年に向けた課題の検討をもとに、具体的な 改善策を立て、本校の教育活動をさらに推進する。 ②学校経営報告、学校経営計画の共通理解を図るために、協議する場を設ける。 ③PDCAサイクルを短くし、夏季集中討議、学校評価アンケートの分析等により前期の成果と課題を明確にま とめ、後期に改善する。 (2)学力向上のための授業改善に全校体制で取り組む。 ①学力向上委員会を活性化し、授業改善研修、国際理解教育、土曜補習を実施する。 ②教科会の定例化により組織的な授業力の向上を図る。 ③学力スタンダードの策定、実施により授業改善OJTを充実する。 ④生徒の学習時間を増加させる(課題や宿題、生徒主体の授業による学習意欲の向上) 。朝学習の実施。 ⑤ICTを活用した授業を展開する。 (3)上水高校の理念、学校の様子を明確に伝える広報活動を組織的、効果的に推進する。 ①学校説明会の内容、方法を工夫・改善し、より効果的な説明会とする。 ②学校だよりをさらに充実させ、地域へ発信する。 ③広報活動をさらに充実、発展させるために、学習塾等への積極的な働きかけを行う。 ④ホームページの内容の充実ときめ細かい更新を行い、タイムリーな情報を発信し続ける。 (4)高大連携、表現力の育成、国際理解教育等の本校の特色をさらに進化させる。 ①近隣の国立音楽大学、北多摩看護専門学校をはじめ、新しい高大連携の在り方、方法を検討する。 ②表現力の育成計画について、高校生活3年間を見通して検討し実践する。 ③国際理解教育の成果を踏まえ、英語学力向上のための新たな方策を検討する。 (5)教職員、保護者、生徒が共通理解のもと、一体となって教育活動に取り組む。 ①保護者会の充実、学校だより等の配布物の周知、保護者・生徒の協力による進路学習等の実施により、学校と 家庭が協力をして教育活動を推進できる体制を整える。 ②PTA活動における保護者向け進路行事等を発展充実させる。 ③学校評価アンケート等が、建設的で内容のあるものとなるよう、質問事項の内容等を工夫する。また、経年変 化を調査し、今後の学校生活に資するものとする。 3 「目指す学校像」及び「中期的目標と方策」の達成状況(26年度教育活動とのかかわり) (1) 「本当の学力を育成できる学校」は、キャリアガイダンスの充実、豊かな体験活動の成果により達成されつつ ある。しかし、自宅学習時間の増加と授業改善は本校の最重要課題である。アクティブラーニング等の生徒 主体の授業への転換を含め、学力向上委員会でその課題解決に向けて取り組む。 (2) 「進路希望を実現できる学校」については、一般受験を推奨する進路指導及び総合的な学習の時間の成果等に より、目標を大きく上回ることができた。単年度の実績に終わることなく、学力向上への取り組みとともに 今後も継続して進路実績の向上に取り組む。 (3) 「健康で活力あふれる学校」は、何事にも熱心に取り組む生徒、熱意あふれる教職員や保護者、連携する大学 等の支援で実現されていると考える。この成果を生かしながら、充実した学校行事・部活動と学習との両立 を図ることが今後も継続する課題である。 (4) 「地域に根ざした存在感のある学校」は、奉仕・ボランティア活動を通し、地域清掃、地域祭りへの参加に加 え、吹奏楽部の小中学校との合同音楽会への参加などにより、地域への存在感は多少前進したが、十分な貢 献はできていない。今後は、地域との交流の観点から小・中学校との連携、自治会との連携等、より具体的 な活動に取り組み、本校が地域の生涯教育の一端を担うことができるよう努める。
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