フィブリノゲン測定時のFDPの影響について

FAQ(血栓・止血)
フィブリノゲン測定時のFDPの影響について
Q FDPが高値の場合、フィブリノゲンの測定に影響があるでしょうか。
A
トロンビン時間法を用いたフィブリノゲン測定において、高濃度にFDP(フィブリン・フィブリノゲン
分解産物)が存在すると、フィブリノゲン濃度が正確に測定できない場合があります。
トロンビン時間法は、試薬として過剰のトロンビンが検体に添加され、混合試料が凝固するまでの時間
を測定します。その凝固時間からフィブリノゲン濃度を算出します。通常の場合、過剰のトロンビンの
添加と検体の希釈により、検体の影響を受けずに測定することが出来ます。しかし、測定試料中に過剰
のFDPが存在すると、FDPがトロンビン活性を阻害して、凝固時間が延長することがあります。このた
め、見かけ上、フィブリノゲン低値となることがあります。
フィブリノゲン濃度が正常の場合に影響は僅かですが、フィブリノゲン濃度が150mg/dL以下でFDP濃
度が75μg/mL以上の場合は影響が大きくなります。