複合因子Tにおける検体活性化

FAQ(血栓・止血)
複合因子Tにおける検体活性化
Q 複合因子Tの測定において、ワーファリン服用患者の検体が経時的に秒数短縮するこ
とがあります。原因はなにが考えられますか。どの程度短縮するでしょうか。
A
複合因子T試薬にはウシの組織因子(トロンボプラスチン)が用いられており、検体の低温活性化(コー
ルドアクチベーション)を強く受けると言われています。活性化の程度は検体によって異なりますが、
全血のまま低温で検体を保存した場合には、顕著に秒数が短縮します。下記に全血冷蔵保存での短縮の
例(%)を示します。
採血直後 1時間後 2時間後 3時間後 4時間後
30% → 40% → 60% → 90% → 120%
コールドアクチベーションはPT試薬において秒数短縮の影響があると言われていますが、試薬の組成に
よって影響の程度が異なります。複合因子Tほどではないですが、リコンビナントPT試薬においても秒
数短縮の傾向があります。