教室活動を楽しくしよう ー中級会話クラス活動の例ー 交流協会高雄事務所 中濱 晴美 1 はじめに ・楽しい会話の授業にするにはどうしたらいいのか 学生達が日本語で話したくなるようにさせるには ・教材を工夫する ・学習環境 ・興味のある話題 2 中級会話授業の目標 初級で習得した文型、表現が使える 受動的な会話から能動的な会話へ 自分が伝えたいことを日本語で表現 できる 3 ビジターセッション 日本人のゲストをクラスに呼び、学生 達にインタビューをさせる。 学生が興味を持って能動的に発話で きる環境を作り出す。 教室をできるだけ現実の世界 に近づける。 4 インタビュー授業の目的 日本文化・日本社会についての情報を 日本人を通して学ばせる。 実践を通して、会話能力を習得させる。 ・談話能力(会話の開始、継続、終了の仕方、あ いづちの打ち方など) ・社会言語能力(待遇表現、話題の選択能力) ・ストラテジー(strategy)能力 (聞き返し、言い換え ) 5 シラバスの例 (高雄第一科技大学 二技 3年生) (各週2時間×6回=計12時間 ) トピック 内容 第一週 インタビューと は インタビューを聞かせる。インタビューが どういうものかを理解させる。 第二週 インタビューの インタビューで使う表現の導入を行う。練 練習 習を4~5人のグループで行う。 第三週 インタビューの 各グループでテーマを決めて、日本人の 準備 ゲストに対する質問を考える。 第四週 ゲストに インタビュー 日本人のゲストを数名招く。インタビュー を行う。 第五週 インタビューを まとめる インタビューをした結果のレポートを 作らせる。 第六週 発表・評価・質 各グループが発表を行う。発表しない 問 グループは他グループへの質問と評価を 6 行う。 授業の様子 文藻外語学院 日文系 五專 五年生 「新階日語会話」 ゲストの背景 一人目・・・高雄市在住の日本人留学生 二人目・・・高雄市在住の主婦 夫(日本人)の仕事の都合で来台 7 授業の振り返り インタビューの授業後、学生にアンケート をとる 〈回答例〉 ・普段日本語を使って日本人と話すことがないので、良い機 会となった。 ・日本人の考え方がよくわかった。 ・自分の日本語は語彙不足であることに気づいた。 ・会話を継続させていくことが難しかった。 →自分の「日本語の力」を知る良い機会とな る 8 ビジターセッションの有効性(横須賀,2003) 自然なインターアクションができる。 学習への高い動機付けができる。 学習者・ビジター両者の社会文化能力を 向上させることができる。 9 反省点と改善点 インタビュー時間 評価方法(学習者+教師) 10 参考文献 岡部真理子(1997)「ビジターセッションのすすめ」『月刊日本語 8 月号』 アルク 国際交流基金(2007)『国際交流基金 日本語教授法シリーズ話す ことを教える』 ひつじ書房 中井陽子(2003)「談話能力の向上を目指した会話教育ービジター セッションを取り入れた授業の実践報告」『講座日本語教育 Vol.39』早稲田大学日本語研究教育センター J.V.ネウストプニー(2002)「インターアクションと日本語教育ー今何 が求められているか」『日本語教育112号』 日本語教育学会 原田明子(2004)「海外におけるインターアクション能力を伸ばす学 習環境デザインー早稲田Education(Thailand)Co.Ltdでの活動 報告から」『早稲田大学日本語教育研究Vol.4』 早稲田大学 11 堀歌子・三井豊子・森松映子(1996)『インタビューで学ぶ日本語』 凡人社 山内博之(2000) 『ロールプレイで学ぶ中級から上級への日本語会 話』 アルク 横須賀柳子(2003)「ビジターセッション活動の意義とデザイン」 『接触場面と日本語教育』明治書院 12
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