腰椎脱臼骨折に伴った腸管絞扼の1例

腰椎脱臼骨折に伴った
腸管絞扼の1例
札幌徳洲会病院
整形外科外傷部
札幌東徳洲会病院 外傷部
○新井 学 土田 芳彦 村上 裕子 磯貝 哲 辻 英樹 倉田 佳明
高橋 信行 橋本 功二 平山 傑 井畑 朝紀 成田 有子
名和 正行 田邊 康 熊谷明史
はじめに
脊椎骨折部に腸管が絞扼される 損傷病態は
極めて稀である
・
今回、我々は第3/4腰椎脱臼骨折部に
空腸が絞扼された 1例を経験したので
報告する
・
59歳 男性
伐採作業中に安全帯により側方に牽引
脊椎に過伸展力
腹部圧痛(−
)
腹膜刺激症状(−
)
腰椎X線
第3/4腰椎脱臼骨折
下肢の神経学的所見(−
)
axial
腹部造影CT
coronal
sagittal
同日緊急開腹術(受傷後4時間)
後腹膜内に引き込まれた 空腸
損傷され た 解除後の空腸
術後X線
Synthes 6.25mm pedicle shantz screw
考察1.椎体骨折部への腸管嵌頓例の報告
現在までに6例の報告
・
Richard
Rodger
Metaizeau
Ford
Vermassen
Eldridge
J Trauma 2000
J Pediatr Orthop. 1991
J Pediatr Surg. 1980
J Pediatr Surg. 1979
Injury.1988
J Trauma 1993
考察2.受傷機転について
過伸展
嵌頓
Hyperextention of the Lunber
Vertebrae with Entrapment of
Strangulation of Small Bowel
Richardら 2000
考察3.診断と治療について
(
・
過去全6例が腹腔鏡による術中診断
・
初診で診断され た の は 1例のみ
残り5例 3∼13日経過後 イレウ ス 症状で診断)
診断、治療が遷延
腸管切除が必要
敗血症を併発しや す い
高速ヘリカル CTによる矢状断、冠状断への
改変が診断を容易にした
結語
腰椎脱臼骨折に伴った 稀な腸管絞扼の
1例を報告した
・
腹腔内臓器損傷を疑い2次元改変CTを
施行することで
容易に術前診断にいたり、
迅速に治療することができた
・