医療法人 光の会

医療法人 光の会
第48号
2015.4.15
〒759-6312
山口県下関市豊浦町大字黒井97-50
TEL083-772-0014
FAX083-774-3460
E-mail: info@shigemoto.or.jp
ホームページ http://www.shigemoto.or.jp
目次:
2ページ
新規採用者研修会の報告
~南館1病棟主任 吉田由香~
3ページ
~北館2病棟 梶山美和子~
3ページ
第30回維新・海峡ウォークに参加して
~北館2病棟 田村小夜子~
4ページ
デイケア活動 イチゴ狩り
~デイケア主任 中村良太郎~
4ページ
日本精神科病院協会通信教育受講の感想
病院理念
誠意をもって医療にあたろう
心病む人の痛みを理解しよう
心の和む雰囲気を作ろう
基本方針
患者本位の医療を実践する
運営方針
地域生活支援を視野に
病院と一歩社の一層の連携を促進しよう
-1-
新規採用者研修会の報告
平成27年度新規採用者研修会を終えて
4月1日より3日間の日程で、研修参加対象者12名が重本院長の「重本病院の現状と今後の展望」、院内
感染対策、医療安全対策を始めとする15の受講内容で研修会に参加されました。中でも精神科に特化した
「患者行動制限最小化について」や「精神保健福祉法について」では、患者の人権や治療上での安全確保、
法に基づいた医療や看護の講義であり参加された方も興味深く耳を傾けていました。
講師となり担当した職員も、この日の為に資料作りやスライドの作成を行い受講された採用者と同様に良
い緊張感を抱き達成感ある研修会になりました。
私は数年間総合病院の急性期病棟で看護を行ってきましたが、入職する
まで精神科看護について深く考えることはありませんでした。今回採用者
研修会を終えて振り返ってみると色々と自分なりに考えてみる機会を得た
と思います。
自分もたまに眠れない日があったり、落ち込んだりすることもあります
が十分な休息や気分転換、家族や友人からの助言ですぐに立ち直ることが
できます。しかし、それが1週間、1ヵ月過ぎても改善せず、自分の役割を
果たすことができなかった時は薬物や専門家の助言を受けなくてはなりま
せん。でもこれは精神科の患者にだけ当てはまるのではなく、全ての疾患
に当てはまるものだと感じました。決して精神科の病気だからといって特
別な人間に変わってしまったのではないのだと思いました。どんな病気でもその人のあり方を見守り、支えるこ
とが看護には必要なのだと再認識することができました。
研修会で印象に残った「患者行動制限最小化について」の講義では、今までの自分の考えを改めなければなら
ないと思いました。人工呼吸管理中の挿管チューブ抜去のリスクや24時間維持透析の患者、手術後せん妄のあ
る患者の中心静脈抜去のリスクがある患者には、危険だからという理由で当たり前の様に身体拘束を行ってきた
ように思います。どうしたら抑制をせずに患者さんを安全に過ごしてもらえ
るか、もっと考えていかなければならなかったと感じています。講義であっ
た「看護は拘束すれば楽になる。しかし行動制限を行うことで患者にもリス
クがある」ということがとても印象に残っています。今後もこのことを念頭
に置き患者の人権、人格を尊重して考えながら行動していかなければならな
いと感じました。精神科看護は始めてのことで不安もありますが、今回の研
修を終えて精神科看護とは何かということをもっとしつかりと学び、自己啓
発に励んでいかなければならないと感じました。
南館1病棟看護師 石田賢次郎
多くの講義をして頂いたのですがその中でも特に印象に残り重要だと感じた事を書きたいと思います。まず重
本院長先生の講義で患者さんの呼び方についてお話がありました。それは患者のことは「患者さん」と呼ぶこと
です。なぜかというと昔は患者のことを「患者さん」でも「患者様」でもなく「患者」というように読んでいた
そうです。今では「患者様」という呼び方もありますがあくまでも対等な関係であるという意味で「患者さん」
というように呼ぶよう心がけているという話でした。上下関係でなく患者さんとスタッフは人と人でありそれは
対等な関係でなければなならないということだと思います。そして病院の理念についてもお話をして頂きまし
た。病院の理念は“誠意を持って医療にあたろう”“こころ病む人の痛みを理解しよう”“心の和む雰囲気を作
ろう”です。以前はもっと長い文章での表記だったそうですがスタッフが覚えやすいようにと短くしたとおっ
しゃっていました。現在の仕事の就労支援ではメンバーさんとスタッフが信頼関係を築くことは重要な事の一つ
です。その信頼関係気付くには、この理念に記されている事は必要不可欠な事だと思います。
次にグループ討論です。グループ討論ではそれぞれが研修を終えての感想を発
表したのですが、そこで研修ではなぜ病院や一歩社の各施設の説明があったのか
という疑問が挙がりました。その疑問の答えは各施設や部署、専門職の連携が重
要だということだと考えます。病院だけの治療だけで終わるのではなく退院後に
一歩社などの施設を利用することによって最後まで患者さんのケアをするという
事を教えて頂いたのだと思います。退院後の事だけではなく病院内にも多くの部
署や専門職があり連携を果たしているようでした。このように各専門職が連携を
とる事で患者さんあるいはメンバーさんの支援は良い方向へ進んでいくのだと思
いました。
ワークハウス一歩社 緒方優宇騎
-2-
3日間、重本病院各部署の講師のお話を聞き、又、見学をさせていただき大変勉強になりました。私は医療、福
祉の現場で働くことが初めてとなりますので、見るもの聞く事全てが新鮮で興味深い内容でした。
採用面接時に院長先生が「今までとは全く違う分野の仕事ですが不安は無いですか?」とおたずねになられま
した。正直なところ不安は大きく職場の先輩の足手まといになってはいけないと焦る気持ちがありました。
研修を受け、各部署、それぞれが重本病院の理念を念頭に患者さん本位の医療を行うという事を徹底しているこ
とを教えられ、素晴らしいプロ意識を持った方々と働くことができる喜びとともに自分も役に立てるように地道
に頑張ろうという前向きで落ち着いた気分になれました。
どの講義も気付かされる事、勉強になる事ばかりでしたが、なかでも副院長
先生の人間性についての講義からはこれから働くなかで必要な数多くのヒント
を与えていただきました。自分の中には自分の知らない数多くの自分が存在し
年を重ねるごとに新しい自分が増えていくと事。これから色んな経験を積み、
どんな自分がどれだけ増えるか楽しみでもあります。ご縁がありこの仕事を与
えられた事に感謝し、新しい環境でしっかり根を張り自分らしい花を咲かせる
事ができるように頑張りたいと思います。
ほっとホーム一歩社 稲田小夜子
日本精神科病院協会通信教育受講の感想(平成26年度)
当院では職員教育の一環として、日本精神科病院協会の教育プログラムである通信教
育を毎年受講しています。26年度は2名参加しました。
第34回通信教育「上級者コース」
私は、昨年の12月7日から5日間、神奈川県のホテル横浜ガーデンにて第34回「上
級者コース」のスクーリングに参加させて頂きました。1日目は最近の病院精神医
療、アルコールと薬物依存等の講義があり精神保健福祉行政の歩みや、今後の認知症
施策の方向性について学びました。これまでの認知症のケアは、認知症の人が行動、心理症状等
により「危機」が発生してからの「事後的な対応」が主眼でしたが、今後目指すべきケアは危機
の発生を防ぐ「早期、事前的な対応」に基本を置き、認知症の医療は初期、軽症から関わることが望ましい。早期から
精神医療が関わることで、BPSDの発症の軽減や回避及びQOL、ADL、認知機能の低下が少なくなる。社会全体で認
知症の人々を支える為、介護サービスだけでなく地域の自助、互助を最大限活用することが必要であると言われていま
した。2日目の午後は5Gに分かれて「精神看護」についての事例検討会、3日目は、事例の全体発表でした。様々な事
例がありましたが違った角度からの視点や発想の転換、工夫等活発な意見が飛び交いとても良い学びとなりました。4
日目は病院実習、最終日は老年期の精神障害、クリティカルパスの講義がありました。病院実習では転倒、転落を防ぐ
ために離床マットをスタッフで作成し、ナ―スコールと携帯に連動し即座に対応できるように工夫されていました。何
とか患者さんの事故を防ぎたいというスタッフの労力を惜しまず看護に従事する姿勢は頭が下がる思いでした。今回の
研修では様々な意味で看護の原点に振り返って考える事ができ、看護師人生をみつめなおす有意義なものとなりまし
た。
南館1病棟主任 吉田由香
第34回通信教育「上級コース」
日々の慌ただしさから、私は自分自身を振り返る時間を失ってしまうことが良くあります。
今回のような、通信教育、スクーリングという機会を生かせば、病院だけでなく、外の世界、標準的知識と
いうものに触れられ、私自身の中の新しい扉が開けるのではないかという思いで、平成26年6月から日精
協通信教育を受講させていただきました。
5日間にわたるスクーリングでは、集中講義が多面的に実施されました。事例検討会では、実際の場面で起こった事
例を受講生同士で検討し、事例提供者の問題を解決すると同時に他の受講生が自分自身の問題として捉え実践活動に生
かす事を目標に実施されました。
日本の医療は、医療従事者のマンパワー不足や膨張する社会保障費などの社会問題を抱えて試練の時を迎えていま
す。精神科医療においては、統合失調症患者さんの高齢化と身体合併症、うつ病や認知症の急増、年間3万人の自殺
者、発達障害の増加等、精神科医療に関わる者の課題が山積みである事を知りました。これらの課題を解決していくた
めには、各スタッフが能力研鑽の努力をし続けることと、多職種の医療スタッフによるチーム医療の実践が今まで以上
に必要になってくると思います。
今回の通信教育で得た知識と、日々の患者さんから学んだ経験を自分自身の中で統合しより良い看護が提供出来るよ
うに活かしていきたいと思っています。
北館2病棟
-3-
梶山美和子
第30回維新・海峡ウォークに参加して
4月5日の日曜日、維新の史跡と春の関門海峡沿いの景色を楽しむイベント「海峡ウォーク」に、病棟の
仲間4人で参加し完歩しました。
前日から深夜の大雨、雷も朝には止みスポーツには快適な天候となり、参加者の思いが通じたのでしょう
“てるてる坊主さんありがとう”。
今年の参加者は最高年齢“90歳”のおばあちゃんを筆頭にベビーカーに乗った乳児、保育園児、小学
生、看護学生も揃いのジャージ姿で参加。なんだか初々しく見えました。90歳の
おばあちゃんに比べれば私なんか子供。負けられるかと闘争心が沸いてきました。
明治維新、新しい日本の礎を築いた幕末の志士、高杉晋作像前で記念の写真を1
枚。薩摩と長州を結んだ吉田産のお米入りのお守りを購入。無事故を祈願して、東
行庵を後にいざ、ゴール目指して出発。早速満開の桜が沿道で出迎えてくれまし
た。今年4回目の参加の私でしたが今回初めて桜並木を歩くことが出来、楽しく、
ハッピーなウォークです。途中での関所では“よさこい”等のイベント、お腹を満
たしてくれるバザーでの食事。楽しみも倍増。功山寺の関所を通るとそこからは勾
配の激しい一番の難所、距離も10キロと長い山道に入って行きます。ひたすら前
を向き、足を進めて行く。坂を上りきるとご褒美の無料のお菓子とジュースが配ら
れます。しかし、喜びも束の間。長い下り坂に入り、足腰に負担がかかります。最
後の難所“亀山八幡宮”の階段。ひたすら下を向き一段一段上りきるとシーモール
まであと2キロ。最後の力を出し切って30キロ完歩。タイムは6時間を少し切るこ
とができました。感動です。これは、毎年同じで自分の事を褒めます。来年はメン
バーが増えるといいなって思いながら、自分の目標“60歳”まで頑張るぞ!
北館2病棟 田村小夜子
デイケア活動 イチゴ狩り(花の海)
毎年、この時期にレクリエーションと
してイチゴ狩りに出かけています。ハウ
ス内ではそれぞれが気に入ったイチゴを
見つけて色々な品種を食べ比べたり、お
互いの食べた数など聞いたりしていまし
た。今回新しいメンバーや普段参加しないメンバーも加わ
り少しずつ親しくなったりと楽しい時間を過ごすことがで
きました。
デイケア一歩社主任 中村良太郎
診療実績3月
(全病棟)
新入院数・・・・・22
退院数・・・・・・18
1日平均在院数・・199.6
平均在院日数・・309.5
病床利用率・・・93.3%
(外来)
患者延べ数・・・1145
初診患者数・・・・13
1日平均患者数・・45.8
患者さん・医療者の良好な協調関係(パートナーシップ)を強化するために
医療は基本的には患者さんと医療者の共同作業です。医療者から一方的に押し付けるものでもなく、また
患者さんの側から一方的に要求するものでもありません。患者さんと医療者がお互いを尊重、理解し合え
る良好な協調関係(パートナーシップ)を基に、患者さん個々の病状などに応じた適切な医療を共に考え
ていくことが、信頼と安心のできる医療の実現のためには必須です。
患者さんと医療者との協調関係(パートナーシップ)の構築のため、われわれも努力いたしますので、
患者さんも以下の点でご理解とご協力をお願い申し上げます。
・自分自身の健康を守る最高の担い手は患者さんご自身です。
その患者さんと共に私たちは医療を進めていることをご理解ください。
・自分自身の健康に関する情報はできる限り正確にお伝えください。
治療中に体調や症状に何か変化が見られた場合は直ちにお知らせください。
・病状や治療方針について医療スタッフの説明がよく理解できない場合はお尋ねくだ
さい。どうしても納得できない場合は、他の病院・他の医師に意見を求めることを
お勧めします。
・医療の安全性を保ち、他の患者さんの安静を損なわないように定められた規則をお
守りください。
・医療の安全性を高めるための努力を最大限に行なっていますが、あらゆる医療行為
は本質的に不確実なものであり、様々な結果が生じる可能性をご理解ください。
・患者さん本位の医療実現のため過剰な投薬や治療期間終了後の不必要な入院等を避
けることにご協力ください。
-4-
~編集後記~
新年度が始まりました。
気が付く方は少ないと思い
ますが表紙の「運営方針」
も新しくなっています。新
年度の目標や計画が少しで
も達成できるように努力し
たいと思います。
広報委員:瀬戸口