分析過程の鍵となるフェイズ Bruce Elliott and Machar Reid The School of Human Movement and Exercise Science The University of Western Australia 技術を分析するときによく「すべてを見ようとするコーチは何も見えない」とよくいわれる。これ は特に上級者をうまくしようとうする時におこる。これはパフォーマンスを向上させる技術の変化 がとても僅かだろうからである。こうした理由から Elliott and Alderson, (2003), Knudson and Morrison,(1997), Knudson and Elliott, (2003) のような本ではすべて技術評価に対する計画的アプローチが主張されている。このアプローチは一 般的には4段階に分類できる。 1.準備 2.観察 3.評価 4.介入(その後再び観察) これらの分析過程の分割された部分はITF Worldwide Workshop in Portugal.で議論された。プレ ーヤーのパフォーマンスの理想的なモデルをつくり(頭の中でー準備フェーズ)、プレーヤーの技 術をいろいろな条件で分析する(練習中、プレッシャーをかけた練習中、試合中)。 ストローク分析の観察/評価フェーズでは観察された結果が前に考えられた理想的ストロークと比 較される。この次に問題点が分かり、これにより修正方法がプレーヤーに伝えられる(介入)。 プレーヤーはいろいろな方法で学ぶことは確かである。単純な言葉による指導でも技術を変化させ るのに充分なプレーヤーもいるし、 その一方で動作の修正が必要なところを強調した視覚的なフィ ードバックの方が好ましいプレーヤーもいる。どのような介入方法がいいかを決めるとき、いくつ かの要因が考えられなければならない。第一にスキルである。次にプレーヤーの性格、ゲームスタ イル、プレイのレベル、経験、性別、そして身体能力である。 総合トレーニングの裏にある哲学はいろいろな方法が組み合わされれば学習がより効果的になる ということである。さらにこのこまかくいうと、これは必要なメカニカルな変化を引き出すための 身体的、心理的、技術的な刺激と関係する。 「複合トレーニング」という言葉が身体的、技術的な目的が組み合わされときに使われるが、総合 トレーニングは技術的な「自己発見」へと導く。 プレゼンテーションでは技術 (Te)、戦術(Ta)、身体(P)の鍵の例が示される。そしてストロークプ ロダクションにおけるいくつかの異なった欠点に対する総合的介入方法が示される。 技術的な面か らみると読者はストローク技術を変える古い方法―新しい方法を考えるかもしれない(Hanin et al., 2002)(Table 1)。このアプローチの実際の使い方の例は下のようにオンコートで行う。 表1 サーブ 1.効果的でない脚力の使い方 ・Te:足の位置が悪いー体幹の回転と腰の動きと関連させる。 ・Te:膝の屈曲の不足―バックスイング、インパクトでのラケットの位置と膝の屈曲を関連させる。 ・ Te::いすにタッチし、サーブ、アラベスク着地を強調する ・・Te: Touching chair underneath bottom, serving and exaggerating arabesque landing. Ta:後ろのフェンスからサーバーサイドのサービスラインとネットの間に張ったロープをこえるキ ックサーブ P:サーブのときデプスジャンプをする、バレーボールスパイクそれからサーブ、pogoジャンプ(足 関節屈曲のため)そしてサーブ、砂の入ったバケツにはだしで入ってサーブ(またはトランポリン の上で) 2.不適切な体幹のローテーション ・・Te:インパクト後、後ろ足で着地―ツイストローテーションのレベルをチェック ・・Te: 外側の打球可能範囲における体幹と上腕の外転角―体幹のローテーションと関連付ける ・・Ta: バックハンドコートのサーブだけで練習する。リターンを素早くプレーヤーのフォアハ ンド側に送る。 ・・P:オーバーハンドメディシンボール投げで高く投げる( cartwheel ローテーションを強調) オーバーハンドメディシンボール投げで遠く投げアラベスクフィニッシュする。丸く cartwheelする(前後方向の屈曲と協調させる)、そしてサーブ、負荷をかけた高い投球つづ いてサーブ 3.内旋が弱い ・・Te: フォワードスイング中に上腕を内旋しないーボールのトスと関係 ・・Te:フォワードスイングで内旋スピードが不足―フォロースルーでラケットの位置と関係 ・・Te: サービスラインからのサーブ、サービスボックスでボールができるだけ高くバウンドす るようにしている。ラケットフェースpalm in ‐ palm out; standing front on serve into ground. ・・Ta:卓球をする(サーブを自分のサイドでバウンドさせ、そのあと相手のサイドにバウンドさ せる);ファーストサーブ33/4コートから行う(小さいプレーヤーに最高の速さで打たせ、 ネットを越えるためのスピンにこだわらない)。 ・・P:Theraband swing throughs /重いラケットですい具した後サーブ; cuff dribble のあと最 大に投げる。 4. バックスイングのとき肘が下がる ・・Te: 投球技術;edge forward racquet position;バックハンドスマッシュの練習 ・・Ta: Rope over net; キックサーブのみ。 ・・P: 内旋筋をストレッチ(ドロップエルボーは大胸筋のストレッチを緩和する); theraband 外 転および外旋; cuff dribble;外旋による後方投げをおこなってから通常の前方への投球。 フォアハンド 1. penetrationの不足 ・・Te:バックスイングの位置、使われている部位の数、体幹のローテーション開始時の後脚によ る力の発生をチェック。 ・・Ta:フォアハンドドライブまたはドライブボレーだけを使ったクロスコートのラリー; ハー フコートでフォアハンドのみのラリー、ツーバウンド目がベースライン1m以内に落ちたら ポイントを失う。 ・・P: Diagonal bounding; theraband pull ‘n’ push; メディシンボールの回転によるチェス トバス;重いラケットのスイング;円盤投げ 2.体幹のローテーション ・・Te:ボールインパクトの位置;バックスイングの最後のseparations angleとフォロースルー ; リード足の位置とリード脚(右利きのプレーヤーの場合、右脚)のピボッティングまたは押 し。 ・・Ta:ダブルスのアレイでフォアハンドでラリーする;車椅子テニス。 ・・P:体幹のローテーションによるメディシンボール投げ;野球のバッティング。 3. Hitting through the ball ・・Te: ノンラケットアームの位置をチェック;頭の位置;スイングの経路 ・・Te: Butt-cap pointing at the ball; palm-in palm-out drill. ・・Ta: ダブルスアレーでラリー;フォアハンドでポイントプレー、腰より低い位置で打つと失 点。 ・・P:フォアハンドフリスビー投げ;side-underarm forehand straight line release(velcro pad + ball) バックハンド 1. 両手打ちでのパワー不足- Unit vs. multi-segment forwardswing ・・Te: ボールインパクトの位置;バックスイングの最後のseparation anglesとフォロースルー、 外側の足の位置と外側の脚(右利きのプレーヤーの左脚)のピボッティングと動き;ノンラ ケットアームの貢献度 ・・Ta: 非利き手でのフォアハンドラリー、ベースラインの内側でのポイントプレー(オープン スタンスを使いやすくする);ベースラインの2m後ろでバックハンドでラリー、相手のベ ースラインの1m以内に入れなければならない。 ・・P:メディシンボールで chopping up/down;theraband single arm trunk rotations;重いラ ケットでスイング 2. 片手打ちで外旋と回外の不足 ・・Te: インパクト後の肩のアラインメント、ラケットフィニッシュをチェック ・・Te: 短い角度のあるクロスコートでバックハンドのドリル;バックハンドのトップスピンハ ーフボレーを練習。 ・・Ta: クロスコートのバックハンドラリーで相手がダブルスアレーより外側でボールを打った らボーナス;バックハンドだけでクロスコートのミニテニス。 ・・P:フリスビー投げ、ダンベルでリストカール REFERENCES Elliott, B., & Alderson, J. Biomechanical performance models: the basis for stroke production, in Biomechanics of Advanced Tennis Coaching, B. Elliott, M. Crespo and M. Reid (Eds), ITF: London, UK, 2003. Hanin, Y., Korjus, T., Jouste, P., & Baxter, P. Rapid technique correction using old way/new way: Two case studies with Olympic athletes. The Sports Psychologist, 16, 79-99, 2002. Knudson, D. Qualitative Analysis of Human Movement, Human Kinetics: Champaign, USA, 1997.
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