本日の講義内容 2進-10進変換 論理とは 命題(Proposition) 論理変数

本日の講義内容

2進数と10進数(復習)
論理とは?

論理表現と演算

基本的な論理演算

コンピュータアーキテクチャI #2
論理数学の基礎
– 組み合わせ論理,順序論理,2値論理
– 真理値と真理値表
– 論理和,論理積,否定
– ベン図による論理の表現
– 双対性
平成27年4月17日

まとめ
教科書p.12~p.23
2進-10進変換

10進数→2進数
– 2で割って余りを求める
– これを余りが0か1になるまで続ける
– 最後に求めた余りから最初の方に向かって余り(0か1)
を並べれば変換終了

論理とは

ろんり(logic)<広辞苑>
– 思考の形式・法則。また、思考の法則的なつながり。
– 実際に行われている推理の仕方。論証のすじみち。
– 比喩的に、事物間の法則的なつながり。

2進数→10進数
「論理回路」の世界では,論理変数と論理演算を組み
合わせ,「命題」を表現する手立て.
– 2進数の第 桁目は2 を表す
– 桁目の値 に2 をかけた値を各桁で求める
– これをすべて加えれば変換終了
命題(Proposition)

正しいか,正しくないかの判定ができる文章や数
式のこと
–
–
–
–


「2014年度セントラルリーグ優勝はタイガースだった」
「2014年度セントラルリーグ優勝チームは?」
「赤い色の果物はイチゴである」
「いちごは赤い色の果物である」
ある命題が正しい: 真(True,1)
ある命題が正しくない: 偽(False,0)
論理変数


ある物事を表すのに用いる「変数」.2値しかとりえな
い変数を用いるときは「2値論理」と呼ぶ.
(例)論理変数X:そば粉が使われている
– 「そば」や「そばがき」など:
– 「うどん」や「パスタ」など:

1
0
(例)論理変数Y:海苔がのっている
– 「ざるそば」,「親子丼」など:
– 「ハンバーグ」など:
0
1
1
独立変数と従属変数

真理値と真理値表
独立変数

– 他に束縛されることなく値を決定できる
– 先の例では論理変数 , が該当する

– 変数 :そば粉
– 変数 :海苔
– 変数 :ざるそば
従属変数
– 他の論理変数の値により,値が決まる変数
– 「ざるそば」を論理変数 とすれば, は従属変数であり,以
下のように表される
すべての独立変数がとりうる値に対して,従属変数が
どのような値をとるかを一覧表にしたもの

論理変数がとる値
– 論理値と呼ぶ
∩
– 「もりそば」を論理変数 とすれば, は従属変数であり,以
下のように表される
∩
例題:真理値表を作ってみる
命題の否定
1. 2つの2進数1桁を加算したときの和と桁上がりの
関係

0
0
0
0
1
0
1
0
0
1
1
1
ある論理変数 に対し,その値を否定(反転)すること
– 論理変数 の否定:
2. 講義が休講であり,霧島,秋月,雪風の急速修理
が完了していれば遠征に出す
1のとき
0
0のとき
1
3. 宮崎県内で畜養された黒毛和牛肉であり,等級が
A5かA4以上であれば,「宮崎牛」である
論理積

論理和
ある命題 と があり,ともに「真」のときのみ成り立つ
命題
–
–
–
–
は と の「論理積」である,という
⋅
∩
⋅
0
0
0
0
1
1
1

ある命題 と があり,どちらか一方が「真」であれば
成り立つ命題
–
–
–
–
は と の「論理和」である,という
∪
0
0
0
0
0
1
1
0
0
1
0
1
1
1
1
1
1
2
2変数のAND,OR,NOTと真理値表

論理変数 , によるAND,OR, に対するNOT演
算をまとめて書きなさい
AND
OR
0
0
0
1
0
1
0
1
0
1
0
0
1
1
1
1
1
0
論理式(関数)とは


論理変数 , , に対するANDとORをまとめて書き
なさい
AND

–
0
0
0
0
1
0
1
0
1
0
0
1
0
1
1
0
1
1
0
0
0
1
1
0
1
0
1
1
1
0
0
1
1
1
1
1
1
2.
3.
4.
5.

– 論理変数に対する演算を体系化した人

ブール代数
– 論理変数に対する演算体系
∈

否定
– 演算の強さ: NOT > AND > OR
̅
̅
論理式が1となる場合の,
各場合の論理変数の値を調べ,
論理変数の値が1ならそのまま,
論理変数の値が0なら変数を否定し,
結果の論理積をとり,
すべての場合の5を論理和で結ぶ
0
0
0
0
1
1
1
1
0
0
1
1
0
0
1
1
0
1
0
1
0
1
0
1
1
0
0
1
1
0
0
1
ブール代数の公理(1)
ブールさん
, ,⋅, , 0,1 ,
̅
ある論理変数について,真となる条件
のみを独立変数の論理演算の形で表
したもの
真理値表が与えられたとき,
1.
⋅
ブール代数
– 代数構造
0
論理式
–
6.

0
̅
翌日が土曜日: A(真ならば1)
翌日が日曜日: B(真ならば1)
天気予報が晴れ: C(真ならば1)
所持金が3千円以下: D(真ならば1)
⋅

OR
0
真理値表と論理式
ある命題を,論理変数とその演算を組み合わ
せて表現したもの
命題Z:「翌日が土曜日か日曜日であり,天気
予報が晴れであり,かつ所持金が3千円以下で
なければ海水浴にいく」
–
–
–
–

0
1
3変数のAND,ORと真理値表

, ∈ を前提とする
公理1:
– (a)
∈
– (b) ⋅ ∈
公理2:
– (a)
0
となる元0が存在する
となる元1が存在する
– (b) ⋅ 1
公理3:交換則
– (a)
– (b)
⋅
⋅
3
ブール代数の公理(2)



公理4:(分配則)
– (a)
⋅
⋅
– (b) ⋅
⋅
⋅
公理5:元0と元1が唯一であるとき,
̅ 1
∀ ∈ , ⋅ ̅ 0,
なる元 ̅が存在する
公理6: には
となる と が存在する
双対性


–
–
–
–
閑話休題

主なブール代数の定理(1)
定理

公理2aを満たす元0および公理2bを満たす元1は,
それぞれ唯一つ存在する

公理5を満たす元 ̅はただ1つだけ存在する

任意の元Aに対し,次のべき等則が成立する
– (theorem) すでに真なりと証明された一般的命題。公理ま
たは定義を基礎として真であると証明された理論的命題。
主なブール代数の定理(3)
⋅
主なブール代数の定理(4)


公理1aと1b
公理2aと2b
公理3aと3b
公理4aと4b
公理
– 証明不可能であるとともに、また証明を必要とせず直接に
自明の真として承認され他の命題の前提となる根本命題。
(イ)ある理論領域で仮定される基本前提。この場合、公理
は自明な真理ではなく、公理系のとり方によって定まる。
従ってある公理系で公理である命題も、他の公理系におい
ては公理から証明される定理となることや、また偽となるこ
とがある。

ある論理関係の0を1,1を0,+を・,・を+に置
き換えて出来る関係を「双対」という
双対性が成り立つ公理
任意の元 に対し,次の復帰則が成立する
任意の元 , に対し,次の吸収則が成立する
⋅
̅

任意の元 , , に対し,次の結合則が成立する

任意の元 , に対し,次の第2吸収則が成立する
⋅
⋅
⋅
4
主なブール代数の定理(5)

任意の元 , に対し,次のド・モルガンの定理が成
立する
練習問題
下の式をブール代数を用いて証明せよ
̅⋅

̅⋅
⋅
̅

̅
⋅
本日のまとめと来週の予定

論理演算の基本
–
–
–
–

命題と論理変数
真理値と真理値表
基本的な論理演算(AND, OR, NOT)
ブール代数の公理と定理
来週の予定
– 2変数論理関数とド・モルガンの法則
– 加法標準形と乗法標準形
5