(1) キルヒホッフの法則にもとにした問題です。

電 気 通 信 技 術 の 基 礎
第1問
(1) キルヒホッフの法則にもとにした問題です。この直流回路計算は良く出る問題です。逆に
言うと、問題作成が電源、抵抗の場所を変えるだけで作れますから作成者としても 楽が出
来るからかもしれません。 I1
回路2
I3
回路1
I2
第 1 法則より I 3 = I 1 I 2 第 2 法則より E 2 = I 2× R2I 3×R3 (回路 1)
E 1 = I 1×R1I 3×R3 (回路 2)
後は、問題より数値を代入し三連立方程式の解を求めると、
回路 1 7 = 3 I 22 I 3
回路 2 16 = I 12 I 3
I 3 = I 1 I 2
I3 = 5
【答え】② (2) 直列共振回路が共振時しているときの条件を理解していれば解ける問題です。
R-L-C直列回路の合成インピーダンス Z は、抵抗 R、インダクタンス L、コンデンサ C と
すると、 Z = R 2 X L − X C 2
角周波数を ω とすると、
1 2
Z = R 2ωL−

ωC

共振時は、合成インピーダンス Z が最小値になる時なので、
1
Z =  R 20 の時に最小値になります 。
ωL=
ωC
上記式に、問題からの値を代入しインダクタンス L を求める。
1
500L=
500×200×10- 6
L=10 【答え】④
(3) 抵抗率 ρ と誘電率 σ の関係を問う問題です。過去の問題では、同一の物質からなる導体
では、電気抵抗 R[Ω]は、長さ l[m]に比例し、断面積 S に[㎡]に反比例する。
l
l
R= ρ =
[Ω]
S σ⋅S
上記が出題された事があります。抵抗率 ρ と誘電率 σ は上記の関係から逆数となりま
すから、②の以下の式が正解となります。【答え】②
1
ρ=
σ
(4) 力率の問題です。有効電力、皮相電力、無効電力、実効電力の関係は毎回でるようです
から、押さえておけば点数が稼げます。力率=有効電力/皮相電力なので、
【答え】①
参考に、無効率=無効電力/皮相電力です。
皮相電力・有効電力・無効電力の関係
力
電
相
皮
無効電力
有効電力
第2問
(1) A pn接合部に外部から逆方向電圧を加えると、p形領域の少数キャリアである正孔
は、電源の正極 (+極)に引かれ、空乏層が広がる。
【説明】p形半導体は、正孔が多数キャリアですから、誤っています。
B pn接合部に外部から順方向電圧を加えると、空乏層の幅が狭くなり、n形半導体
の多数キャリアである自由電子はp形領域に流れ込む。
【説明】問題の通りです。正解です。
【答え】②
半導体の知識について、下記に整理しておきますので、ご参考にしてください。
n型半導体
p形半導体
多数キャリア
自由電子(-)
正孔(+)
少数キャリア(多数キャリアの反対)
正孔
自由電子
混入する不純物の呼び方
ドナー(提供者)
アクセプタ(受取者)
n形、p形の意味
ネガティブ(否定-)
ポスティブ(肯定+)
電極
カソード(K)
アノード(A)
用語 拡散 キャリアが一様な濃度になろうとすること。
整流作用 一方向にのみ電流が流れること。
順方向 電流が流れる。
逆方向 電流が流れない。
(2) 私自身の勉強不足で本番でも誤りましたので、勉強してから解答を記載予定です。
(3) A ベース接地増幅回路は、電圧増幅作用が大きく高周波特性が良好なため、高周
波増幅回路に用いられる。
B コレクタ接地増幅回路は、電圧利得が大きいため、一般に、増幅回路に用いられ
る。
【説明】Aはベース接地増幅回路についての説明であり、誤りはありません。B は、コク
レタ接地増幅回路ではなく、エミッタ接地増幅回路の説明です。コクレタは、電圧増
幅率が小さく、用途としてインピーダンス変換回路に用いられます。
接地方式による特徴(用途と関連して赤文字を確実に覚えました。)
ベース接地
エミッタ接地
コレクタ接地
用途
高周波増幅回路
増幅回路
インピーダンス変換回路
電流増幅率
小
大
大
電圧増幅率
大
中
小
電力利得
中
大
小
入力インピーダンス 小
中
大
出力インピーダンス 大
中
小
(4) 【説明】過去問題にも似たようなのがあったような気もします。電流増幅率 α の式が問題
中示されていますので、もう一つのエミッタ、ベース、コレクタの電流の関係式
I E =I B I C
に問題の数値を代入して解けば良いです。
I E =60 ×10−6I C ①
増幅率 α から、
I
0.97= C
I E → I C =0.97 × I E ②
①と②整理して、
I E =60 ×10−60.97 × I E
I E =2× 10−3 問題の単位はミリアンペアですから、単位に注意してください。
【答え】①
第3問 論理回路の問題は、一番点数が稼ぎやすいです。この分野で 20 点を取れば、後の問題
は半分だけ得点を稼げば良いわけですから、凄く楽になります。見た目が難しそうだと苦手意
識を持たずに進められることをお勧めします。ただ、私の場合、過去にアセンブラ等のプログラ
ムで 2 進数については、理解できていたのですがテクニックが無くて正解でも問題を解く時間が
掛かりましたので、過去問題で即時に解けるようになるまで、勉強(練習)しました。
(1)【説明】ベン図の問題です。ベン図も問題のパターンがあるので、難問かやっているう
ちに、組み合わせパターンが見えてきます。最初に A、B、C 全てに共通の部分が含ま
れていますから、A・B・C のパターンが含まれる①と②が残ります。③、④は問題外で
す。
 となり、①が解答
次に、B で含まれる部分は、A と C が除かれていることから A⋅B⋅C
になります。
【答え】①
(2)【説明】具体的な数値を入れて計算をし、後は推理すれば解ける問題です。
入力 a:0011 b:0101 を論理回路図に記入して進めます。
1100
0011
0101
①1101
0100
01*0
1010
①の 1101 と M の出力結果の論理積(AND)が 0100 になるためには、①の先頭と末尾
の 1 を消す(0)ために M の出力は 0 が入ります。また、出力結果の左から 2 ビット目が 1
なので、M の出力の 2 ビット目も 1 となります。よって M の出力結果は、01*0 となります。
*は 0 でも 1 でも構いません。よって以下の関係が導かれます。
入 力
出力
M(a)
M(b)
M
0
1
0
0
0
1
1
1
*
1
0
0
これは、否定的論理和(OR)になるので、解答は①です。論理素子がどう演算されるか
は、覚えておく必要がありますね。AND と OR を覚えれば、否定は反転すると思えば良
いです。
【解答】①
(3)R-S形フリップフロップ回路の問題です。一点のみ推理する箇所があります。面倒に見え
ますが、手順を追えば解ける問題です。入力a:0011 入力b:0101として具体的な値の
変化を記入します。
0011
0101
1110
ア
イ
①000*
0001
0001
アは入力(1110)があるため、論理和を取るとア出力①は 000*となります。*は0は1か判
定できないとの意味です。よって、イの入力は 000*と 0001 の論理和となりますから、出力 C
は入力aと入力bの0001(論理積)となります。
【解答】④