少ない肥料成分を有効利用する技術 少ない肥料成分を有効利用する技術

少ない肥料成分を有効利用する技術(データ)
少ない肥料成分を有効利用する技術(データ)
P10
好熱菌発酵産物の施用したモデル植物試験により、オーキシンの輸送に関わる遺伝子群の発現が増強す
る傾向、あるいは作物の根の伸長や生体重量の増加をもたらす現象が、2013 年の日本農芸化学会で報告
されている。このことから、好熱菌発酵産物を活用した特殊肥料キチン酵素の施肥によって、大幅な減
肥でも大玉の白菜が栽培されている作用は、堆肥中の肥料成分と土壌中の少ない肥料成分を効率的に利
用し成長を促すメカニズムが働いていることが推察された。
千葉大学・日環科学共同研究成果
好熱菌発酵産物(
好熱菌発酵産物(キチン酵素
キチン酵素含有成分
酵素含有成分)
含有成分)
施用により、オーキシンの輸送に関わる
遺伝子発現が増える傾向があった。対照
区に比べ 2 倍位増えている。
根の伸長を決めている一つの理由は、植
物ホルモンのオーキシンを効率的に植物
体内で利用していることが挙げられる。
(2013 年日本農芸化学会発表)
参考:オーキシン(auxin)は、主に植物
の成長(伸長成長)を促す作用を持つ植
物ホルモンである。
硝酸の輸送タンパク
硝酸の輸送タンパクの遺伝子発現
輸送タンパクの遺伝子発現
根に硝酸が吸収される時、硝酸トランス
ポータという輸送タンパク質が使われ
る。好熱菌発酵産物(
(キチン酵素
キチン酵素含有成
酵素含有成
分)施用で、モデル植物では NRT2.1 と
NRT2.6 の硝酸トランスポータが増えていた。
根の張りが良くなって吸収するトランスポータ
の発現が高まる。その結果、少ない肥料
その結果、少ない肥料
を効率良く効かしているのではなかろう
を効率良く効かしているのではなかろう
か。この当該遺伝子の発現は、根からの
硝酸の取り組みを制御する役割が知られ
レタス 6 作での試験結果(プランター)
600
500
400
300
200
100
0
ている。
パワーワイド553
パワーワイド553
(30%減肥)+キチン酵素
キチン酵素施用区は、30%化学肥料を減らしても6作の平均で対照区を上回っていた。