新入社員の皆さんへ ― 松井正義委員長

東日本旅客鉄道 (株) 新入社員の仲間たちへ
桜花爛漫の候、晴れてJR東日本の仲間となった皆さんに、歓迎のメッセージを送ります。
入社おめでとう!!社会人一年生の皆さん!既に社会人経験を積んで新たな第一歩を踏み出そうとしている皆さん!私たちは
国鉄労働組合東日本本部です。人生の中で大きなスタート地点を迎えた皆さんは、きっと希望や夢に期待を膨らませると同
時に少し不安な気持ちとが入り混じっていることでしょう。
1,600 万人の笑顔に触れるためには、少しばかりの失敗や冒険も必要と思います。また、
JR東日本という会社はそのこと
が許される会社です。そうして経験を積み、先輩たちの背中を追いかけて皆さん一人ひとりがJR東日本の顔になっていくこと
を期待してやみません!!
少しばかり労働組合の話をさせてください。今年は 2015 年です。今から10 年前の 2005 年 4 月 25 日にJR西日本福知
山線の尼崎駅付近で列車がカーブを曲がり切れずに脱線・転覆して 107 名の尊い命が失われました。また、同じ年の12 月
25 日にはJR東日本羽越線で特急列車が強風にあおられて脱線・転覆して 5 名の尊い命が失われました。二つの事故で多
くの尊い命が失われ、また、多くのお客さまが怪我をされ未だに後遺症に苦しんでいる人たちがいます。
私たち労働組合の任務は、誰もが安全・安心して働き健康で文化的な生活を送ることにあります。また、前述しましたよう
にお客さまを安全・快適に目的地までお送りすることであり、人命を損なう事故などあってはならないことです。そうしたこと
から「安全・安定輸送」の確保は最大の課題と位置付けて取り組んでいます。まさに社員・組合員の幸せとJR東日本の健
全な発展を追求するということです。
新たな仲間となった皆さんがこの世に生を受けた時には、既に国鉄は無くJRとなっていたという方も多数おられると思いま
す。2015 年 4 月1日でJR東日本やJR貨物も含めてJRは満 28 歳になりました。
JR東日本ではごく一部の人を除いて平成 3
年から新規採用者が本格的に入社し、職場では「平成採」
・
「平成組」と称しています。国鉄時代に採用され国鉄の「分割・
民営化」を経てJRに採用された人たちを「国鉄組」とか「N採」と称して区別していますが、既に 60%強が平成採用者に
なっています。国鉄は英称して「Japanese National Railways」と言い、
英略称名「JNR」と言いました。現在は「JR」と称され、
「N」が無くなりました。国鉄採用者が「N」採と称される理由はここにあります。しかし N が有っても無くてもそこに働く人
たちの幸福を求めることと、お客さまに安全・安心という最高の「サービス」を提供することに違いはありません。
私たちが入社して間もない頃に、労働組合の「学習会」で『鰯』に学ぶということを教えられました。鰯は字が示す通り弱
い魚(食物連鎖)ですが数千匹という単位で群れを作り、魚影を大きく見せることで他の魚から身を守ると言われています。
私たち労働者は一人ひとりでは弱い立場ですが、労働組合という組織で団結することで大きな力となります。まさにこのこと
が労働組合の根源と言えます。
これからの長い「ポッポ屋(鉄道員)
」人生で様々な障害や壁に突き当たることと思いますが、そんな時は独りで悩んだり
くよくよしたりせずに周りの仲間や先輩に相談してみて下さい。きっと前向きに気持ちを切り換えられる一助になると思います。
最後となりますが、新たなスタートを切った皆さんのご健勝とご多幸を心から祈念して歓迎のメッセージといたします。
2015年4月1日
国鉄労働組合東日本本部
執行委員長 松井 正義