に対する意見

再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会報告書(案)に対する意見について
関西電力労働組合
執行委員長
檜垣 次郎
【全般的事項】
FIT制度の開始以降、大量の認定案件の滞留や賦課金の上昇に対する国民の皆さまか
らの苦情への対応など、制度に内在する様々な問題が、制度運用の実務を担う現場労働者
にしわ寄せされてきた。
また、制度趣旨や仕組みに対する再エネ事業者や国民各層の理解が十分ではなく、顕在
化している課題の多くが、あたかも電力会社とそこで働く者に責任があるかのようないわ
れなき批判や誤解も後を絶たず、現在に至っている。今般の認定制度の見直しや適正な事
業実施のための規律の制度化、コスト効率的な導入に向けた買取価格決定方式の見直し等
は、FIT法制定当時の制度設計を誤った政府の失策を是正するためのものと認識してい
る。
従って、その見直し趣旨や具体的内容など新制度への移行にあたっての再エネ事業者や
国民各層に対する周知徹底や丁寧な説明は、すべて行政の責任において万全の対応がなさ
れなければならず、間違っても、制度運用の実務を担う現場に説明責任が押し付けられた
り、労働負荷やコストの増大等が惹起されるようなことがあってはならない。
【認定制度の見直し、未稼働案件への対応について】
現在検討中の新認定制度においては、電力会社との系統接続契約の締結後に行政による
設備認定を実施することから、その認定期間を確保するために、これまでの制度に比べ、
前倒しして系統接続契約を締結することとなる。よって、新認定制度への移行にあたって
は、これまでの制度改定時に度々発生したような、再エネ事業者ならびに国民からの各種
問い合わせや苦情等への対応など、現場へ過度な負担が生じぬよう、行政の責任において
十分な周知をお願いしたい。
また、行政の設備認定期間を確保するために、現場における系統接続の手続きを急がさ
れることがないよう、系統接続申込の期日については、各電力会社における申込状況等を
踏まえ、今後も各社で設定できるようにすべきである。
既認定の未稼働案件について、制度運営の妨げになることから、認定取り消しの取り組
みを強化し、未稼働案件を排除・防止するための制度改革を行うということであるが、こ
の点についても行政の責任において、関係事業者への十分な周知をお願いしたい。
また、関西電力の供給管内においては、その大半が事業開始意思のない設備認定廃止届
出漏れであると想定しているが、一部には工事負担金の支払いが行われていないといった
個別の事情で滞留している案件も存在する。これらの案件に対する報告徴収・聴聞から認
定取り消しに至るまで、事業者に委ねることで現場の負担が増大することのないよう、行
政の責任においてしっかりと実施いただくようお願いしたい。
【小売買取から送配電買取への変更について】
買取義務を送配電会社へ移行するにあたっては、制度運用の実務を担う現場において体
制の整備等が必要となるため、移行時期については、現場における十分な準備期間を設け
た上で決定されるべきである。
また、旧制度分と新制度分が当面の間併存してしまい、小売・送配電両部門に係る実務
が二重化することで、現場業務負担や事務コストの増大等につながるため、可能な限り効
率的な業務運営ができるよう、様々な方法を検討すべきである。
以 上