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神奈川県鉄構業協同組合
月刊
平成27年5月1日発行
かながわ鉄構協ニュース
NO.62
Tel 045(290)7600
Fax 045(311)776
「鉄骨加工業概論」開講
4月7日(火)13時から今年で6回目となる日本溶接構造専門
学校「鉄骨加工業概論」の授業が始まった。前期火曜日全
14回、1回1時間30分の授業で鉄骨生産工学科2年生7人を対
象とする。7人のうち全国のファブの子弟は3人である。講
師陣は今年も教育技術委員会の石井、小原、岸部の各氏が
担当する。初日は岸部委員が鉄骨業界PR用DVD「信頼で築く
建築鉄骨の未来」を放映して建築鉄骨製作のガイダンスを
示した後、鉄骨構造の種類、脆性破壊の多かった戦艦から始まった溶接の歴史、千代田レポート・
姉羽艤装事件や大規模地震によって顕わとなった不良鉄骨の克服の歴史、鉄骨製作にあたり準拠す
る図書類、グレードの意味など概括的に講義した。今後は品質確保の歴史、設計、材料、加工、検
査、現場工事、経営、安全管理など実際の工場見学も踏まえて講義していくことになっている。
理事会だより
4月20日(月)15時30分から組合事務所で4月度理事会が開催された。
・通常総会の進行と議案書について確認し、議案書を案の通り総会
に提出する事が決まった。
・大規模災害時における組合及び組合員が取るべき災害対策体制が
論議され、組合員の被害状況を組合に報告するなどが決められた。
最後に市況情報が交換され、仕事量はHグレードは年内、他は夏場まで、単価はキャパが小さい
Fabを訪ねて № 46
高い技術で常に顧客の要求以上のものを提供し、信頼に応える。
株式会社SK-PERFORMANCE
厚木市上依知1490-1
代表者 梅原真一
℡ 046(205)4004
fax 046(205)4005
Eメール [email protected]
データファイル
創立
平成18年9月21日
法人設立
平成18年9月21日
資本金
1,000万円
ハウスメーカーに勤務していたが、20
10名
歳で独立した後トラック1台に溶接機を積
従業員数
みこみ現場での工事に専念してきた。思
加工能力
年 600トン
い通りに製作出来た時の楽しさがこの道
に深入りしてきた理由となっている。上
工場敷地
372 ㎡
荻野、三田、関口と移転してきたが、心
工場面積
260 ㎡
機一転して平成18年に旧友である専務の摩庭氏を誘って現会社を立ち上
建築鉄骨、建築金物、
げた。昨年秋に現在地にあった倉庫を取得し、工場として改修を行って 事業内容
総合リフォーム工事
この2月から稼働し始めたばかりである。経営者も従業員も若く、平均年
齢は30歳代前半となっている。専務は主として経理、設計図面を担当し、 主取引先
長谷コーポレーショ
社長が鉄骨製作全般を担当して二人三脚で会社の成長を担っていく。要
ン、不二建設、松井
求以上のモノを製作することを念頭にやってきたため、今でもハウス
建設
メーカーからの仕事の依頼が続いている。現在も7割方現場工事だが、3
鹿島神宮祈祷殿社務
割は工場で庇、スロープ、階 主な実績
所金属工事、流山コ
段等金物を製作している。金
―ナン鋼製型枠工事
物のステンレス加工、店舗リ
ほか
フォームや基礎鋼管の補強等
幅広く手掛けており、厚木の建築組合にも所属していて「今後は
鉄骨製作を主体として、付帯する建築金物は勿論、5階建の建築に
ついて総合的に手掛けられるようにしていきたい」と社長は抱負
を述べられた。そのためには当面の目標はグレード取得となる。
第41期通常総会・技術研修会 5月27日(水) 14時~
1/3
受付13時30分~ メルパルク横浜・ボウヨウ(7階)
月刊かながわ鉄構協ニュース
No.62
平成27年5月1日発行
全青会全国大会が開かれる
4月11日に全青会全国大会が沖縄県糸満市にて開催さ
れました。全国各県、来賓を含め350名の参加があり
神奈川からも3名出席させていただきました。今回の
大会テーマは「ゆいまーる」。言葉の意味は結いを表
関東支部会が開催
す沖縄で使われている言葉で、結びつき、助け合いを
4月28日(火)14時から鉄鋼会館で開催された。 意味し、「手と手を結びゆいマールの輪で明るい未来
支部で開催するNDI-UT資格レベル1受験対策講 を切り拓く」との事です。
習会は49人の受講希望があり、合格を目指すに 当日は全国会長会議、総会後に記念講演として第一
は直前でのフォローが必要なため各都県組合で 部:㈲海の種 金城浩二氏による「サンゴから学んだ
直前対策講習を実施することが決まった。各県 こと」をテーマに、サンゴ礁の白化を目にしてサンゴ
の養殖に取り組
の状況報告の後、懇親会が催された。
むことを決意。
監事監査が行われた
その後養殖し移
4月17日(金)11時から青柳監事、榎本監事に 植放流をしたサ
ンゴが世界初の
よる監事監査が組合事務所で行われた。理事
産卵に成功する
長が挨拶を述べた後、大沢総務委員長が事業
までの苦労を取
報告を行い、それに基づいて監事による会計
り上げたもので
帳簿、伝票類
した。第二部:飲酒運転の撲滅チャリティーイベント
の審査等がな
を行い飲酒事故の被害にあった家族が撲滅活動を行っ
され、適正な
ている姿の上映とイベントが行われました。その後の
会計処理がな
懇親会は、アトラクションなど盛大に行われ、また他
されていると
県の青年部との交流も行いました。今回は、他に役員
、会員で参加された方もいまして(自費)、観光など楽
の意見が表明
しい時間を過ごす事が出来ました。[青柳]
された。
と希望価格で獲れ、適正価格に近い水準にあ
る。法定福利費は詳しいチェックが求められ
つつあるなどが話し合われた。
Fabを訪ねて № 47
岡本鋼設有限会社
代表者
Eメール
岡本常靖
高品質の確保と顧客の様々な意向に即応する事業展開を図っていく。
横浜市都筑区東方町1151-1
<本社>℡ 045(481)7032
fax 045(481)1232
.jp
データファイル
創
業
昭和46年4月1日
法人設立
昭和49年3月24日
社長は卒後、鋼材販社に勤務し
資本金
650万円
た後、昭和46年に鍛冶屋をされて
4名
いた弟とその友人とで鳥山町で事
従業員数
業を興し、49年には法人化された。
加工能力
年120トン
63年には現在地に工場を移し、そ
工場敷地
400 ㎡
のころからはご子息二人が中心と
なって事業を展開してきた。鉄骨
工場面積
150 ㎡
と金物の製作から建て方まで一貫して処理することを意識されていて、
建築鉄骨、金物工
皆さん器用なことから基礎、足場、内装、設備等広範に手掛けている。 事業内容
事、その他建築関
今後もこの方針を踏襲していくようである。地場ゼネコンとのつきあい
連工事
は少なく、知人等の紹介で仕事をすることが多いようである。組合員
からの仕事の斡旋も多かっ 主取引先
たが、近年は相模原、横田
などの米軍ベースキャンプ
米軍ノースピアのス
主な実績
のスティールハンガードア、
ティールハンガード
シャッター廻り、庇等の製
ア製作据付など
作据付が多くなっている。
最初から鉄と関わりが深かった社長は、今更方向の転換は考え
られないと言われ、ご子息もこの道に長く携わっているので
「仕事の上でもグレードを取得する必要性を感じていて、当面
の目標はグレード取得においている」と語られた。
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平成27年5月1日発行
講演会「元金融マンが話す金融機関との融資取引のポイント」要旨
3月13日午後に県建設業協会主催で開催された26年度経営講習会では、現経営コンサルタントで、元青梅
信用金庫執行役員であった大谷金久氏による「元支店長が話す金融機関との融資取引のポイント~すぐに
実践!生き残りのための事業改善~」の講演があった。要旨は次の通り。
アベノミクスの現況下で人手不足、人件費急騰、
資材調達難にある。大手ゼネコンの決算は業績が騰
がっているが、多摩地区では地元に仕事は下りてい
ないとも聞く。預貸率(貸金/預金)はバブル前は融資
が大のオーバーローンだったが、現在はメガバンク
70~80%、地銀80%、信金52%。余った金で国債が
買われている。もっともメガバンクは国債を日銀に
ほとんど売っている。倒産件数は減少し、昨年は
9,000社に止まったが、廃業は3万社と増加し、相対
的に企業数は減少している。日銀の貸出約定金利(日
銀HPに掲載)は1月は都銀0.8%、地銀1.03%、第二地
銀1.4%、信金1.7%である。商売も厳しいが、金融
機関も厳しい状況にある。金融庁では財務内容だけ
でなく、事業内容、成長性をみて融資決定をしてほ
しいと指導されている。
金融機関は会社をどの様に見ているか
各金融機関は独自の考え、スタンスにより顧客を
格付け、債務者区分をしている。これにより金利な
どの融資条件の目安にしている。格付けがなければ
現場で融資判断が出来ず、スピード化が図れない。
決算書ではその業種の平均値に照らして、安全性(流
動比率、固定長期適合率、自己資本比率、負債比率
等)、収益性(総資産経常利益率、売上高経常利益率、
総資産回転率等)、成長性(売上高・経常利益・総資
産の増加率等)、その他(経常収支比率、債務償還年
数等)を分析し、経営者の能力、後継者の有無、業界
内での等社の地位、技術力などを勘案して10段階で
のポイント格付けを行っている。
また、自己査定により融資先の区分(債務者区分)
を行っ
ている。
これは
将来の
貸倒れ
に備え
て不良
債権額
・比率
を算定し引当金を積むためである。赤字により軽微な
債務超過や時々延滞すると要注意先に、赤字が連続し
て債務超過や3カ月超延滞すると破綻懸念先に、1回目
の不渡りや弁護士に債務整理委任や6カ月超延滞では
実質破綻先に、2回目の不渡りや手形交換所の取引停
止処分や破産すると破綻先になる。要注意先はその他
要注意先と要管理先に区分されているが、返済を延ば
すと要管理先となり、中期改善計画を提出すると要注
意先となる。破綻懸念先になると融資する信金は3分
の1もない。実質破綻先に融資する金融機関はない。
資金を何に使って、どう返済するのかが大切
融資取引の3つのポイント
[資金使途]設備資金、運転資金、季節資金、納税資金等
[返済財源]利益で返済、売上返済、回収による返済
[担保・保証]担保(不動産、有価証券、預金等)保証(個人
保証・保証協会)
資金使途での運転資金は曲者で半分は赤字補填か
債務返済資金になっている。返済財源での設備資金
は利益から、運転資金は短期の場合は売上から返済、
季節資金は売掛金回収から返済などそれぞれ資金使
途と返済財源はセットになっている。資金使途、返
済財源が妥当で回収にまったく懸念がないと判断さ
れれば担保は基本的には不要と考えられるが、長期
間、多額の場合は格付けなどの信用力によって担保
等が求められる。これら3つのポイントを考慮しな
いと借入後の返済に支障をきたすことになりかねな
いので注意が必要となる。
信用保証協会は融資合計額が8,000万円以下なら
原則担保不要。会社の場合社長が保証人になる。信
用保証料は借入金額、期間、保証料率、返済方法に
より算出され、基本となる保証料率は経営状況等を
踏まえて区分されている。会社代表者は連帯保証人
として保証することになるが、連帯保証は金融機関
が本人より先に返済を求めることも可能になってい
る。しかし、経営に無関係な第三者の連帯保証人を
求めないことを原則とするよう金融庁の監督指針が
改正されている。担保の評価は時価が基準で、土地
は相続税の路線価、建物は取得価格、上場株式は直
近の取引相場が基本となり、金融機関によって異な
るが、6割から8割程度の一定の掛目をかけて算出さ
れている。
低金利で借入するためのポイント
金融機関の金利を決める基本的な仕組みは、資金
調達コスト+固定費コスト+期間リスク+信用リス
ク+適正利益=借入金利となる。低金利で借入する
ためには制度融資活用する、特に中小企業支援等政
策目的のある者は通常より低金利で提供されている。
保証協会の活用も有効である。そして自社の信用力
を高める努力をする。財務内容を改善して格付け
アップを図り、なおかつ金融機関に自社情報を積極
的に開示していくことが大切となる。
借入金の元本据置や返済額の軽減を依頼する場合
には、金融機関と連携して現状を打開するための実
行可能な経営改善計画を策定し、実行・進捗管理し
ていくことが大事である。
要は、金利だけでなく、理解しあえる金融機関
を探し、パートナーとなってもらう事である。
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