小学校 第3学年 国語科学習指導案

小学校
1、単元名
第3学年
国語科学習指導案
場面の様子をそうぞうしながら読もう
日 時:
場 所:
指導者:
~ちいちゃんのかげおくり~
2、単元の目標
・ 友達との話し合いを通した、感想の深まりを楽しむ(関・意・態)
・ 言葉や表現に即して、場面の様子や移り変わりを想像しながら読む(読むこと)
・ 読み取った内容について自分の考えをまとめ、一人一人の感じ方について違いがあることに気づ
くことができる(読むこと)
・ 国語辞典で語句を調べることにより、語彙量を増やすことができる(言語事項)
3、単元設定の理由
(1) 児童について ~ふんふん なるほど それいいね!~
聞いたことに対し素直に反応し、話すことが大好きな子どもたちである。しかし集中して話を聞く
ことが難しい子どもたちでもある。姿勢を保てない子、話を聞かずにおしゃべりに夢中になっている
子、手遊びしている子、話の途中でつい口をはさんでしまう子、自分の話が終わったら他の子の話を
聞かない子など、基本的な話を聞く態度が身についていない。そのため教室の中が常にざわざわして
いて、しっとりと授業を進めることが難しい。自分が話していること自体が理解できない子も多く、
その証拠に話し終わったあと、「今から何をするの?」と聞いてくる子が何人かいる。とにかく4月
から話を集中して聞くよう指導してきた。そしてめざす授業像を「ふんふん なるほど それいい
ね!」とした。語呂がいいので、話を聞いて「なるほど!」「それいいね!」と思ったときには、子
どもたちは自然とこの授業像が合言葉のように出てくるようになっている。人の話を聞いて良かった
と思える経験をたくさんつんで、基本的な話を聞く態度を育てていきたい。
3年生最初の物語教材「きつつきの商売」では、ぶなの森から聞こえてくる音を想像しながら工夫
して読ませた。その際、
「ぶなの葉っぱのシャバシャバシャバ。」とは何の音なのか?と問いかけるこ
とで、
「ぶなの葉っぱが風に揺れている音では」
「ぶなの葉っぱに雨があたっている音?」という風に
その情景のイメージをふくらませ、音読を工夫する姿が見られた。また「百リルは高いか安いか?」
という教師の問いかけに子どもたちは、
「できたての音、すてきな音だから高いよ」
「でもどれでも百
リルっていうのは安い感じがするよ。」
「高かったら、野うさぎは迷って真っ先には来ないよ」などい
ろんな意見が出され、子どもたちはお互いの意見を出し合って学習が深まり、聞いて良かったという
体験をしている。本教材でも単に「ちいちゃんはかわいそう」という単純な感想から、本文を読み一
人一人感じたことや思ったことを出し合い聞き合うことで、戦争のおそろしさや平和の尊さ、ちいち
ゃんの強さを読み取らせていきたい。
(2) 教材について
本単元のねらいは、「場面についてよりよく理解し、情景や登場人物の様子・心情について叙述に
基づいて想像することができる。」である。本教材は、
「かげおくり」という遊びを題材にして、戦争
の悲惨さや平和を願う作者の思いが綴られた作品である。本文は、五つのまとまりから構成されてお
り、特に最後の「それから何十年」かたった町の様子は、現代に生きる私たちに平和の大切さと、そ
れを守ることの尊さを示している。子どもたちにとっては教科書で出会う初めての戦時下状況の文学
作品である。場面の様子を想像しながら読み進めるとき、当時の時代背景を正確に把握することは難
しいと思われる。しかし、戦争の悲惨さや戦争反対を直接表現している作品ではないものの情景や人
物の言動が生き生きと描かれているので、子どもたちはちいちゃんに容易に感情移入し、家族一緒の
かげおくりを楽しんだり、ひとりぼっちになった悲しさや恐怖を感じたりしながら読み進むことがで
きると考えられる。さらに、家族そろってした「かげおくり」、ちいちゃんがお兄ちゃんとした「か
げおくり」、そして、ちいちゃんがたった一人でする「かげおくり」の三つのかげおくりの状況を思
い浮かべたり、五の場面の存在意義を考えたりすることで、戦争の悲惨さや平和を願う作者の思いを
感じ取ることができると考えられる。児童それぞれが、自分の読み深めを通して戦争の悲惨さや平和
の大切さを考えるきっかけとなる作品である。
-1-
4、研究主題に迫るための手だて
(1) 学習材との対話が進展する働きかけの工夫
本教材の導入として、題名読みをしていきたい。かげおくりという遊びについて知らせ、実際にや
ってみたい。また「ちいちゃん」という女の子はだいたい何歳ぐらいの女の子なのか想像をふくらま
せることが、後の本文読み取りの中でちいちゃんの強さや戦争の悲惨さにせまる土台となることであ
ろう。
また初読の感想を出し合い、みんなで考えていきたい課題を設定することで、叙述に即した読み取
りをする必然性を持たせ、話し合いたい、聞きたいという意欲を持たせたい。
(2) 言葉を大切にした話し合い活動の工夫
話し合いの際には、まず結論から述べ、次に理由を話させるようにしていきたい。一の場面におけ
る家族みんなでしたかげおくりでは、実際に動作化しその様子を再現することで、幸せな家族との一
時を感じ取らせたい。その際会話文に着目させ、お父さんからちいちゃんまで一人ずつ声が重なって
大きくなっていくことをおさえ、家族みんなで楽しくかげおくりをしたことを意識づけていきたい。
また二の場面では一文一文が短くなっていることに気づかせることで、戦争時の迫り来る恐怖感を感
じ取らせていきたい。三の場面では時間の経過を表す言葉に注目させ、三日間も幼い女の子が一人で
真っ暗な防空壕の中で眠ったことから、自分と比べさせちいちゃんの強さと戦争の悲惨さを読み取ら
せていきたい。四の場面では、「きらきらわらっているちいちゃん」は幸せだったのか?という課題
から一人一人の思いを出し合うことで、たった一人でしたかげおくりの悲しさや、命の大切さを感じ
取らせていきたい。また「小さな女の子の命が空にきえました。」という表現からちいちゃんだけで
はなく、ちいちゃんのようなたくさんの小さな命が戦争によって奪われるという戦争の理不尽さも合
わせて感じとらせていきたい。五の場面では場面の存在意義を問うことで、作者の平和に対する願い
をつかませていきたい。
(3) 学びの高まりを実感するための評価の工夫
単元のはじめに感想を書き、単元読み取り終了後にお手紙という形でもう一度振り返りを書かせて
いきたい。それを読み比べることで考えが深まったことを実感し、合わせて友達の意見を聞くよさを
感じ取らせていきたい。その際、書く文量の変化、考えの変化、根拠の変化、友達の意見との関わり
など、ひとりひとりの変化について個に応じた肯定的な評価を行うことで、自らの高まりを実感でき
るようにしたい。
5、指導計画(総時数 12 時間)
次
主な学習活動と内容
支援と評価
一次
学習課題を立てる ③
〇題名から想像しよう
・ ちいちゃんって何才ぐらいかな
・ かげおくりって何だろう
・ 僕たちもやってみたいな
<物語を読んで感想を書こう>
・ ぼくたちの知らない時代のお話だった
・ 主人公のちいちゃんがかわいそうだった
・ 家族に会えてよかった
初めの感想が書けたよ。みんなはどんな感想を書いたの
かな。戦争時代のちいちゃんへのメッセージを送ろう!
-2-
・範読は、声の速さや強弱を
意識して読むことで、自然と
ちいちゃんに寄り添い、ちい
ちゃんと同じ気もちで聞ける
ようにする。
【関】物語の世界に興味を持
ち、初発の感想を書いている
(ノート)
・書くことができない児童に
は早めに書いた子の感想を紹
介し、参考にさせる
<言葉を大切に正しくすらすらに読めるようにしよう>
・ いろいろな方法で音読しよう
・ 新出漢字を書けるようにしよう
・ わからない言葉を国語辞典でしらべよう
・ 挿絵から時代背景を読み取ろう
・ すらすらに読んでいくと内容も詳しく分かってきたぞ
すらすらと正しく読むことができたよ。登場人物の気持
ちや場面の様子を詳しく知りたいな。
一次
学習課題を立てる
<感想を出し合おう>
・場面を五つにわけよう
・ みんなでしたかげおくりは楽しそうだったな
・ くうしゅうが始まった夜はこわかったよ
・ お母さんたちとはぐれて、ちいちゃんはかわいそうだよ
〇みんなで考えていきたい課題を決めよう
・ みんなの声が空からふってくるのがふしぎだよ
・ ちいちゃんはみんなに会えてよかったね
・ ちいちゃんは死んじゃったのかな
③
自分と違ったいろいろな感想があったよ。
早く課題を解決していきたいな。
<一場面ではどんなちいちゃんが出てくるのかな?>
いつ
お父さんが出征する前の日
どこで
はかまいりの帰り道
だれが
家族で
どうした かげおくりをした
→家族みんなでかげおくりをするちいちゃん
二
次
学
習
を
深
め
る
⑥
・追い読み、丸読み、一文交替
読みと形態を変えながら、音読
を繰り返すことで正しい読み方
ができるようにする
・どの子も課題が作れるように
学習の土台を作っておく
【言】国語辞典を使って、わ
からない言葉の意味を正しく
調べている。
・正しく読むことができない
児童には読み仮名をふらせた
り、指でなぞったり読み方の
個別指導を行う
・児童の感想を場面ごとに分
類して板書に表すことで、学
習課題を明確にしていきた
い。
【関】進んで自分の感想を話
し、課題を考えようとしてい
る(発言 行動)
・自分の感想を話せない児童に
は友達の感想の中で、自分と似
た感想がないか尋ね板書に位置
づけるようにする
・場面の様子がおおまかにとら
えられるように、いつ、どこで、
だれが、どうしたのかを確認し
ていく
・ちいちゃんの楽しい気もちが
より理解できるように、天気が
良い日に実際にかげおくりをし
ておく
<どんなかげおくりかな?>
・お父さんが教えてくれたかげおくりだよ
【読】ちいちゃんがとても幸せ
・家族みんなでしたかげおくりだよ
な気持ちでかげおくりしてい
・記念写真になったかげおくりだよ
ることを、文章に即し、動作化
〇かげおくりをしているちいちゃんはどんな気持ちかな
することで読みとっている
・とっても楽しい気持ち
(発言・ノート)
・みんなもちいちゃんたちになってかげおくりをやってみよう
・気持ちを読み取ることができ
・家族みんなでしているからちいちゃんは幸せだと思う
ない児童には、ちいちゃんたち
・家族みんなでかげおくりをして、ちいちゃんはとて
のように家族で何か一緒に遊ん
も幸せな気持ちだったよ
だことを想起させ、ちいちゃん
の幸せな気持ちをつかませたい
ちいちゃんの幸せはつづいたのかな?
<ちいちゃんはずっと幸せだったのかな?>
・他の場面と比べることにより、
・ちがうよ お父さんはいくさに行ってしまったよ
・今度はちいちゃんとお兄ちゃんでいろいろなかげおくりをし 考えが深まったことをおさえる
ているよ
・いくさがはげしくなって、楽しかった空がこわいところにか
わっていったよ
・このあとちいちゃんはどうなっていくのかな?
-3-
<二場面ではどんなちいちゃんが出てくるのかな?>
いつ
夏のはじめのある夜
どこで
暗い橋の下
だれが
ちいちゃん
どうした ひとりぼっちになった
・ お母ちゃん、お兄ちゃんとはぐれて、ひとりぼっちになっ
たちいちゃん
<ちいちゃんはなぜひとりぼっちになったのかな>
・ くうしゅうが始まったよ
・ お母さんとおにいちゃんと一緒に逃げたよ
・ お母さんたちとはぐれたよ
・場面の様子がおおまかにとら
えられるように、いつ、どこで、
だれが、どうしたのかを確認し
ていく
・迫り来る様子が伝わってくる
のは、一文一文が短くなってい
ることに気づかせる
【読】迫り来るほのおの様
子から戦争のおそろしさを
感じ取り、ひとりぼっちに
なってしまったちいちゃん
の不安な気持ちを読み取っ
ている(発言・ノート)
〇一人ぼっちになったちいちゃんはどんな気持ちかな
・ お母さんだと思っていたらちがう人だったから、がっかり
したよ
・ お母ちゃん、お兄ちゃんに早く会いたいよ
二 ・ こわいよ
・ちいちゃんの不安な気持ちを
次 ・ 誰も知っている人がいなくて、寂しいよ
読み取ることができない児童に
とうとうひとりぼっちになって、ちいちゃんはとてもさび は、ひとりぼっちになった経験
学
はないか想起させ、ちいちゃん
しいよ。戦争ってこわいな。
習
の気持ちに寄り添うことができ
を
るようにする
深 ・ちいちゃんはさびしいままかな?
め
る
⑥
<三場面ではどんなちいちゃんが出てくるのかな?>
いつ
くうしゅうの次の日の朝
どこで
ちいちゃんの家
だれが
ちいちゃん
どうした ひとりでねむった
・お母ちゃん、お兄ちゃんが帰ってくるのを信じて、一人で待
つちいちゃん
<ちいちゃんは寂しいままかな>
① 寂しくなくなったよ
② 寂しいままだよ
③ もっと寂しくなったよ
<どうしてそう思うのかな>
①寂しくなくなったよ
・ 知っている人(はす向かいのおばさん)に会えたから
・ おばさんが手をつないでくれたから
②寂しいままだよ
・ まだひとりぼっちだから
③ もっと寂しくなったよ
・ 家が焼け落ちてなくなってしまったから
・ おばちゃんはいなくなったから
・ こわれかかった暗いぼうくうごうの中で一人でねむってい
るから
・ 食べるものも少ないから
・ 二日間も一人ですごしたから
-4-
・場面の様子がおおまかにとら
えられるように、いつ、どこで、
だれが、どうしたのかを確認し
ていく
・ちいちゃんが信じてまってい
ることを、叙述から見つけさせ
たい
・自分がそう思ったわけを叙述
から見つけ、教科書に線を引く
時間を保証する
・自分がそう思ったわけを叙述
から話すことができるようにす
る
〇ちいちゃんはどんな気持ちでまっていたのかな
・ おなかがすいたよ
・ 暗くてこわいよ
・ 早くお母ちゃんに帰ってきてほしい
・ 早くみんなに会いたいよ
<お母さんとお兄ちゃんをまっているちいちゃんをどう思い
ますか>
・ たったひとりでほしいいを食べながら待つちいちゃんはす
ごいな
・ こわれかかった真っ暗な防空壕の中で一人でねむるなんて
勇気があるな。私ならきっと泣いている
一人で家族の帰りをまつちいちゃんは、早くみんなに会い
たいと思っているよ。
ちいちゃんはこれからどうなるのかな?
<四場面ではどんなちいちゃんが出てくるのかな>
いつ
夏のはじめのある朝
どこで
ちいちゃんの家の前
だれが
ちいちゃん
どうした 一人でかげおくりをした
・ 一人でかげおくりをしたちいちゃん
・ 家族にやっと会えたちいちゃん
〇一場面のかげおくりと同じかな
本 ・ 自分の考えをノートに書こう
・ 自分の考えを発表しよう
同じ
・ちいちゃんは幸せだよ
ちがう
①かげおくりについ
ちいちゃん一人でかげおくりをしている
②ちいちゃんの様子がなんだか変
ちいちゃんは病気
時 ③ふしぎな現象
ちいちゃんは死んでしまった
<ちいちゃんは幸せだったのかな>
幸せ
・ 家族に会えてちいちゃんは幸せだったよ
・ みんな笑っているから幸せだよ
幸せじゃない
・ ちいちゃんは死んでしまったよ
・ ちいちゃんは夢の中で家族に出会えたけど、本当は会えな
かったから
<今日の振り返りを書こう>
一場面と四場面のかげおくりはすごく違ったよ。夢の中
でしか家族と会えなかったちいちゃんはかわいそうだな
自分の考えが深まったところを発表しよう
-5-
【読】早く家族に会いたい
と願っているちいちゃんの
気持ちを読み取っている
(発言 ノート)
・自分と対比させながら、家族
の帰りをひたすら信じて待って
いるちいちゃんの強さも合わせ
て読み取らせたい
・時を表す言葉に着目すると改
めてわかることもあるというこ
とをおさえる
・ちいちゃんが願っていること
を読み取ることができない児童
には、ちいちゃんがなぜずっと
待っていたのか問いかけ、考え
られるようにする
・場面の様子がおおまかにとら
えられるように、いつ、どこで、
だれが、どうしたのかを確認し
ていく
※自分の考えは3分間に区切
り、理由も含めて簡単に書かせ
る
【読】一場面と四場面のかげ
おくりの違いについて自分
の思いを話している
(発言 ノート)
・自分の思いを発言できない児
童には、出た意見の中から選ば
せ位置づける
・ちいちゃんが幸せだったこと
だけが一場面と同じであること
を押さえ、天国で家族に出会え
たちいちゃんは幸せだったのか
考えることで内容をより深めた
い
<あまんさんはどうしてちいちゃんじゃなくて、小さな女の子 ・言葉に着目することで、作者
と書いたのかな>
のいいたいことがわかることを
・ ちいちゃんぐらいの小さな子どもがたくさん死んでしまっ おさえる
たことをいいたいのかな
二 <五場面ではどんなちいちゃんが出てくるのかな?>
次 いつ
何十年後 現在
どこで
公園
学 だれが
子どもたち
習 どうした 遊んでいる
を ・ あれ、ちいちゃんが出てこないよ
深 <あまんさんはなぜ五場面を作ったのかな>
め ・ ちいちゃんのくらしと現在の様子を比べてみよう
る ・ ちいちゃんのころとはずいぶん変わっているな
⑥
現在
・ いっぱいの家
・ 小さな公園
・ 青い空
・ 子どもたち
・ きらきら笑い声を
あげて遊んでいる
平
和
ちいちゃんの時代
・ どこが家なのか
・ ちいちゃんが一人でか
げおくりした場所
・ こわいところ
・ 小さな女の子
・ 空にきえました
戦
争
・五場面は平和なくらしの様子が書かれているね
〇あまんさんは平和な暮らしを書くことで、何を伝えたかった
のかな
・平和な世界の素晴らしさを伝えたかったんじゃないかな
・ちいちゃんが一人でしたかげおくりの場所が、今は公園にな
っているのは余計に悲しい感じがするな
・
「戦争」「平和」という言葉を使って、感想をまとめよう
ちいちゃんのような小さな命を奪う戦争はなくなればいい
な。いつまでも平和な世の中だったらいいな
-6-
・場面の様子がおおまかにとら
えられるように、いつ、どこで、
だれが、どうしたのかを確認し
ていく
・ちいちゃんが出てこないから
こそ、五場面が何故存在するの
か考えさせるきっかけとしたい
・現在とちいちゃんの時代を対
比させることにより、ちいちゃ
んの時代の悲しさと現在の平和
な世の中を感じ取らせたい
【読】戦争の恐ろしさと平和
なくらしの素晴らしさを読
み取っている
(発言 ノート)
・自分の言葉でまとめられない
児童には、友達の意見を参考に
しながら書けるようにする
・ キーワードを示すことで感
想をまとめやすくする
<もう一度題名について考えよう>
・ちいちゃんのってついているから、あまんさんは四場面のか
げおくりについて書いたんだね
【読】題名からあまんさんの
〇あまんさんが伝えたかったことは何だろう
作品に込められた思いを自分
・たくさんの小さな命が失われた戦争についてあまんさんは悲 なりに考えている
しんでいるのではないかな
(発言・ノート)
・もう二度と戦争なんかしないでほしいといってると思う
・ 五場面では平和な世の中がこれからも続くように願ってい
・自分の言葉でまとめられない
るよ
児童には、友達の意見を参考に
しながら書けるようにする
ちいちゃんのかげおくりには、戦争と平和に対するあまん
さんの気持ちがこめられているんだな
<みんなからちいちゃんにメッセージを入れたお手紙を送ろ ・手紙とメッセージの違いを簡
う>
単に説明する
・メッセージとは自分が伝えたいことを書くんだな
・ちいちゃんへ
お父さんやお母さんに会えてよかったね。でも空の上じゃな
くて本当の世界で会えるとよかったね。わたしたちはもう二度 【読】ちいちゃんに対して自
分の思いを書いている
と戦争なんかしないからね。
(ノート)
・ちいちゃんへ
今ぼくたちが住んでいる日本はとても平和です。でも世界の
どこかでは戦争が続いています。世界中のみんなが仲良く暮ら ・メッセージが書けない児童に
は、ちいちゃんにどんな言葉を
学 せるようになるといいです。
かけてあげたらいいのかと投げ
習
かけ考えられるようにする
を
ちいちゃんに自分の伝えたいことを入れて、お手紙を書く
ま
ことができたよ。
と
め
る <お手紙を発表しよう>
・同じ意見だと思って発表する
三
次
・班で自分の書いたお手紙を発表しよう
② 〇自分と同じ意見やなるほどと思った意見はあったかな
・もう二度と戦争なんかしないというメッセージが自分と同じ
でした
・戦争がなかったら、かげおくりの写真みたいにずっとみんな
で暮らすことができたって言った人がいたけれど、なるほど
なと思いました
自分の意見を話すことができたよ。なるほどと思った友達
の意見もたくさんあったよ
-7-
うちに違いが出てきたり、その
反対に違っているところを発表
するうちに同じところが見つか
ったりすることを楽しめる雰囲
気を作る
【読】自分の思いを話すこと
ができ、自分の意見と比べて
聞くことで自分の考えを深め
ている
(発言・様子)
・比べながら聞くことができな
い児童には、自分の意見が誰の
意見と似ているか問いかけるこ
とで考えられるようにする
6、本時の学習(第二次中4時)
ねらい・一場面のかげおくりと四場面のかげおくりを比べて違いを話し合うことで、
内容を正確により深くつかむことができる
児童の活動と思考の主な流れ
時
1<三場面はどんなちいちゃんがでてきたかな>
2
・ ちいちゃんは家族が帰ってくるのをずっと待っていた
よ
・ 家族に会いたくてたまらないちいちゃんだよ
5
<四場面ではどんなちいちゃんが出てくるのかな>
・ 四場面を音読しよう
・ 一人でかげおくりをしたちいちゃん
・ 家族にやっと会えたちいちゃん
・ 死んでしまったちいちゃん
5
いつ
太陽は高く→昼
夏の初めのある朝
どこで
ちいちゃんの家の前 空色の花畑の中
だれが
ちいちゃん ちいちゃんの家族
どうした かげおくりをした 空にすいこまれた
2<一場面はどんなかげおくりだったかな>
・ 一の場面は家族みんなでかげおくりをしていたよ
・ ちいちゃんはとっても幸せそうだったよ
〇一場面のかげおくりと同じかな
・ 自分の考えをノートに書こう
・ 自分の考えを発表しよう
同じ
・ ちいちゃんは幸せそうだよ
ちがう
①かげおくりについて
・ たった一つのかげぼうし→白いかげが四つ
・ お父さんの声が空からふってくるよ
支援と評価
・前時を想起させる
・音読後四場面のちいちゃんを簡
単に押さえる
・場面の様子をおおまかにとらえ
られるように、いつ、どこで、だ
れが、どうしたのかを確認してい
く
2
一場面のかげおくりを想起させる
3
※自分の考えは3分間に区切り、
理由も含めて簡単に書かせる
18
①叙述から、ちいちゃんが一人で
かげおくりをしたことをおさえる
②ちいちゃんの様子がおかしいこ
とが分かる部分に線を引かせ、不
思議な現象は、ちいちゃんの病気
が原因であったことをおさえる
ちいちゃん一人でかげおくりをしている
②ちいちゃんの様子がなんだか変
・ 暑いような寒いような
・ ひどくのどがかわいている
・ いつの間にか太陽は高くあがっていた
・ 声が空からふってくるのが聞こえる
・ ふらふらする足
③不思議な現象に波線を引かせ、
ちいちゃんが死んでしまったこと
をおさえる
【読】一場面と四場面のかげ
おくりの違いについて自分
の思いを話している
(発言 ノート)
ちいちゃんは病気
③ふしぎな現象
・ 体がすきとおって
・ 空にすいこまれて
・ 空色の花畑の中
・自分の思いを発言できない児童
には、出た意見の中から選ばせ位
置づける
ちいちゃんは死んでしまった
-8-
3<ちいちゃんは幸せだったのかな>
5
幸せ
・ 家族に会えてちいちゃんは幸せだったよ
・ お父さんもお母さんもお兄ちゃんも笑っているから幸
せだよ
・ ちいちゃんもきらきら笑っているよ
幸せじゃない
・ ちいちゃんは死んでしまったよ
・ ちいちゃんは夢の中で家族に出会えたけど、本当は会
えなかったから
・ 死んでしまったらもう何も出来ない
・ もうかげおくりもできないよ
5
4<今日の振り返りを書こう>
一場面と四場面のかげおくりはすごく違ったよ。夢
の中でしか家族と会えなかったちいちゃんはかわ
いそうだな
・ 自分の考えが深まったところを発表しよう
-9-
・ちいちゃんが幸せだったことだ
けが一場面と同じであることを押
さえ、天国で家族に出会えたちい
ちゃんは幸せだったのか考えるこ
とで内容をより深めたい
・ちいちゃんに寄り添う児童の視
点が変わらない場合、みんなだっ
たら幸せかどうか問いかける
6、本時の学習(第一次中3時)
ちいちゃんのかげおくりを読んだ感想を話し、みんなで考えたい課題を見つけることができる
児童の活動と思考の主な流れ
時
1ちいちゃんのかげおくりを読んだ感想を発表する
<感想を発表し、課題を決めよう>
・ 場面を五つにわけよう
1の場面より
・かげおくりしてみたいな
・みんなでしたかげおくりは楽しそうだったな
・お父さんが戦争に行ってしまって大変だな
・楽しい空がこわい所にかわって残念だな
2の場面より
・くうしゅうが始まった夜はこわかったよ
・お母さんたちとはぐれて、ちいちゃんはかわいそうだ
・p10 3 行目のぶつかったりの後の線はなんだろう?
・お母さんじゃなくてちいちゃんはがっかりしただろう
3の場面より
・おばさんがいてよかったな
・家が焼け落ちてなくなるなんてショックだろうな
・一人で待っているちいちゃんがかわいそうだよ
・暗い防空壕の中はこわかっただろうな
4の場面より
・お父さんの声が空からふってくるのは不思議だな
・ちいちゃんはみんなに会えてよかったね
・空色の花畑ってどこだろう
・ちいちゃんは死んじゃったのかな
5の場面より
・今は平和でよかったな
・なんだか悲しいかんじがするのはなぜだろう
・ちいちゃんも幸せの時代に生まれたらよかったのに
支援と評価
5
25
・感想が出やすいように、どのど
の場面から話しても良いことを伝
える
・発言した子のネームプレートを
黒板に位置づける
※内容を正しく理解できていない
意見が出た場合は、本文に立ち戻
って確認する
【読】ちいちゃんのかげおく
りを読んだ感想を話し、みん
なで考えたい課題を見つける
ことができる
(発言 ノート)
2〇みんなで考えていきたい課題を決めよう
1
・自分の感想や課題を発言できな
い児童には、黒板の意見を参考に
話すことができるようにする
自分と違ったいろいろな感想があったよ。
早く課題を解決していきたいな。
- 10 -