中闘速報 2015No1 2015/ 3/18 発行 最新号

2015 No.1
昭和シェル
3月3日と10日に春闘団交を開催しました。以下にその概要
を報告します。本日は電機・自動車等大手企業に回答があり、明
日には昭和シェル石油でも回答が示されるものと思われます。組
合は本日、会社の誠意ある回答を求めて、ストライキを実施して
います。
ビラの裏面には、3月20日と4月9日の経団連包囲行動の案
内も記載しました。日本の雇用を破壊する派遣法改悪や過労死促
進・残業代ゼロ法導入に強く抗議し、そうしたたくらみをストッ
プさせるためです。この法改悪には、
「連合」も強く反対していま
す。経団連を包囲し、働くものの尊厳を守りましょう。
2015 年春闘要求(要旨)は以下の通り。
① 賃上げ:一律2万円(全労協統一要求。基準内賃金比 4.88%)
② 一時金:本給比年間 8.3 ヶ月(基準内賃金 6.78 ヶ月)
③ 再雇用制度:
・希望者すべて 65 歳まで雇用する。
・短時間、短日数勤務も選択できるように。
・労働契約法 20 条に基づき、賃金・一時金を見直す。
- 労働契約法20条 -
有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容で
ある労働条件が、期間の定めのあることにより・
(中略)
・
期間の定めのない労働者の労働条件と相違する場合に於
いて、不合理と認められるものであってはならない。
④ 男女平等な職場を実現するためのポジティブ・アクション
の実施。
⑤ 非正規労働者の雇用
・本人の同意なく契約解除を行わない。
・派遣期間3年を経過する労働者は、本人の希望があった
場合、正社員として採用する。
⑥ セクハラ、パワハラに関する要求
・ハラスメントを禁ずる方針の周知・啓発の徹底、など
2015 年 3 月 18 日
【要求に関する組合補足】
●労働組合として、格差・貧困が拡大している中にあって、
(それ
らを縮小させるための)社会的な活動も進めて行くが、対企業要
求としては前記の通り。
●賃金、一時金について:
・昨年の会社回答(賃金改定)は資各ごとの賃金ゾーンを据え置
いたものだった。組合の理解では「賃上げ」とは言えない。今年
は賃金ゾーンを引き上げるちゃんとした賃上げをしてもらいたい。
・組合には(60 歳以前の)正社員がいないが、正社員を含めた全
社員の労働条件の維持・向上が重要な役割なので、
「回答」として
示してもらいた
い。
・先進国の中で、
日本だけ賃金が
下がり続けてい
る。
(右表)
・昨年の賃上げ
は大企業を中心
に、わずかであ
り、実質賃金は
下がっている。
・国や経団連が
進めている雇用
政策は、非正規
労働・低賃金、
貧困の拡大だ。
女性は6割が非
正規だ。それが
少子化にも拍車
をかけて、国の
将来を危うくし
ている。全体的
な底上げが必要
だ。石油業界の厳しさは認識しているが、大きな視点から検討す
べきだ。
・国や経団連は、派遣法の大改悪や、過労死促進・残業代ゼロ法
を導入しようとしているが、大企業の目先の利益のみにとらわれ
ている。中長期的視野で、子供を産み、育てながら安心して働け
る環境を作るべきだ。
・大企業の内部留保は増え続けている。
(下表。
「全労連春闘方針」
より)
・昭和シェルの組合員有資格者の人数と基準内賃金の推移は
2004 年末
1005 人 42 歳 9 ヶ月 451,499 円
2014 年末
740 人 40 歳 5 ヶ月 410,056 円
【3日の団交で、会社から「2015年春季交渉に関する会
社見解」が示された】
【3月10日時点での会社の検討状況】
【会社・大久保】石油業界で昨年賃金改定をしたのはほとんど私
どもだけ。業界が再編も含めて非常に厳しい状況にある中で、賃
上げを行うかは慎重に検討したい。賞与については、業績とほぼ
ほぼリンクしていると思うが、
貴組合の要求に応じるのは難しい。
●再雇用について:
「労働
契約法20条に基づき賃
金、一時金を見直す」と
いう要求に変えた。多く
の再雇用者がそれ以前と
同じ仕事をしている状況
にある中で、賃金・一時
金に大きな差があるのは
問題だ。運輸会社で、再雇用者の労働条件で訴訟が起きている。
3 月 20 日、
4月9日
経団連
包囲・要請行動
●パワハラについて:その疑念がある事例を紹介し、適切な対応
を求めた。
●ポジティブ・アクションについて。
【組合】今国会で法案が再上程され、一部修正はあるかもしれな
いが、通る見込みだ。昭和シェルとしては、ジェンダー統計も含
めて、積極的に開示する方向性を持って欲しい。そのことが優秀
な人材を取ることにもなる。
【会社・新留】男性も女性も活躍の場を提供して、それなりに処
遇していく。
●「4つのビッグゴール」のうちの「国内最高の収益性を持つ石
油事業の確立」について、現在のポジションを質問した。
「販売量
あたりの収益性は業界トップ」との説明があった。
●育児にかかわる制度の改善、意識改革の重要性について意見交
換した。
●バイオマス発電はスケジュール通り進捗している。
●LPG新会社名「ジクシス」の通知があった。
●障害者雇用率1.8%を満たしている、との説明を受けた。
【組合】香藤会長の退任の弁を読んだが、率直に言って「この時
(業界再編必至)に逃げるのか」というのが実感だ。昨年の株主
総会で、社内取締役をたった二人 - しかもダグラス氏は、い
ずれは昭和シェルを去る - にしたことに対して
「大丈夫かと」
問いただした。そして昨年末に「出光が昭和シェルを買収」との
ニュースが流れて、
社員は不安を感じている。
業界再編が必至で、
この問題に決着をつけないままの状況で退任するのはいかがなも
のか。どうしてこんな人事がまかり通ってしまうのか。
【会社・新留】トップの交代については、会長が出しているコメ
ントの通りだ。
有給休暇の取得率は 75%
週刊「東洋経済」の「有給休暇取得率ベトス 300」に昭和シェ
ルが入っていなかった。実際には 76 位(石油業界では2位)に
相当する 75%との説明があった。組合はこうした情報は積極的に
開示すべき、当該年度付与日数は 100%取得できるようにすべき、
と求めた。
二度廃案になったものの、政府は経団連の意向を受けて派遣法
の大改悪案を国会に上程しています。派遣を自由化し、生涯派遣・
不安定雇用のまま働かざるを得ない労働者が激増するおそれがあ
ります。
さらに、
「高度プロフェッショナル労働制度」と言う労働基準法
適用除外の過労死促進・残業代ゼロ法の導入も準備を進めていま
す。
15 けんり春闘実行委員会は、こうした動きに対して、以下の通
り経団連を包囲し、要請を行います。多くの皆様の参加をお願い
します。
■3月20日(金)11時30分~12時30分
■4月 9日(木)13時30分~14時10分
経団連会館 東京都千代田区大手町1-3-2