県内業界から見る【賃金改定】について 石川県中小企業団体中央会 <調査対象> ◎調査期間:平成27年4月下旬~平成 27年5月上旬 ◎調査対象:当会情報連絡員(業界組合)58 団体 回答 47 団体 ・製 造 業:31団体中24団体 ・非製造業:27団体中23団体 <結果のポイント> (1)賃金改定について 大手企業を中心に、賃上げや一時金の増加についての報道がなされていたが、今後、経済の好循環を加速させる ためには、中小企業の賃上げが不可欠であると言われている。そこで県内の中小企業者の賃金改定状況について、 業界組合に聞いてみたところ、次の通りであった。 ○全業種では、 「行っていない」が最も多く、 「引き上げた」が続き、 「引き下げた」との回答は見られなかった。 「行っていない」が最も多かったものの、景気回復の力強さが欠けていると言われている中、財務余力に乏し い中小企業において、 「引き下げた」との回答がなく、 「引き上げた」との回答が44.7%あったことは、 「賃 上げ」が中小企業にまで広がりを見せていることが窺われる。また、 「賃上げ」の内容が、 “定期昇給”や“ベ ースアップ”が“一時金”よりも多いことから、企業の「賃上げ」の意欲が高いことが窺える。 (2)業種別詳細 ○製造業においては、 「引き上げた」 (54.2%)が「行っていない」 (45.8%)よりも多かった。引き上げ た理由を見ると、 “売上の増加”と“人員確保”が多く、業績向上に報いるためと人手不足への対応から、引き 上げた事業者が多いようである。特に、人材確保においては、中小企業は大企業よりも厳しいと言われている 通り、 “人材確保”という理由が多かった。なお、引き上げた内容においても、定期昇給とベースアップが多い ことから、一時的な対応に留まらず、長期的な視点で「賃上げ」に取り組んでいるようである。 ○非製造業においては製造業と異なり、 「行っていない」 (65.2%)が「引き上げた」 (34.8%)よりも多 かった。昨年は駆け込み需要の反動減から個人消費が低迷し、非製造業は低調に推移しため、このような結果 になったと考えられる。引き上げた理由を見ても、業績回復によるもの以外の要因が多いようである。ただ、引 き上げた内容では、定期昇給とベースアップが多いことから、賃上げの対応としては、長期的に取り組むよう である。 ■賃金改定について 全業種 55.3% (26) 44.7% (21) 非製造業 製造業 1.引き上げた 2.行っていない 45.8% (8) 54.2% (13) その他 65.2% (15) 2.行っていない 3.引き下げた 3.引き下げた 上記質問で「引き上げた」と回答した方への質問 ■引き上げた理由 製造業 非製造業 売上の増加 3 売上の増加 観光客の増加 1 観光客の増加 人員確保 人員確保 6 労務単価の改善 従業員の生活支援 3 従業員の生活支援 その他 2 1.引き上げた ■引き上げた内容 製造業 1 1 2 1 1 3 定期昇給 ベースアップ 一時金 残業代等手当 34.8% (8) 1.引き上げた 2.行っていない 3.引き下げた 非製造業 11 6 3 1 定期昇給 ベースアップ 一時金 4 4 2
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